衆愚と愚かな光、聡明な青年君子
君は本当にあると思うかい?
ぼくは本当にあると思っている。
———序文———
そこはある宇宙の辺境にある、一つの惑星から。
青き惑星、地球を静視する“何者か”達——
「あいつら、二人か……。危ないな……」
ある生命体が声を発した。
そして、それを聞いていたその惑星の衆愚は——
「?」
ピンときていない様子だった。
「お前らには分からないのか?」
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そして、舞台は地球——
アメリカ、ヤマハ州テェラー市、という片田舎。牧歌的な空気が漂う穏やかな港町である。
(カタカタカタ)
——パソコンのキーをひたすら打つ音——
「もしかして?いや、違うか……、なんか惜しいとは思うんだけどなあ……」
青年の名前はオン・ダバノン。テェラー高校の三年生。同級生などからは愛称として、ダバと呼ばれている。
今日もダバは自宅の研究部屋で趣味の一つの陰謀論の探究に努めていた。今回の探求材料はフリーメイソンの公式サイトのハッキングだった——
フリーメイソンの公式サイトのサイバーセキュリティは思った以上に強固で、ダバは思った以上に苦戦していた。
「ああ!今日はここまでだ!時間がもったいない!!」
ダバはフリーメイソンの公式サイトのハッキングを諦めた(あくまで今日のところは、……だが)。
「なんか、いつか僕にも、歴史上の大発見とか、できないかなぁぁ〜」
途方もない夢(途方もないかどうかは分からないが……)、をぼやいてダバは今日の実験を終わりにして、寝に入ろうとした。
——その時である——
「な、んだ……!?アレ」
閉めようとしたカーテンの窓越しの夜空に何かが、スッと横切り、キラッと光った。
「流れ星……、か?なんか違うような……!?」
そして空は静かになった。
写真でも撮っておけばと後悔したダバであったが、一旦わすれて、ノートに、
『X月X日、夜、流れ星?確認』と書いて、就寝についた。
これからどんどん面白くなってくるので、応援してもらえるとうれしいです