23
「はいはい、みなさん、注目。
新しいクラスメイトですよ。留学生のペネロペさんです」
ニール先生が紹介してくれた。
やはり、というべきか、ペネロペが魔術学院に転入してきた。
凛としたたたずまいのクール系銀髪褐色姫騎士。
ショートの髪がよく似合っている。
「めっちゃ美人だぞ」
「しかも、皇女殿下らしいぞ」
「え、マジで?俺、結婚出来たら、逆玉の輿じゃん」
「お前、よくそのツラで言えたな」
「うるせえ、夢くらい見させてくれよ」
などと、クラスの男子連中は盛り上がっている。
なるほど、気持ちは分かる。
クール系銀髪褐色姫騎士。
言葉の響きだけで、飯が三杯いけそうだ。
しかし、正確にはこうだ。
クール系銀髪褐色姫騎士。ただし、死亡フラグ付き。
どうだ。ゲッソリしただろ。
「私は、ペネロペ。
強くなるために魔術を学びに来た。
ところで、この教室で、一番強いのは誰?」
そういえば、いきなり、こんなことを言い出すんだったわ、こいつ。
鎧を常に身に着けてるし。姫騎士って設定に忠実だな。
「ロトだろ」
「そうだな、ロトだな」
「あいつ、全適性だろ」
「それに、あのすげえつええオークを倒したくらいだからな」
クラスの連中が口々にロトの名を挙げる。
まあ、オークを倒したのはロトでというのは、間違いではないよな。
俺が手助けしたとはいえ、致命傷は明らかにロトの魔術だったから。
「ロト、放課後、闘技場に来て」
「分かった」
ペネロペの誘いに、ロトが応じる。
「どういうこと?」
「いきなりの急展開!?」
クラスメイト達は、興奮していた。
大方、愛の告白とでも思っているのだろう。
しかし、ペネロペに限って、そんなわけないだろう。
基本的に強さしか頭にないような堅物だぞ。
あ、思い出した。
これイベントだわ。




