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姫騎士ペネロペ


レイ王子の婚約者候補にして、寝取られ候補の一人である。


なぜ顔面蒼白になったかと言えば、ガチでヤバいからだ。

何がヤバいって手を抜くと殺されかねないし、手を抜かなくても死ぬことになりかねないからだ。


彼女は、常に本気だ。

結構な堅物で、どんな時でも本気で相手と戦う。

だから、手を抜くと殺されかねない。


そして、帝国は実力主義が根強く、強者に憧れる乙女が少なくない。

ペネロペも、その乙女たちの一人である。

彼女は、自分を負かした相手に惹かれやすい。

実際、ロトが彼女を仲間にするのも、ロトが彼女に勝ち、さらに、レイをも打倒したからだ。


彼女を倒すと、俺の婚約者になると言い出し、死亡フラグへと割と直行しかねない。

というのも、彼女は皇女であり、彼女が望めば、婚約が成立する可能性はかなり高いと言わざるを得ない。

王国としても帝国との友誼を結ぶのは喜ばしいことなのだから。


婚約者を当面の間つくらないという方針がかなり危機的な状況になってきたことに恐怖を感じた。


「えーっと、それで、何の話でしたっけ」


俺はとぼけて見せるが、師匠の言葉は非情だった。


「彼女と手合わせしろってことだ」


ポーンと木剣を放り投げてくる。

俺は思わず受け取ってしまう。


目の前を剣が掠め、前髪を数本刈り取られる。

ペネロペが試合開始の合図だと思って、吶喊してきたのだ。

訓練用の木剣だというのに、すさまじい圧力だ。


「ちょっと、ペネロペさん。話があるんだが」

俺は、何とかこの場を戦わずに収めようとする。


「私の方に、話はない。問答無用」

そういうなり、距離を詰めてきた。


彼女は、追撃の手を緩めない。

辛うじて、手にしていた訓練用の木剣で応戦する。


彼女は体が決して大きくない。

しかし、全身のバネを使って、剣に力を伝えているため、一撃一撃が重い。


左袈裟、横一文字、逆袈裟・・・


様々な方向から、剣が振るわれる。


俺は、とにかく、致命傷をもらわないように、防戦一方だった。


決着がつかないことに、業を煮やしたらしい。


「たわいない。これ以上は時間のムダ。次で決める」


彼女は剣をまっすぐ正眼に構える。

一度、目を閉じ、開いた瞬間、縮地を決めてきた。


刺突。


この速さは避けきれない。


そう咄嗟に、判断すると、想定される相手の剣の軌道に合わせて、自分の剣を当てる。

それにより、辛うじて、相手の剣の切っ先を外側にそらした。


俺の頬にツーっと血が一筋流れた。


あっぶねええええええええええ

心の中は大絶叫だった。

師匠の刺突を見なれてたから、ギリギリ対応できたけど、当たってたら、大惨事じゃねえかよ。


刺突の後、彼女は大きく隙ができ、がら空きになっていた。

その隙を見逃さず、俺は、自分の木剣を力一杯振って、相手の木剣を跳ね飛ばす。


空へと高く高く、跳ね飛ばされた木剣はヒュルヒュルヒュルと空中で回転した。

そして、ストン、と、地面に突き刺さる。


彼女は茫然としていた。

受け止められたのがショックだったらしい。


これは、どういう反応なんだ?

フラグ立ったのか、立ってねえのか、分からん。


「お、おい、どうした?」


彼女は、おもむろに俺の方を見た。

「また今度、手合わせしましょう」


髪を耳に欠けると、不敵な笑みを浮かべ、練兵場を去っていった。


これは、どっちなんだあああああああ。

俺は、再び心の中で、絶叫した。

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