同級生と同志
流星?を見た後の朝。何が待ってる?
朝。むくむくと起きたダバは、ごしごしと目をこすり、昨日の流れ星?のことなど、とうに忘れ、目覚めの悪い朝を迎えた。
「あ〜あ、結局昨日の間でフリーメイソンの公式サイト、ハッキングできなかったなあ〜、ま、今日、学校終わってからだな」
ダバの部屋は、ロズウェルの陰謀論の書籍や、スピリチュアル科学の専門書やダバの自作の超高性能コンピュータや、その他の資料でごったがえし、ゴミゴミしていた。いつも母親にきれいに片づけなさい、と口うるさく言われていたが、当のダバはどこ吹く風であった。
ミートローフと食パンをささっとたいらげたダバは、時間ギリギリ、一目散に家を飛び出した。
駆け足でテェラー高校に向かい、途中、道路の信号を無視することもあった。
すると、学校への道すがら、聞き覚えのある息づかいと明瞭な声がダバのとなりから響いてきた。
「おっはよ、ダバ。さては、昨日もあんたのワケのわからない研究で夜更かししたなあ〜?(笑)」
ノースリーブに、ジーパン。ショルダーバッグを下げた、ダバの同級生の女子、セーラ・キョーユが息も絶え絶え、現れた。
ダバは迷惑そうに、
「うるせえな。お前には一生理解できない重要な研究を俺はしてんの!口出しすんな、ばか」
イラッとしたセーラは、
「あんた、研究もいいけど、就職どうすんのよ?勉強からっきしだめじゃない。地頭がいいんだから、本当に大切なこと、進路の勉強に力そそぎなさいよ。今日も補修でしょお?」
「だからうるせっての。俺にとっての今やらなきゃいけない、一番大事なことは、研究なの!いいんだよ、進路なんて。テキトーにやってればどこかしら就職できる、なんならフリーターになってもいい。研究が続けられれば、俺はそれでいいの!!」
「あんたってやつは……。」
ダバがセーラを置き去りにして、走るスピードを上げて、学校へ向かった。
セーラは走り去っていくダバに向かって、
「ダバ〜!あんたのこと思って言ってんだからね〜〜っ」
しかし、気にせずダバは視界の奥へ消えていった。
セーラは心の中で——
(あんたのこと、好きなんだからね……)
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夕方。朝からどの授業も寝て過ごしたダバ。当然、成績が悪い彼なので、セーラの言った通り、補講を受ける予定だった。
今日の補講科目は化学。ダバが唯一、勉強を頑張るならこの科目だな、と思っていた教科であった。
「来たか。」
化学教師のキメラ・ストゥーデントがダバを出迎えた。
今日の化学の補講はダバ一人だった。
「君は話によると怪奇趣味があるみたいだね、優等生のセーラくんから君のことをよく聞いているよ。」
セーラ、余計なことを。ダバは内心焦った。
(詳しく知られすぎると何かとまずいな……)
話をそらすため、ダバは、
「あ、そだ!キメラ先生、今日の補講、さっさと始めましょう。ね!?」
妙にほくそ笑むキメラ教諭。
「ダバノンくん。今日はせっかく君一人なんだから、君の好きな分野の特別補講としよう!」
「えっ!??」
ダバは焦った。
「単刀直入に言うよ?君は神を信じるか?」
「え、ぼくは無神論者です。信じません」
「質問を変えよう。君は……、
宇宙人を、地球外知的科学生命体、を信じるか?」
しばらく沈黙——
そして、
「めちゃくちゃ信じてます」
どんどん物語が進むごとに面白くなるよ。評価くれると嬉しいです。