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芸術大学のすすめ

Art of life.

「根拠はあるんだ。君が芸術大学へ向かうべき根拠が」


 ダバノンはあっけにとられた。


「まず、」


 キメラ教諭はひと間あけて——


「芸術大学、と言ってもいろんな分野がある。絵画・彫刻・現代アート・映像……、音楽も入れれば数え切れないほどだ。もちろん君がやりたい分野でいい。」


 ダバノンは——


「楽器なんてまるでいじったことないから、絵とか彫刻、かな?俺は」


 キメラは笑顔で——


「まあ、君が向いている、と思える分野に飛び込むと良いよ。そして、なぜわたしが君の進路を、芸術方面に推奨するのかと言うと——」


「言うと——?」


「どんな表現、音楽でも絵画でも……、君が創り出した創作物は、彼ら、宇宙人への最大の攻撃になり、快楽にもなる。」


「お、俺が創ったものが、宇宙人への攻撃になり、やつらを癒す、快楽にもなる?どう言うことですか?」


 ダバノンは不思議がった。


「例えば……、例えばだ。ダバノンくん、君がナスカの地上絵よろしく学校の校庭に砂絵を描いた、とする。すると、それを本質メガネで見ると——?」


「見ると——?」


「“悪い宇宙人は死んでください。善い宇宙人はこの芸術の甘美を味わってください、友達になりましょう”、というような文章表現になる。ノンバーバルコミュニケーション、言語を使わない交流、発信。と言っても良い。それをするのにいちばん適した手段が、芸術、現代アートなんだよ。繰り返し言うが、それは君が慣れないと言う音楽でもいい。どんなにつたない表現でも、彼らには伝わる。彼らの中の一部は苦しみ、死に、また他の一部は喜び、癒され、わたしたちと友好関係を築ける」


 空いた口が塞がらないダバノンは、しばらく黙っていたが、やがて一言発した。


「教諭は一部の宇宙人と友好関係を取ろうとしているのですか?」


 キメラは何の気なしに——


「当然だ。それこそ君に勧められたSF小説や映画には、宇宙人とのコンタクトをはかり、友好関係を築く、と言う物語が数え切れないほどあったぞ」


「でも、……。」


 ダバノンはちょっと逡巡している様子だった——


「そのまた一部は本気でこちらを殺しにくるんでしょう?いえ、聞かなくてもわかります。彼らのうち、過激派はぼくらを殺しにかかる。宇宙人とコンタクトなんかとっている場合ですか?命懸けなんですよ?」


 キメラ教諭は——


「だからこそ……だからこそだ!凶悪な宇宙人を倒すために、それらに接するより少し前に善玉の宇宙人と会い、強硬派の宇宙人を倒すアイデア・方法を教えてもらうんだ。」


「わ〜〜た〜〜し〜も、話に入れて!」


 セーラはごりっぷくの様子で話に横やりを入れた。

 

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