改良発明
キメラ宅へ——
「教諭〜、無事卒業してきましたよォ〜、遊びに来ました〜」
ここはキメラ教諭の自宅——
ダバノンは卒業間際、キメラ宅をたずねた——
「おお、ダバノンくん、いらっしゃい。とにかく、卒業おめでとう!!」
キメラは嬉々としていた。
「研究の方はどうですか?」
「おお、そうだそうだ。本質メガネについて進展ありだ。そのお〜、前回、セーラくんを交えて街をパトロールした時に、セーラくんが、このメガネがサングラスだったっという所に、難点を示していたね。だから今回は、」
「今回は?」
「本質メガネのサングラスをアイコンタクトに改良した。これで、へんに気負わず、脱着ができる!小さな進展だが、セーラくんも恥ずかしくないし、宇宙人に“本質メガネ”の存在を気取られても、メガネをつけていることをバレずに済む。」
ダバノンは興奮して——
「おお!それはデカいですよ!!教諭!!大きな進展です!!」
「ははは、そうかい?良かった。うれしいよ。」
キメラは「新作」のアイコンタクト式の本質メガネをダバノンに手渡した。
それは、一見ふつうのコンタクトと見栄えが変わらない逸品だった——
「これで、普段から、日常生活、どんな時でも「彼ら」、宇宙人を識別できる。寝る時以外いつでもなっ」
こくんッと頷いたダバノンは早速装着した——
「おお!いい!軽いし、目がゴロゴロしない!!これは大発明です!!」
「ところで——」
と、ダバノン——
「前に手渡した、伊藤計劃の小説、「虐殺器官」は読んでいただけました?ぜひ、感想を聞きたいのですが……?」
「あれは……」
と、キメラ——
「あれは??」
キメラは自らの語彙を恥じるように——
「やばいな……」
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