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偏頭痛持ち5歳児イーサン

 偏頭痛持ち 5歳児イーサン


 朝イチで 偏頭痛に、顔を顰める(しかめる) 5歳児イーサン。紅葉のような ぷくぷくした指輪には、サファイアの指輪と ルビーの指輪が存在を主張する。手首には、破邪の マジックアイテムの腕輪。首には 解毒のマジックアイテムの、ゆで卵位の魔石の 邪魔なネックレス。身支度を整えると 黄金の王家直径、王位継承権第2位の 燦然と輝く王子専用王冠を、1日中 首で支えなければならない。

 カタチばかりの、王家家族の朝食。分刻みのスケジュール 王位継承権第1位の、王太子である父親と 様々な訪問者達と、謁見や会食。本当につまらない!5歳児イーサンは 帝王学を学びながら、魔法の事を ぼんやり考えていた。

 ここ2ヶ月、イーサンの注意力は 散漫になりがちで、執事長と メイド長は、頭を抱えるようにして 対策を捻り出そうと、昼夜を問わず 相談しきりなのだ。

 「座学も 剣術の稽古中も、王子様は ぼんやりされている事が多すぎる!原因は 何なのだ!」執事長の イライラもピークだ!

 「遊び時間が ないんですよ!毎日 秒単位で、色々詰め込み過ぎて 脳みそが、グラグラ煮えているんですよっ!王子様には、子どもらしい遊びや 一緒に駆け回る、遊び友達が必要です!このままでは、イーサン王子は 壊れてしまわれます!カワリは沢山いるんですよ!壊れたら 王家に、捨てられてしまいまふよっ!に3ヶ月 休養したって、壊れるより 増しですよっ!執事長!ご決断をっ!」メイド長は プッつんしたらしく、厭離会釈なく 執事長に食ってかかった!!テーブルも バンパン叩いて!!

 「むむむむ!何と!うむむむむ!」執事長と メイド長は、イーサンの教育係の 総責任者で、立派な王様を 創りあげなければ、首が飛ぶのだ。職場的にではなく 物理的に、本物の首が飛ぶ!ナゼなら、第2王子と その嫡男も、帝王学を学び 着々と、王位継承権を狙っているのだ!

 王位継承権争いに負けたら、それは この世の終わりである。執事長は 熟考したあと、決断した。イーサン王子の ヤル気スイッチを、再起動させるのだ!目標達成期限は 年に一度の、収穫祭 10日前!ソレは 絶対期限だ!収穫祭は 前後含めて 大イベント目白押しで、王族が 一番忙しい時期なのだから!ぼぉーっとなど していられない!

 「いいか?!メイド長!イーサン王子の ヤル気スイッチを、再稼働させるプロジェクト始動だっ!精鋭を 即集めろ!早朝5時ココに集合だ!」そう指示を出しつつ 執事長は、ドアから出て行った。


 「何だ?明日から 収穫祭10日前まで、長期休暇?何の冗談だよ?」イーサン王子は、長期休暇宣言をする メイド長の、正気を疑ったが 本当のコトらしい。タナから ボタモチ?的な、長期休暇話しは それでもうれしい!色々な 雑事等、ナンニも考えず ドコか彼方に放り投げて、イーサン王子は、初めての 長期休暇を、どう過ごすか 早速、深く考察する。

 「アイツと 遊ぶ!」イーサンが 1人ゴトをつぶやいた。


 ピクッ?ぶるぶる?何か 寒気がしたのは、ボク?何だろ……イヤな予感しかしない…

 ママのベットの中で 身震いをして、もう少し寝たいなぁと いうところで、執事イリアが 朝食に、呼びに来た。あっ!そうそう!今日は、ドワーフのじいちゃんと 約束があったよ!パッと 目が覚めたよ!エッヘン…もうすぐ、ボクは 赤ちゃんを卒業するんだ!立派な 幼児にオレはなる!のだ。うふふ…

 朝ごはん何かな?人参の グラッセないといいな?今日も 長い一日が始まる。



 人参と、ほうれん草を 一番に、母乳で流し込み 果実とヨーグルトのデザートで 食事をシメタ!ボクは 苦手から食べ始め、好きなモノは 最後のお楽しみ派なのだ!

 「おーちっ!」ぺちっと ほっぺたに、両手で気合いを入れて 執事イリアと、コックのシヴァの3人で、王都噴水広場の ベンチの前に転移した。ボク達は 約束の、30分前に 来たのだけど、じいちゃんは もう待っていた。

 「お嬢!おはよう!早かったの?朝飯は ちゃんと食ったか?まだなら 屋台で食って行くか?」じいちゃんは マシンガントオク派だな。

 「じいちゃんおはようございます!ボク ちゃんと沢山 朝ごはん食べたよ!人参のグラッセも ほうれん草も、全然平気さ!」ボクは ない胸を ふんすっ!と 張ってみせた!

 「がはははっ!ソレは、エラいのっ!儂も 人参のグラッセは、ちょいとじゃの?しかし、人参のきんぴらは 中々上手いぞ?カタイのや シャキシャキが食えれば、一人前になれるぞ!がははははっ!」じいちゃんは 豪快に笑ってホメてくれた!ボクは、ホメられて 伸びる子なんだ!もっとホメてよ!


 「おはようございます。私は 執事イリアです。お嬢様の お世話全般を致します。よろしくおねがいします。」執事イリアは 今日、愛剣をハキ 正装している。コックのシヴァも 真っ白な制服、正装している。ボクは 多分安全のタメ、じいちゃんの勘違い 女のコ設定のまま、過ごすコトになりそうだ。ウソは 言っていない。勘違いを 訂正してないだけだ……ちょっとゴメンなさいね…じいちゃん!

 その後世間話をしながら、じいちゃんと ボク達は、広場を歩いて 孤児院の、正門に着いた。

 「おはよう!いつもご苦労さん!今日から 時々、この嬢ちゃんが この門を通るじゃろ!じいちゃんに 会いに来たと言ったら、手続きは 取っぱらっていい!いつでも 通してやるんじゃ!わかったの?横の ほうれん草も よろしくの?」じいちゃんは、門の衛士長の 肩をパンパン叩き、マシンガン指示を出した。

 「おはようございますっ!了解でありますっ!」一瞬で、対応した 衛士長さん、カッコいいです!

 「「「おはようございます!よろしくおねがいします!」」」ボク達も ちゃんとご挨拶したよ。孤児院は まるで、大学校の キャンパスだ。正門入口から 前方を眺めたあと、

 「ココは アホみたいに、広いからの?転移するぞい!」とじいちゃんが 両手を差し出した。ボクは シヴァにダッコされて、右腕に イリアは、左腕に捕まると 一瞬で、ドコかの 応接室の中にいた。

 「マズは 説明が必要じゃな?ちいっとばかし、長くなるからの…ソファに 座りなされ。イリアさんと、シヴァさんも 座りなされ。安全は 儂の命にかえても 保証しますじゃ!」じいちゃんは、テーブルの向いのソファに座った。

 右奥から、お茶のワゴンを押して ママの次位、美人のおねえさんが 出て来た。

 「おはようございます。私は孤児院の院長、レートーです。よろしくおねがいします。」キレイなおねえさんは、キレイなお辞儀をしてくれた。ボクは 立ち上がって挨拶をした。その後は おいしい紅茶と、お菓子を 頂きながら、今日の予定など 説明を受けた。午前中いっぱいの 説明を、簡単に訳すとこういう事だった。


 レートーと じいちゃんは、伝説の勇者創造の 孤児院維持システムを、実際動かしている ツートップだ。レートーは、ハイエルフで 長長命であり、永年孤児院院長と 技術専門学校校長を、兼任している。じいちゃんは、商業ギルドのギルドマスター長と、大農場と 大牧場、その他工場の監視長も兼任する、極親分で 永年長命ドだ。伝説の勇者の 内部管理体制は、今でも 完全に機能しており、ソレは コレからも、永年継承されるそうだ。ココまでは、一度 ママから、孤児院のしくみとして、説明を受けた通りである。しかし、長命組の2人は ポツポツと、信じられないレベルの 伝説を語り始めたのだ。

 王都七不思議都市伝説の1つ、開かずの扉に護られた 伝説の勇者様の部屋がある。この応接室に飾られた 絵画の1枚に、妖しげな 魔剣が飾られた、壁の絵があり その魔剣が、時々うっすら 発光するという。ココ最近の話しだと 真剣な眼差しで、ボクに説明する。背筋に 冷た〜いナニかを感じちゃうよっ!ヤメて そんなに見つめられたら、ボクに穴が 空いちゃうよっ!

 「ちょっと待ってください!その魔剣の絵が 光る原因が コチラにあると?」イリアが ダメ出しをした。

「っうぇっ!あれだろ?マジで 光ってんよ?でも 伝説の勇者様の部屋に 実物があるんだろ?何で 絵が光るんだ??ワケがわからんぞ?」シヴァが 見ている左端の壁の絵画!光ってるぅっ、イヤだ!ボクは 幽霊系はダメだよ!あと ボクの職業 勇者じゃないし、称号は 秘匿だけど、勇者じゃないよ!ボクは ぶんぶんと頭を横に振り、イヤイヤをした。

 「お嬢の ステータスは、儂らには 秘匿されてみられん・・・ステータスは、個人情報のサイタルもんじゃし、生命にかかわるのじゃ ムリには、名前も聞かんが お嬢なら、伝説の勇者様の 部屋に入れるかもしれん!あの魔剣の 銘は 【魔王剣】なのじゃ!魔王が 封印サれておる剣なのじゃ!勇者の 聖剣エクスカリバーは、危険はないじゃろうが、【魔王剣】は、ヤバいじゃろ?絵画が 光るのは、ありゃあ 危険信号じゃと 儂達は 愚考するのじゃ!」じいちゃん!勘弁して!愚考せんでいい!


 とにかく、お昼ごはんを 食べてから、もう少し考えるコトになった。このままで 料理は、シヴァの アイテムBOXから提供する。デキたて 熱々の、おいしそうな料理が並ぶ。ボクの分は 搾りたて母乳100%と 人参のグラッセと アスパラと ほうれん草のコラボレーションに、匙休めの ブロッコリー!!コックのシヴァ様 緑黄色野菜爆破は、マジでキツイです。こんなにキレイな色に 料理するの、本当凄腕なんだね?でも、たまには 緑黄色野菜を忘れようよ……クスン…

 まぐまぐ 緑黄色野菜ペーストに、ひたすら挑むボクを、じいちゃんは 奇跡をみるような表情で 眺める。じいちゃん 手がとまってるよ?料理サメちゃうよ?ボクは 緑黄色野菜は、いつも食べているのさ?フッ……そして お腹いっぱいになったボクは やっぱりお昼寝をした。いつもの ベビーベットや ママのベットじゃなく、応接室のソファの上で。そして ボクは、とても 寝相が悪くて やっぱりクリクリ動いて、ポトっと ソファから、落っこちたんだ。

 ただし 漢クサイ、誰かの ベットの上に……

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