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最終決戦①

 ライカが沖の海に着くと、巨大な魔王龍が身体を覆った氷を振るい落としながら、空へと昇って行くところだった。魔王龍から剥がれた氷が、日にキラキラと輝きながら落ちてゆく。


(ふん、魔王でも美しさを現出する事があるんだな)


 魔王龍の行方を目で追いながら、ライカが皮肉る。


 俄かに湧きあがった、雷雲の中に消えた魔王龍は、大量の雷を吸収していた。稲光が点滅する度に、魔王龍の巨大な影が雲の中に浮かび上がった。


「よし、こちらも準備を進めよう!」


 ライカが目を閉じ、両の指を胸の前で組んで雷雲を呼ぶと、日の光は遮られ、再び薄暗い世界となった。

 二つの雷雲が激突して、凄まじい雷鳴が天地を揺るがす。海上は嵐となり、海を凍らせていた巨大な氷は、割れて流され始めた。


「出でよ白龍!!」


 魔王龍が、雲雲から顔を出したのを見計らって、ライカがカッと目を見開くと、爆発的な雷鳴と共に、白い巨大な龍が現れた。大きさも魔王龍に負けていない。


(何だこの龍は!?)


 大刃が驚きの声を上げた。


「これは、雷を常態化した龍だ。本来有り得ない状況を作る為に、途轍もない力を必要とするのだ。しっかり力を送ってくれ!」


(承知!)


 四人が必死に力を送り続けると、ぼやけていた白龍の身体が鮮明に輝きだした。


 そこへ、白龍を認識した魔王龍が、上空から降下して来た。白龍は、それを迎え撃つべく上昇を始めた。ライカは白龍の後方から背中を見下ろすような位置に居る。

 互いの龍の目が光った刹那、魔王龍は青白い破壊光線を、白龍は白い破壊光線を同時に吐き出したのである。


 互いの超絶光線が中央で激突して、凄まじい衝撃波がライカの中に居る四人にも伝わって来た。ライカと一体化した彼らは、彼女と同じ痛みを分かち合わねばならないのだ。


(ウウッ、これが、魔王大破の威力なのか!?)


(うむ、何という凄まじさだ!)


「氷馬、大刃、感心してないで押し返せ! 押し切られたら終わりだぞ!」


 ライカが二人を叱咤する。一人でも力を抜けば、待っているのは死だからだ。


(はっ!!)

 

 力が拮抗していて勝負はつかず、魔王龍と白龍は光線を吐き終えると、睨み合いながらすれ違い、直ぐに反転して向き合った。


「今のところ力は互角だが、奴は、勝つ為にはどんな卑怯な手を仕掛けて来るかも知れぬ。油断するな!」


(承知!!) 


 睨み合っていた魔王龍と白竜が前進を始めると、再び超絶破壊光線を吐き合った。どちらも譲らず、あらん限りの力を破壊光線に注いだ。


 その時である。魔王龍の首のあたりが大きく盛り上がったかと思うと、もう一つの龍の頭がグググッと生え出て来たのだ。


 二つ目の龍の頭は直ぐに赤い目を開け、『オオ―――ン!!』と吠えると、ライカ目掛けて破壊光線を吐いた。


 ライカ達は、本来の魔王龍が吐く、超絶光線同士のせめぎ合いに必死になっていて、二つ目の破壊光線を防ぐ手立てなど、あるはずも無かった。


「しまった!!」


 誰もが思った次の瞬間、ライカの身体は瞬時に二つ目の破壊光線を躱し、白龍の真下に潜り込んでいた。余力のある神一郎が、ライカの身体を風で操って移動させたのである。

 しかし、魔王龍の二つ目の頭は、移動したライカに照準を合わせて、尚も破壊光線を吐いて来た。


 凄まじい衝撃音と共に、魔王龍の二つ目の頭の破壊光線が、白龍の身体の一部を吹き飛ばし、その下に居たライカを直撃した。


「ウウッ!!」


 ライカは咄嗟に全ての力を防御に切り替えたが、光線を吐けなくなった白龍もろとも、魔王龍の二つの破壊光線に飲み込まれていった。


(ウワ―ッ!!!)


(ライカ様!!)


 ライカと一体化した神一郎達も、身体が千切れるような痛みが走り、思考する事さえ出来なくなっていた。


 海に落ちたライカの身体は、そのまま海底へと沈んでいく。



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