第3話⬜ポーション作り
焼肉食った次の日、院長室に呼ばれた。ここには俺と院長先生、アメリア先生、そして冒険者ギルドの偉い人がいる。
あれだけの魔物をどうやって倒したか?そしてマジックバッグについて聞きたいのだろう。
「あの魔物はルーナちゃんが倒したの?どうやって倒したのかな」
「いや、キライ」
「ルーナさん。大切なことなのよ。冒険者ギルドの偉い人にお話ししてちょうだい」
「ルーナ悪いことしてないもん。だから話さなくてもいいんだもん」
「うっ、これは失礼しましたね。ここにお菓子があるんですが食べながら話しませんか」
「もぐもぐもぐもぐ、ルーナがぴかりんで倒したの。もぐもぐもぐもぐ」
「ぴかりん?魔法ですか?この年齢で魔法が使えるなんてすごいことですね。この辺りには魔法使える人はあまりいないのですが」
「あとおっしゃっていた魔法の袋はこの子の腰に下がっています」
「おお、これがそうですか!もし本物ならすごいことですよ。この国のどこを探しても他にはありませんよ。ちょっとその袋見せてもらえるかな」
「いや。これはルーナの袋だから貸さない。ふわりん」
俺はフライの魔法を使って部屋の中を浮いてみせた。まあここまで知られてしまっては知らんぷりというわけにもいかないだろう。魔法ぐらい使ってみせるのはいいだろう。
「すごい!空中を浮けるなんて!こんな魔法見たことないですよ。これは 領主様に報告ですね」
俺はそのまま浮いて部屋を出て行こうとすると院長先生に止められた。仕方がないので席に戻って座った。その後少しして冒険者ギルドの偉い人は帰って行った。
「これはね冒険者ギルドの方からもらったお金よ。ルーナさんが取ってきた魔物の代金だからルーナさんが受け取って」
「半分あげる」
そう言って院長先生にもらったお金の半分を返した。院長先生は苦笑いをして仕方なくお金を受け取った。
「上の子たちは確かにそういう決まりがあるから半分受け取ってますけどね。ルーナさんはまだ小さいんだから自分で持ってていいんじゃないの」
「ううん。決まりはまもる」
今回のことで俺が魔法使えることは知れ渡ってしまった。マジックバッグのことも知られてしまった。これは今までの経験から行くと非常にまずいことなのではないかと思う。
だが防げなかったし仕方がない。今回手元に入ってきたお金は金貨が12枚大銀貨が5枚銀貨が6枚だった。一般家庭の4・5ヶ月分の稼ぎを3時間ぐらいでしてしまった計算になる。大銀貨は銀貨10枚分の価値があるらしい。お金はいくらあっても邪魔にはならない。ありがたく受け取っておこう。
次の日
アメリア先生に鍋を一つ買ってもらった。直径50cmぐらいの大鍋である。せっかく錬金術を授かったのだからこれでポーションを作ってみたいと思う。
午後の休み時間にこの間の森に行って薬草を採取する。今回は飛んで行ったので5分で着いた。索敵魔法をかけて薬草を見つける。
「薬草はど〜こ?」
森がキラキラ光って薬草のあるところを教えてくれる。30分ぐらいで山ほど集まったのでこれで帰ろうと思う。
そうだポーションを作った後の入れ物がなかった。自分で買い物なんか行けないし、しょうがない作るか。その後河原に移動してそれらしい石を採取する。コレクト。
「石あつま〜れ」
こちらも30分ほどで山ほど集まったので帰ることとした。施設に帰ってきてポーションを作りを始めた。ちょっと人目が多いな。1人になれるところで作るか。
木箱の蓋を開閉できるようにして中に入ってみる。50cm四方の木箱だから 狭い。やっと中に入れただけだ。空間拡張の魔法をかける。エクスペンション。
「広が〜れ」
とりあえず6畳2間ぐらいでいいかな。う〜んと、買ってもらった大鍋を出す。水を入れて煮立たせる。ウォーター、ホット
「水煮立て〜」
よし煮立ったのでここに薬草を入れる。かき回しながら魔力を込める。さあどうだ?鑑定してみる。お〜、すると下級ポーションと出た。冷ましてる間に瓶を作ろう。
さっき取ってきた石を出して手で掴み取る。こねこねして瓶を作っていく。硬い石なのに粘土細工をしているようだ。焼かなくてもできる所がいいところだな。100本ほどできたので今日はここまでとしよう。
冷めたポーションをピンに詰めて、これで下級ポーションの出来上がり。おもしろい!何でこんなに楽しいんだ。これが新しいスキルか。
夕方のご飯になるまでずっと作業を続けていた。魔力を込める量を多くすれば中級、上級のポーションが出来上がる。下級のものは薄いピンク、中級のものはピンク、上級のものは赤色になった。
食事の後でアメリア先生にポーションのことを相談した。
「なんで幼女がポーションなんて作れるのよ?あなた一体何者なの?」
何者と言われても転生者なんて言えるわけもなし。
「ルーナです」