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Qどうして警察はそう考えた?
とある場所のとある真夏日。
一人の気絶した男が、路上に倒れていた。
偶然通りかかった人がそれを見つけ、すぐに男は病院に搬送された。
目覚めた男は警察に、自分は十時間ほど路上で気絶していたようだと語った。
警察は男がべつの場所から路上に運ばれたのだと考えた。
つまり、男は何者かによって、体を運ばれ、べつの場所に移動させられたあと、ふたたび路上に放置された可能性がある――警察はそう考えたのである。
「やれやれ。これは、簡単な事件じゃないかもしれない……」
警察の一人はそう思いながら汗をぬぐった。
なぜそう思うかといえば、倒れていた男の皮膚を観察したからである。
Qどうして警察はそう考えた?




