ギルド登録試験。2
あべるさんのけんがおれた。
あ、変換忘れてた。
アベルさんの剣が折れた。
ちなみにアベルさんが使っている剣は、AAAランクの剣だ。アベルさんのレベルはAらしいから、そう簡単に折れるはずはないのだ。が、それが折れた。
「ハア…。」
おお。アベルさんがため息ついてるよー
驚きじゃなくてため息だー
「次の試験に行くぞー。」
あ、アベルさん。あなた今考えるのをやめたな。
***
「最後の試験はガイベス山で3日生き抜くこと。まあでも、死の危険が迫ったら今から配る腕輪
がここに転移させてくれるから大丈夫だがな。」
あ、ダイジョブなんだ。まあ、死なれたら困るもんね。
するとアクアがこちらをちらりと見て言った。
「それって、他の人と一緒に行動してもいいんですか?」
アベルさんは少し考えるそぶりを見せて、
「まあ、本当はダメなんだが、まだ子供だしな。いくら強いと言ってm「ありがとうございま す!」…。」
アベルさんは「大人の話を遮るんじゃない…」だとかなんとかぶつぶつ言っていたけど
アクアは喜んでいた。
「いいよね!アイシアも。」
「ん?私はいいけど。」
と、そんなこんなで、私は最後の試験をアクアと受けることになったのだった。
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「おーここがガイベス山かー!」
私たちはガイベス山に来ていまーす!といってもギルドから30分位のとこにある山なんだけど。
この山はギルド登録試験用の山で、そんなに強い魔物はいないらしい。
「じゃ、いまからだからなー始めるぞー!」
と、最後の試験が始まったのであった。
…そういえば、これって今日中に試験終わってなくない?
***
「あー確かにね。終わってないよねー。さっきまでのがってことじゃない?」
お母さんたちに言わないできちゃったけど大丈夫かな?
あ、あれがあったか…。
念話。声に出さないでも発動できるらしい。
(お母さん、聞こえる?)
(はーい!アイシアちゃん、なあに?)
(いま、冒険者登録試験受けてるから、帰るの数日後になりそう。)
(分かった!じゃあね~)
念話が切れた。
ちょっと、前にも似たようなこと言ったけどお母さん、心配しなさすぎやしないかい?
アクアが念話が切れたのを見計らって話しかけてきた。
「お前、念話も使えるんだな。」
「お前ではなく、アイシアと呼んでねー。」
「棒読みだな。アイシア、アイシアのステータスも見せて。」
ん?
「いいけど?ハイ。」
「…おお。」
***
「うーん。取りあえず質問したいことが沢山あるんだけど?」
どんと来い。
「とりあえず…アイシアって、魔法はめっちゃ使えるのに剣は使えないんだ。」
そっちかーい!
「う、うんまあそうらしいね。」
そう。わたしは魔法はめちゃ使えるのに剣はからきしなのだ。魔法戦士とかの職業は魔法の分だけレベル上がってるし。
「あ、でも、この能力吸収ってやつがあるから大丈夫じゃない?」
「あ、確かに。ちょっと見て見よう。」
「能力吸収」
相手の能力を吸収することが出来る。ただし、相手の能力として残して自分の能力にすることも出来る。ただし、発動条件が必要。
「…らしい。」
「すごいねー。でもさ、取りあえず森に入ってみない?取った獲物はお金にしてもらえるっぽいから。ほら、もう他の人いないよ?」
わぁお。いつの間に。
「じゃ、取りあえず行きますか。」
「うん。」
***
「ねえ、やみくもにやってても大変だから、索敵魔法使おうよ!」
「ああ、索敵魔法も持っていたんだ。僕は魔法は不得意だから頼むよ。」
(…ん?おお!めっちゃいいこと思いついた!)
「ねえ、試験受かったら私とパーティー組まない?剣と魔法でそれぞれの不得意なところがカバーされていいでしょ?」
「…うん、いいよ。受かったらだけどね。…てか、そこになんかゴブリンいるけど大丈夫?」
おおっと、いつのまにいたのじゃ。話に夢中で気付かんかった。
「ゴブリンて確か脅威度2だっけ?」
「うん。めっちゃ弱いから。」
とか話してたらゴブリンが襲い掛かってきた。
と、思ったら死んだ。は?
「こいつ、何で死んだの?」
「たぶんそんなに強くないゴブリンだから、アイシアの索敵魔法の魔力に触れて死んだってことだと思うよ?」
「ふーん。よっわ。あ、ていうことはこれ持って帰ったらお金になるってことだよね。」
「うん。僕が持っとくよ。【亜空間収納】」
おお。アクアも亜空間収納持ってたんだ。確かにステータスにあった気がする。
「さ、次いこ。」
***
と、そんなこんなで脅威度1のゴブリンを狩りまくっていたのだが…私が張っていた索敵魔法に大きな反応があった。まあ、ゲームなどではドラゴンなどが現れるのだが、そんなことはなく
あったのは、ゴブリンの集落だった。
「…ねえ、ゴブリンって1匹いくらくらいで売れるの?」
「んー。確か普通のゴブリンだったら1匹5000ガルドだった気がする。で、ゴブリンキングとかだったら100000ガルドくらいだったかな。前にどっかで聞いた。ゴブリンキングは脅威度10だから。」
なるほど。この国ではお金はガルドというらしい。ちなみにアクアに訊いたところ、
お金の数え方は二ホンと同じで1ガルドが1円、10ガルドが10円、100ガルドが100円となると、不思議そうな顔をして教えてくれた。今度日本から来たことについての話をしなくては。
…それにしてもゴブリンキングはともかく普通のゴブリンてめちゃくちゃ安いんだな。
「で?ゴブリンの集落はどうやって落とすの?」
「うん。それがさ、アイシアまだ僕がどんぐらい強いかわかんないでしょ?だから僕に任せてくんないかな。」
「いいけど?でも剣でやったら時間かかっちゃうんじゃない?」
「だいじょぶ。僕、一応使える魔法もあるんだ!」
あ、確かにステータスに魔法の項目があった気がする。
「じゃ、行ってくるね。」
***
そういう訳で私は木の陰からアクアの戦いを見ることにした。ホントは戦いたかったけど仕方ない。
と、アクアが何かをつぶやいて1匹のゴブリンに向けて剣で攻撃をした。
勝負はすぐについた。集落中のゴブリンが一斉に倒されたのだ。
え?何?一匹倒すところしか見えなかったんだけども?
するとアクアが戻って来た。
「見てた?」
「見てたけど…あれ、何の魔法?」
「ああ、あれは付与魔法だよ。1つ倒したら近くにいる同じ種類の物が同時に斬れるっていう。」
…なにそれヤバくない…。
と、そんな顔をしていた私に、アクアが言った。
「あ、でもゴブリンキングは普通のゴブリンとは違うから、まだ倒せてないと思うんだ。アイシアやる?」
「やる。」
私が2つ返事で返事をしたのは決してアクアと張り合いたかったからではないからな!絶対!
なんか強い魔法を使いたかったので氷魔法を使う事にした。
索敵魔法でだいたいの位置を確認し、氷漬けにするイメージで魔法を放った。
すぐにゴブリンキングの反応が消えたので死んだ、という事だろう。
もう1度言うが、アクアと張り合いたかったんじゃないからな!
その後は、ゴブリンたちとゴブリンキングをアクアと分けて収納して野営することにした。
そんな感じで3日が過ぎた。
ありがとうございました。