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部屋に戻ると、イスカが夕食を運んで来てくれていた。
豪華で多彩な料理ばかりだ。
大きなテーブルの上に、料理が並べられている
流石は、宮廷といったところだ。
「イスカ、一緒に食べよう。
一人で食べるのもむなしいし、こんな量食べきれないよ」
「で、でも」
「いいからいいから」
椅子をもう一つ持ってきて、やや強引に、イスカを座らせる。
「仕方ないですね」
イスカは困り顔で、承諾した。
「イスカは所作がきれいだね」
「両親に躾けられましたから」
「そっか、どんな両親なの?」
「厳しいけれど、優しい人ですよ。
私の将来のために色々なことをしてくださいました。
最近、連絡を取っていませんが、今も、元気で、ホーエンシュタウフェン領で暮らしていると思いますよ」
イスカは優しくほほえんだ。
彼女と両親は、きっと、いい関係性なんだろうな。
食べ終わると、イスカは食器を下げた。
その間、俺は、自室を探索した。
レイの私物をあさる。
意外なことに、蔵書の数はなかなかのものだ。
歴史書や魔術書の類が多く、案外、学院では、きちんと勉強していたらしい。
そういえば、ゲーム内でも、学力テストでは、主人公と結構いい勝負していたような記憶がある。
まあ、主人公にの引き立て役である以上、いい線いくだけで、主人公にはほとんど勝てなかったのだが。
「やはり、魔術に未練があるのですか?」
ビックリして本を落としてしまった。
「も、申し訳ありません。
驚かせるつもりではなかったのです」
「謝らなくて、大丈夫だよ」
実際、未練がないほうがおかしい。
せっかく、剣と魔法の世界に転生したのに、魔術はからっきしなんだから、落ち込まなかったといえば嘘になる。
俺が浮かない顔をしていると、イスカは申し訳なさそうに言う。
「私、ぶしつけなことを言ってしまったかもしれません。
申し訳ございません」
「そうだな・・・。
お詫びしたいなら、今日は、一緒に寝よう」
「一緒に!?」
イスカのほおに朱がさした。




