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19.「魔王の手がかり? そして、少女たちの水浴び」

 ――そして、ギブリールを見送った僕だったのだが。

 ギブリールと入れ替わるようにして、再び女神さまが僕の目の前に現れる。

 まだ何か用事があるのだろうか? そして女神さまは、そそくさと戻って来たかと思うと、『重大な事実』を僕に告げるのだった。


「そうそう、最後に一つだけ。さっきから少し気になってたんですけど……この近くに、少しだけ『魔王の気配』がするんですよねー」

「――っ! 近くに魔王がいるんですか!?」


 衝撃の情報に、僕はとっさに身構える。

 魔王と言えば、かつて始祖ウィルと世界の存亡を巡って争った、悪逆非道の魔の王。女神さまの神託で『魔王を守れ』と言われているとはいえ、相手がそのつもりとは限らないのだ。

 そんな魔王が、近くにいる……? 僕はゾクッとすると同時に、不思議と少しワクワクしている自分がいた。


 自分の中に眠る、闘争本能が疼く。

 戦ってみたい。そして、知りたい。伝承にすら、魔王についての記述は殆ど残っていないのだ。そんな魔王と、直接相対する事ができる……どんな人となりで、一体何を考えていたのだろう? 魔王に対する興味は尽きない。


 しかし、てっきり魔王と会えると思っていた僕だったが、どうやら様子は少し違うらしい。女神さまは、僕の問いに首を横に振るのだった。


「魔王がいる、っていうのとは少し違うかな? 何と言うか、『魔王に近しいもの』というか……例えば『魔王の遺物』だとか。ずっと近くにいた『側近の部下』だとか。……とにかく、魔王の波動を間近で受けた『魔王に近しい何か』が、この森の中にある気がするんですよねー」

「それって、このオアシスに、ってことですか?」

「うーん、それはちょっと、分からないですねー。とにかく近く、みたいな?」


 ……うーむ。確かに貴重な情報ではあるんだけれども……流石にこれだけだと、如何ともし難いな……。

 確かに『魔王と近しいもの』とやらを見つける事ができるのならば、魔王への手がかりになるのは間違いない。

 ただ、女神さまの言う『近く』がどれくらいか分からない以上、迂闊に手を出すのは危険だ。

 そもそも、その形状すら分からない訳だし……手がかりはゼロに等しい。

 物資にも限りがあるし、それがこのオアシスにあるのならともかく、その範囲が魔の森(イービルウッズ)全域に広がるのなら、今回の旅程で探し出すのは現実的とは言えないな。


 しかし現状魔王について手がかりが皆無な以上、探してみる価値は充分にある。


「なるほど……ありがとうございます」

「いえいえー。それじゃあ『魔王探し』、頑張ってくださいねー」


 そして、目の前に映っていた女神さまの姿が消える。

 しかしそれにしても、魔王の手がかりか……。王都での勇者認定式、そして僕たちを狙う、暗殺者の魔の手……それに加えて『魔王を守れ』なんていう女神さまの神託と、問題は山積みだ。


 と、そんなことを考えていた所に、メイドのユリティアさんが現れる。

 そして森の方で何かを話していたのだろう、リゼとレオも姿を見せるのだった。

 ユリティアさんの手には、料理で使う『お玉』が握られていた。

 おそらく馬車から運んできた荷物の中に、料理器具が入っているのだろう。

 そしてユリティアさんは広場に立てられたテントを一瞥すると、ピンと人差し指を立てて提案するのだった。


「どうやらテントの準備も出来たみたいですね♪ ……所で皆さま、わたくし、森の中に泉を見つけたのですが……どうでしょう、私が夕食の準備をしている間、水浴びでもいかがですか?」



  ◇



 ――そして、しばらくして。

 場所はオアシスの東、二つある泉のうちの一つ。

 そこでは三人の美少女が、生まれたままの姿で水浴びをしていたのだった。

 

 周りを背の他木々に囲まれた、森の中の泉である。

 岸辺には、先ほどまで身につけていた少女たちの衣服が、綺麗に畳んである。

 そしてそんな泉の中に、リゼ、スィーファ、そしてアンリの姿があった。


「ふぅ〜、冷たくて気持ちええわぁ〜」


 獣人のスィーファは、一度水の中に潜ると、再び浮上して、いかにも気持ち良さそうな声を上げる。

 そして獣人のシンボルである、頭のケモノ耳と腰の尻尾をびっしょりと濡らして、プルプルと気持ち良さそうに体を振るのだった。


 一方のアンリは、黙々と水浴びで体を清めていた。泉の水を桶で掬うと、体に被せるように桶を傾けて、水を被る。

 水は胸元から谷間、そしてお腹の辺りを綺麗に流れていくと、最後に太ももを伝って、再び泉の中へ流れていく。


 アンリはその行為を、丁寧に、丁寧に繰り返していた。両肩口や背中など、場所を変えて、桶の水を体に伝わせて、体を清めていった。

 その度にキラキラとした水しぶきが体に当たって、白く、すべすべした起伏豊かな肌のラインを、余計に際立たせるのだった。

 

 そして――

 そんな中リゼは、一人、桶を抱えて体の前を隠しながら、泉の中で恥ずかしそうにうずくまるのだった。

 視線は目の前の水面に向けられていたが、先ほどから何度もチラチラと他の二人の体を覗き見すると、自分の体と見比べてはため息をつく。


(っ……何で二人とも、そんなに大きい(・・・)の……?)


 二人とも自分とはそう歳も離れていないはずなのに、そこには圧倒的な成育格差があった。

 特に獣人の少女、スィーファは、反則的な胸元をしていた。スレンダーな体つきでありながら、まるで全身の無駄な脂肪がそこに集まったかのように、胸だけがボインと肥大している。何なの、あれ……。


 そしてアンリも、負けず劣らず大きかった。いかにも張りがありそうな二つの膨らみは、重力に逆らってツンと上を向いていて、一切垂れていない分、余計に大きく見えてしまう。胸元に水が溜まるなんて、絶対におかしい……。


 見ているだけで、こっちまでドキドキさせられてしまう。

 それに比べて、自分の平べったい胸ときたら……。むぅ……そしてリゼは自棄になると、ぶくぶくと、泉の水の中に潜るのだった……。

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