ブチ切れ執事は 神も殴る
ブチ切れ執事は 神も殴る!!
「っ!!」イリアの両手は 空をキッタ!
「動くんじゃねぇ!」シヴァは、ドワーフと ハイエルフの、首の皮1枚を 同時に切ると、ピタッと 刃先を止めた!
「チッ!」執事イリア、舌打ちを残し 転移した。3秒後 戻るが、額には 怒りマークのあおすじが、ハッキリくっきり 脈打っている!!
「4か所には いなかった!くそっ!!」テーブルを 叩くと、国宝級の 分厚い木の塊は、絨毯に沈んだ。
「伝説級の テーブルが、台無しじゃ・・・こなごなでは 再生はのぞせんな……」首を全く動かさず うなだれる器用なドワーフ。
「じーさんよぉ!命にかけて 安全は護るんだったよなぁ!死ぬよな?」シヴァは マジだ。
「嬢ちゃんを 探し出してからじゃな?死ぬんなら!儂が 今直ぐ死んだら、嬢ちゃんの生還が 難しくなるだけじゃよ。わかっとるんじゃろ?」ドワーフは そっと、自分の首筋に くっついている、鉈みたいな大きさの 中華包丁を離した。「まったく……首の皮を 切りおってからに……」ドワーフは そっと傷を撫でて、ヒールをかけた。
「私も 何百年かぶりに、首の皮をきられましたわ!」ハイエルフも 自分の首にくっ付く、日本刀を そっと押し退け、自分にヒールをかけた。ついでに、 粉砕されたテーブルも消した。
「嬢ちゃんは 昼寝をしておったよの?もぞもぞ動いて [ぷぅ]をしたの? もぞもぞ気張って オナラを出しながら、ソファから[こぼれた]ら 消えた! のじゃよ!」とドワーフ!
「その [こぼれた] 瞬間は、全員みてた ダケ だわ!何もしていない!」ハイエルフ。
「イリアの 瞬間転移は、床には 落ちないハズのタイミングだった!イリアの 腕に、すっぽり嵌まる 絶妙のタイミングだったぜ?!」シヴァは、狐につままれたように 信じられんと言う。実際 執事イリアは、瞬間移動していた!
「キャッチが 空振りした瞬間、自宅等 立ち回り先を 捜索しましたが、どこにも おられません!…… くっ!…」イリアの拳は 真っ白になり ぷるぷる震えている。
「冷静になるのじゃ!嬢ちゃんは 多分じゃが、自己防衛反応で 転移したと考えられるのじゃ!」ドワーフは そっとイリアを、ソファに座らせた。俯いていたイリアは、ドワーフとハイエルフを睨め付ける!!
「嬢ちゃんが 消える前後、何らかの悪意は 感じられんかったじゃろ?嬢ちゃんは 腹ごなしに 寝ながら動いて、腸にガスがたまって 気張って、ぷぅをしたんじゃよ?そして ソファからこぼれそうになって、自己防衛反応で 転移じゃよ?状況は そうしか考えられん!」ドヤ顔の ドワーフ…。ソコはいらんかな?
「ならば、普通なら そっと床に降りるとか、イリアの両腕に すっぽり嵌まるとか、ソファの上に戻るとかじゃないのかよ?!」シヴァ!言葉つかいが めちゃくちゃですよ?そして イリアは、目を閉じて 必死で考える。
「どこだ?どこだ?どこだ?どこだ?・・」
「魔剣のある場所!伝説の勇者様の お部屋では?真っ二つにされた 絵画の魔剣、発光地ておりません!!勇者様の部屋を 探すべきです!」ハイエルフは、執事イリアが 一番避けたかった場所を、何回も突き付けてくる!
「くっそおっ!!確かめるしかない!ドコだ!勇者の部屋は ドコにある!」執事イリアも 荒くれ者の言葉遣いです。いけません…
伝説の勇者様の扉の前、3階建ての 屋上にたつ、山小屋?風ログハウス ログハウス事態が、何かしらの、マジックアイテムなんだろう。伝説の勇者様以外、歴代のモブ勇者達は 全く中に入れてなかった。永年 孤児院の屋上に、ただ建ち続けていたログハウス。普通の山小屋にしか 見えないのだが……
「絵画の魔剣が 発光するまでは、この部屋は
王都や孤児院運営の、御守り的存在でした。なので、今日は 嬢ちゃんに説明して、ドアに触れてもらい もしかしたら?開けてもらえるかもと、考えたのですじゃ!」ドワーフは 嘘偽り無く、事実だけを話している。イリアも シヴァにも、それでも 納得でしきない、箇所がある!
「歴代勇者達が 開けられなかった、伝説の勇者の遺跡?を 開けられる存在だと巻き込んだ?!勇者のタマゴ達は、他にも 何人もいるだろ?!コチラには、勇者は関係ないが?!」執事イリアは 全く納得できない!シヴァも、ウンウンと 腕組して、眉に 3本線で顰めている!
「ブルームーン・・・蒼い月のよる誕生した者・・・ですよね?あの赤ちゃんは!その意味は ご存知でしょう!?この世界に 誕生した奇跡そのもの! たびたび登場する 聖女や、勇者等 足元にも及びますまい……封印されたハズの 魔王が、魔王剣の 絵画の中で、発光していたら?実物の 魔王剣は、どのような状態になっているのか・・・魔王の 復活のキザシなら、何とか手をうちたい!なんとか、せねばならないではありませんか?!」ハイエルフは、長台詞を完璧に喋った。むーん、ちょっと意味がわからん…
「じゃあ何か?生まれて 一年も生きていない赤ちゃんに 魔王の封印状態の、観察調査をサせたかったのか!?ジジイ!!オマエやっぱり 3回は殺す!オマエラなら知ってんだろう?オレの正体もよっ?輪廻転生から外して 魂まで消滅させてやるぜっ!!」シヴァさん 激怒プンプンだよ!!カタナが ヌラリとブレた……
「じゃから!まつのじゃ!今は 儂らじゃなく、嬢ちゃんが一番じゃろ!!その 日本刀で、この扉を 切ってほしいんじゃい!!」ワタワタと ドワーフが、山小屋を指さす!
「コイツは、ココに建っているが、ココにはない!孤児院どころか、多分 王都全体が、この山小屋を中心に?巨大な 魔法陣になっているんだろう?この山小屋は、異空間に存在する この、世界全体の 中枢だ!!」執事イリア 考察スゴい!!
「世界全体の中枢??ヘソか?」シヴァさんも 解釈個性的です。
「・・・・・お茶にしましょう!甘いものも必要です。」突然 執事イリアは、屋上の 伝説の勇者の山小屋…もとい、ログハウスの玄関先に、大きさパラソルと、真っ白な木の テーブルセットを出して、サッサと座った。ドワーフと ハイエルフは、すすめられてもいないが、やっぱりサッサと座った。
「オレの出番だな!?コレはうまいぞ!」コックのシヴァは、4人分 それぞれの前に、お菓子セットのトレイと、ティセット ティポっトを置いた。そして サッサと自分も、木の椅子に座り
お茶をそそぐと、大ぶりなバナナロールケーキに ブスリとフォークを刺し、そんなにすくえるのかという量の、バナナロールケーキを 口いっぱいに詰め込み、もぐもぐと咀嚼する。
「普通に めちゃくちゃうまい!!」紅茶は ちゃんと上品に 啜っている!
「バナナロールケーキ トロケますね!」ハイエルフは 何と、次のモンブランを 頬張っている!シヴァは それをみて、テーブルの真ん中に、ケーキ盛り合わせドデカトレイを アイテムボックスから出した。冷たい果実水と コーヒーメーカーも セルフサービスだ。
「モンブランの上に鎮座する、マロングラッセは、マサニ職人技 いや 匠じゃわい!!」ドワーフも 揉め千切る!!シヴァは、マロングラッセが びっしり詰まった、蜂蜜瓶も出した。
執事イリアは、自分の前の お菓子セットトレイを、一心不乱に攻略している。普通の大人三人前以上だ、血糖値は大丈夫だろうか?ケーキ3個と、プリンアラモード クッキーをバリバリ食べては、コーヒーで流し込む。テーブルのセンターの、イチゴどら焼きと サンダンパンケーキまで もぐもぐと食べた!!
屋上で、お茶をする 4人。ひたすら糖分を 爆過剰摂取して 暫く、食休みをとる。暫く、それぞれ深く考察する。