第8話⬜ねえさんができた
剣帝様のところには週3回通っている。その甲斐あってか腕はだんだんと上がってきている。
錬金術の方は相変わらずポーション作りしかしていないが安定していいものが作れるようになってきている。
だがここでよーく考えてみた。これでは前世と同じなのではないか?
剣や魔法を極めていけば必ず戦場に引っ張り出される。そうすれば前世のように騙し討ちにあったり敵に負ければ殺される。
かと言って何も身につけていなければ強大な暴力には抗えない。運が悪ければ殺されよくても一生奴隷で終わりだ。
錬金術でお金持ちになってもより強大な者に取り込まれてしまえばそれで終わりだ。一生使い潰されてしまう。
かと言って隠れながらこそこそと暮らすのはとても幸せとは言えない。
ならばどうすればいいか。自分より力があって目立つ奴がいればいいのだ。そうだ自分の兄弟分を作って、そいつらにいろんなことをやってもらえばいいのだ。
ウワッハハハハハハハー!完璧だ!
というわけで次の目標はゴーレム作りに決まった。
ただのゴーレムならばすぐにできる。核となる魔石を用意して体になるものを作ればいい。後は魔力を通すだけだ。そうすればある程度の命令は聞く忠実な下僕ができる。
しかし人間と同じように考えられて話すことができる。そんなものを作るとなるとちょっと難しくなってくる。いやだいぶ難しい。
よしそれでは今日は魔石を取りに行こう。だとすれば強力な魔獣がいるのは南の死の森だ。
まだ入ったことはないが、この間倒した魔獣なんかよりずっと強いのがいるはずだ。
「ふわりん」
フライの魔法をかけて南の死の森に向かって飛び始めた。10分ほどで到着したので魔力の流れを探ってみる。
南西の方角に強い魔力を感じる。森の木々スレスレに飛んで南西の方を目指した。
「グギャー!グギャー!グギャー!」
なんだこれは?ドラゴンの巣か?んん?巣もあるようだけどなんか骨もいっぱいあるな。ひょっとして墓場?
チャーンス!ここなら魔石もいっぱい落ちてるだろう。ドラゴンっていうのは捨てるところがないんだろう?どこもかしこも使えるみたいだからどんどん拾っていこう。コレクト。
「集まーれ!」
来る来る来る、魔石、骨、鱗、角、ひげ、あれ?何で金があるの?ドラゴンって光るものや綺麗なものが好きなんだ。
宝石、王冠、宝剣、ネックレス、キラキラキラキラすごい数。王冠をかぶってポーズ。
「ルーナ王さま、にあう?」
「誰だ!!勇者の谷に入る不届き者は!!」
振り返るとそこに体長20メートルはある黒いドラゴンがいた。つ〜よそう!
「はい、ルーナでしゅ。すぐ帰りましゅ」
「待て!・・・お前強いな!!我と勝負しろ!お前が勝ったらここに入ったことの罪は問わぬ」
えーこんなでっかいやつと戦って勝てるわけないじゃん。う〜ん。
「それでは行くぞ!そりゃー!」
ドラゴンはしっぽで俺を吹っ飛ばしにかかる。しかしこちらはフライで飛び上がり、それを難なく避けることができた。やられっぱなしで済ますものか。これでもくらえ!レーザービーム連射。
「ふわりん。ぴかりん!ぴかりん!ぴかりん!ぴかりん!ぴかりん!」
レーザービームはブラックドラゴンの顎に命中する。しかし貫通はしない。だが連撃なのでドラゴンに尻餅をつかせることができた。
あれ?結構戦えるじゃない。なんとかなるのかな。サンダーストライク!
「はっははー!お前はルーナのおもちゃだ。こげちゃえー!、ぴかぴかりん!」
特大の雷がドラゴンの頭に直撃する。ぷすぷすいってばったりと倒れた。死んではいないが気絶ぐらいはしてるようだ。この間に逃げよう。
「うるさいな。少し静かにしてくれんか」
あれまだいたのか。どうしよう。振り返ると白い山だと思っていたそれは大きなドラゴンだった。とっても綺麗な白いドラゴンだ。体長は少なくとも50mはあるな。今度こそまずい!とっと逃げよう。ん?なんか元気がないな。
「しゅみましぇん。元気がないようでしゅがお腹壊した?」
「違う。私はもう寿命だ。ここで静かに死ぬのを待っているのだよ」
「ええーかわいそう」
「お前が気に病むことはない。私は2000年も生きた。もういいのだ」
「ルーナポーション持ってるよ。飲んで」
「ふふふ」
大きな白いドラゴンは特に怒るでもなく微笑みながらこちらを見ていた。俺はありったけの上級ポーションを錬金釜の中に入れて竜の谷で見つけた魔石をぶち込んだ。そこに自分の魔力を限界まで込めている。
「はあはあはあ、できた」
なんとか錬金釜を引きずって白い竜のところまで持って行った。
「飲んで」
口に錬金釜の中のポーションを流し込んでやった。すると白い竜の様子が変わった。今まで元気なくうなだれていたのだが目に光が宿ってきた。力強さのようなものが伝わってくる。
「どうしたことだ!これは全盛期の頃の自分のようだ。お前は一体何者だ!」
「通りしゅがりのルーナでしゅ」
「おお!体が動くぞ!すごい!これは何か礼をせねばならんな。ルーナはこんなところまで何をしに来たのだ?宝探しか?」
俺はこれまでの自分の考えを話した。少しでも幸せに長生きできるようにということを。
「なんだ。それなら簡単じゃない。私を連れて行きなさい。最強の護衛になるわよ」
「ありがたいでしゅが、そんな大きな姿で行ったらみんな泣いちゃいましゅ」
「それなら人の姿にもなれるわよ。見て」
白い竜の姿から色白の銀髪巨乳美人になった。すごくきれいで色っぽい。ちゃんと白いロープも来ている。
「ほえ〜きれい。お名前は?」
「ソレイユ。ソレイユ・ミルキーウェイよ」
ソレイユがねえさんになった。
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