3.街の騒ぎ
「お兄ちゃん、お待たせ!!」
予定より早く着いたため、待ち合わせ場所である駅の南口の改札付近の壁に寄りかかっていると、妹が声をかけてきた。
妹はモデルというだけあって、スタイルがよく、顔の作りもよく整っている。俺の高校時代の友人が言うには、絶世の美少女らしい‥‥
「おう、今日仕事は?」
「ないよーー!お兄ちゃん、今日はショッピングにつきあってね!笑」
俺はよく良い荷物持ちとして、妹から買い物に誘われる。今日もその一環だ。
めんどくさいと思いながらも、断れないのは多少妹のことを可愛い存在だとおもっているからだろうか。(人の大切なものを容赦なく捨てるやつだが‥)
俺たちは並んで歩きはじめた。
若者に人気の洋服屋?に入ると、周囲がザワッとなった。それもそのはず、妹は今若者に大人気のモデルであり、当の妹は現在変装もせずに堂々と彼氏?(俺)と思われる男と店に入ってきたのだ。若者が驚くのも無理はない
「えっっ、やばい!本物のSakiじゃん!!ちょーかわいい!!」
「隣の男の人って‥‥」
「でも、男の人めっちゃイケメンじゃない!?」
「お似合いカップル、」
「サインもらってもいいかなー?!」
などと女子たちがかなり大きい声で騒ぐ。1人だけの声ならまだしも、それが十数人いるため、騒ぎは大きくなり、店の外から店内を伺っている人まで現れた始まる。
そう!!俺の不満はこれなのだ!
妹はよく俺を買い物に誘う。それは‥まあいい。
だが、咲は全く変装もせずに出歩くため、俺はいつも彼氏と間違えられたり、無駄にきゃーきゃーと周りが騒がしくなる。
騒がれるこちらとしてもいい迷惑なのだ。本当に。
しかも、俺がSakiの兄だとバレてしまったげいいん入学式が終わった後、駅で待ち合わせしていた妹と一緒にいたところに歩いていたところを見て人が集まってきて、その騒ぎを聞きつけた大学関係者?が俺とSakiの関係を聞いてきたため、兄弟だと答えたのだ。しかし、その情報が次の日には大学中全体に回っているなんて思いもしなかった‥。
というわけで俺は妹というよりは、妹の引き起こす状況に飽き飽きしていた。