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ロトとペネロペは一旦、距離を取るために、お互いに背を向けて、歩き出した。
ペネロペはだらりと、腕をたらして、右手には、しっかりと、刃が潰された剣を握っている。
この決闘には、まず、初見殺しポイントがある。
俺も初めてプレイしたとき、一瞬で敗北した覚えがある。
ちょうど、十歩あるいたところで、互いに振り返る。
ちょうど、振り返るとき、俺は、ロトに向かって叫ぶ。
「最初は、刺突が来る。死ぬ気で避けろ!」
ペネロペは、振り返った瞬間、トンっと踏み込み、またたくまに距離を詰める。
彼女は、自分の勢いを生かして、突きを繰り出した。
俺の助言もあってか、ロトは、華麗に避ける。
そのうえで、がら空きになった胴体に、ウィンドカッターを当て、相手を押し返し、距離を取る。
ヒュー、流石、主人公様、やるう。
ちゃんと、分かってるな。
対剣術の戦い方をセオリー通りにやってる。
現状、魔術主体で戦うロトは、距離を維持して、戦い続けるのが最善だ。
「いいぞ、距離を取り続けるんだ」
その後も、俺はコーチのように、声援を送り続けた。
ロトが大技を使うそぶりを見せれば、
「細かく、第一階梯魔術を当て続けろ」
と言い、
炎属性第一階梯魔術ファイアボールを擦り続けるのを見れば、
「違う、炎属性一辺倒じゃ、読まれるだろうが。他のも混ぜるんだ。
全属性のお前なら、できるだろ」
と言い、
第一階梯魔術をうまく組み合わせ、ライトでペネロペをひるませれば、
「いいぞ、ライトで目くらましを入れたのは、ファインプレーだ」
と言った。
ペネロペは、苦戦し、徐々に、押され出した。
無理な攻撃の受け止め方をしつづけたせいで、剣が疲労する。
ついに限界が来た。
ポキリと、折れてしまった。
しかし、ペネロペの目にはなお、闘志が宿っている。
ここからが本来は、本番なのだ。




