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「しかし、長い夢だな」
俺は思わず、つぶやいた。
「レイ様、そろそろ、起きていただけないでしょうか。
小一時間も続けると、さすがに足がしびれました」
イスカに対する申し訳なさが、自分の欲望に勝り、俺は大人しく起床した。
イスカは足がしびれて、立てないようだ。
隣りに座って、彼女を観察する。
ブロンドの髪を編み込んでまとめていて、清潔で、品がいい印象を与える。
まつげが長く、吸い込まれそうなくらい目が澄んでいる。
鼻筋が通っていて、精巧な芸術品のようだ。
そして、くちびるはふっくらして、赤い。
何を言いたいかというと、めちゃくちゃかわいい。
「ど、どうかされましたか?」
「いや、見れば見るほど、かわいいなと思って」
正直な感想を口にすると、彼女は、ポッと頬を赤らめた。
「や、やめてください。お世辞は。
それより、身支度を済ませてください」
「いや、世辞でも何でもないんだが」
といいつつ、部屋に備え付けられていた、鏡を見る。
いや、誰だこいつ?こんな奴、知らんぞ。
いや、全く知らないわけではないな。
見覚えがある気がする。
「俺、レイ・ノイエか」
「そうですよ、レイ様。
やはり、お加減がよろしくないのですか」
イスカにイエスと言われて、氷のように、体がカチンコチンに固まった。
次からは、毎日18時に投稿しようと思っています。
5月9日以降になりますが、
10話くらいまでは、毎日投稿しようかな、と。