まだ時期ではないと寝言をいう女神の戦い方
「まだ時期ではない」
自分の発した言葉にハッとなり、目を覚ます。
周りの武官たちも私の寝言を笑っていいのか、聞かなかったことにするのか、迷っている様子だ。
私はこの国を束ねる女神。
そして、この国はいま異教神たちの侵略に脅かされている。
兵たちと共に戦へと赴くのだが、結果は芳しくない。
私の奇跡は「まだ時期ではない」と呟くと、全てを夢にさせて、時間を移動することが出来る。
周りのもの達は、その言葉をただの寝言としてしか捉えないが。
今も現実が夢となった時間から、開戦前の時間に戻ってきた。
我ら軍勢がやるべき事は兵站だ。食料の補給がまるで足らず、大切な兵士たちが疲労の果てに、次々と倒れていった。
戦地でも物持ちをし栄養を得るのは、お芋だ。
商人と農民を城に招いて、お芋の提供を相談する。
この地域の人々にとってお芋は人気はなく、容易に大量に用意された。
幸いだが、愚かなとも思う。このお芋を蒸して塩を振りバターを載せただけのものでも、美味だというのに。
お芋を細切りにし、油で揚げものも作った。塩や様々な香料をまぶすことで様々な味を作る事が出来るので、飽きず、尚且つ、腰の巾着に入れといて、剣を振るいながらでも食べれるのでとても便利だ。
またやはり、お芋をこねて小麦粉をまぶして、やはり油で揚げたものは、ボリュームがあり、単体でも満足度は高いが、パンに挟んだ時の多幸感は兵士たちの士気が一気に上がる。
異教新との幾度目かの決戦直前、私の前にも大量のお芋の小麦粉揚げが供えられた。人々であったならば、その量の油で胃をやられてしまうが、私は女神。もちろん苦なく平らげ、栄養が身体の隅々まで行き渡るように、しばしの眠りにつく。
「I Will Go」
自分の寝言に目を覚ます。私から発せられたこの言葉は、兵士たちの士気を一気に上げる効果があり、武官たちが女神が出陣すると声を挙げれば、多くの兵士もやはり雄叫びで返してくる。
任せよ。これは勝利を約束された寝言であるぞ。
一気呵成に異教神を薙ぎ払い、我らは見事に勝利を収めた。
最高位武官が私に、絶対神として世界を収めて欲しいと願い出たが、言葉を聞き終わる前に眠りに落ちる。
そして私は「まだ時期ではない」と寝言を呟いて、違う時間で新たな民を導いて、全ての人々が幸せになる為の道を探すことにした。




