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今日も今日とて、師匠の厳しいしごきに耐えて、強くなってみせるぞ、と、張り切って、練兵場に行く。
「師匠、今日もよろしくお願いします」
「うん、ああ、そうだな」
どこか煮え切らない様子だ。
「どうしたんですか?」
「俺とこのまま、練習試合をするのもいいんだろうが、実力差がありすぎると、練習になりづらいと思ってな」
お、俺が気にしていることを、さらりと言って来た。
少し傷つく。
「そこで、だ。
彼女を紹介しようと思う」
師匠に呼ばれて出てきたのは、銀髪褐色美少女だった。
「紹介する。こちら、留学生のペネロペ皇女だ。
お前も知ってるとは思うが、我がノイエ王国に隣接しているアルト帝国の皇女だよ。
たぶん、何かの機会で会ったことはあるだろうし、少なくとも顔は知ってるだろ。
今日、到着されて、明日から、魔術学院に転入するそうだよ。
恐らく、同じクラスになるんじゃないか。
それで、彼女の頼みでな。
剣術の練習相手を探しているそうなんだ。
俺と手合わせしたいって言うんだが、それはそれで、あまり練習にならんと思うし、ちょうど、お前の鍛錬も煮詰まってきたところだから、彼女とやったらどうかなと思ったところだ」
俺は、そのとき、顔面蒼白だったに違いない。
師匠の説明を聞いていなかった。
というか、ほとんど聞こえていなかった。
姫騎士ペネロペ
師匠が説明した通り、アルト帝国の皇女である。
そして何より、レイ王子の婚約者候補にして、寝取られ候補の一人である。




