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「てか、師匠、何で止めてくれなかったんですか?
めちゃめちゃ危なかったでしょ」
ペネロペが去った後、俺は、師匠に文句を言う。
「いや、止める必要はなさそうだったぞ。
いい勝負してたからな。
あれだけの剣戟をしのぎきったのは、驚いた。
素直に感心したよ。成長したんだな。」
し、師匠・・・。
少しウルッと来た。
いや、でも、そんな良い話ではないよな。
目の前で弟子が貫かれそうになってたんだから。
俺は師匠にジト目を向ける。
師匠はそれを気にも留めない。
「ま、今日は疲れただろうから、休んでまた明日だな」
俺はジト目のまま、練兵場を辞した。
部屋に戻れば、今日もまた、金髪巨乳美少女メイドが出迎えてくれる。
だが、今日はちょっと違う所があった。
「あれ、髪型変えた?」
イスカは普段編み込んでいた髪をおろしていた。
「どうですか?」
髪を触りながら、聞いてくる。
「どうだろうなー」
と俺が考え込むと、彼女は顔を曇らせた。
言い方ミスったと思って、俺は早口で話しだす。
「あ、いや、どっちでもいいとか、どうでもいいとか、っていうことじゃなくて、甲乙つけがたいってことね。
うーん、でも、結局、どっちがいいんだろ。
髪をおろしてると、お姉さん感が増すっていうか、大人の女性って感じがして、魅力的だと思う。
特に、イスカは、髪がストレートで艶があるから、そのまま自然に髪をおろすだけで、サマになる。
ただ、結ってるときは、結ってるときで、綺麗に髪がまとまってて、仕事のできる女性って感じがして、それもまた魅力的で。
イスカは、いつも、メイド服着てるから、服装との相乗効果で、結った髪が、良く似合うんだよな。
結論、どっちもメチャクチャかわいいし、似合ってる。
いろいろ言ったけど、どっちがいいのか、もう、分かんねえや」
ちょっとオタクっぽい喋り方になってしまった。
引かれたかな。
少しでも、挽回できてたらいいな、と思って、うつむき加減な彼女の様子をうかがう。
「そ、そうですか。
それなら、良かったです。
ただ、メイド服のときは、髪を結ってこようかなと思います」
声のボリュームがやや下がっている気がする。
しかし、しっかり、耳が真っ赤になっているところを見るに、機嫌が悪いのではなく、恥ずかしがっているようだ。
自分で聞いておいて、正直に答えられると、恥ずかしくなっちゃうあたりが、特に、かわいい。
最終結論。
やっぱり、うちのメイドはかわいい。
すいません。失踪しかけました。




