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「皆さん、今日は、実習の日です。張り切っていきましょう」
担任のニール先生が、楽しそうだ。
魔術学院の実習は、魔術学院が所有する森で定期的に行われるものだ。
実習の内容は、魔獣の駆除。
とは言っても、強力な魔獣は基本的に間引かれているし、先生の引率があるので、安全だ。
ただし、主人公以外は。
ありがちなことだが、主人公はトラブルを引き寄せる体質なので、はぐれ魔獣に出会い、これを撃退する。
まあ、大丈夫だとは思うが、一応見ておくか。
「では、皆さん、ペアができましたね」
そう、それは、死刑宣告である。
誰も俺と組んでくれなかった。
俺、一応、この国の王子なんですが。
横暴だっていうのが、噂で流れてるんだろうな。
実際そうだったし、仕方ない。
「では、私と行きましょうか、レイ君」
ニール先生が優しく声をかけてくれる。
ありがたい限りだ。
だが、俺には、ロトを見張るという大事な仕事がある。
「いえ、先生は、ここで、誰か負傷者が出た時の対応をしてください」
「ですが」
「僕は大丈夫ですよ。騎士団長に鍛えてもらってますし」
腰に差した剣を取り出し、落ちてくる木の葉を空中で切り裂いて見せる。
鍛錬の賜物だ。
「なるほど、それなら大丈夫そうですね」
先生は納得してくれた。
「それでは、皆さん、実習を開始してください。
くれぐれも、区域内から出ないようにお願いしますよ」
「「「はーい」」」
そういえば、主人公は、誰とペア組んでるんだろうか。
ロトを見ると、赤髪の少年とペアを組んでいた。
あの赤髪は誰だっけな。
学園で仲間になるやつで、赤髪だから、確か、ホルスだったか。
炎属性に適性があって、なかなか悪くない。
火力を出しやすい属性だからな。
ただ、ホルスは成長させるのがむずいんだよな。
後になればなるほど、きつくなってくる。
戦えなくはないが、正直、頭打ち感があるんだよな。
炎属性が強いのは、基本的に序盤だけの話なんだよ。
こうして、やや不安が残りつつも、学園での実習が始まった。




