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プロローグ

初めてなので、少しおかしいところがあるかもしれませんが、どうか暖かい目で見てくれると嬉しいです。


※5/18日に編集済みです。



目の前を快速の電車が通り過ぎて行く。その風を受けて乱れた私の前髪を、手でサッと直す。私がいつも帰りに使っている電車はあと少しで来るはずだ。電車を待ちながら、私は今日読んだ本の内容を思い出す。


そうして電車を待っていると、駅に電車が入って来る音が聞こえた。私は顔をあげ、停止するのを待った。電車は速度を落としながら滑るように私の前を通り過ぎる。

と、思われた次の瞬間ー。



背中に何か押されるような感覚が起こり私の体は突き飛ばされるように線路に落下した。地面に衝突する寸前、電車の下部が私の眼に入って来る。私はこの時死ぬ直前に冷静になるというやつなのか、普段はこの目線で電車って見れないよなー。何てことを考えていた。




こうして、私は死んだ。



♦️♦️♦️


まぶた越しに目に光が入ったような感覚を覚え、私はそっと目を開ける。おかしい、私は死んだのではなかったのだろうか。もしかしたら死んだと思ったが生きていたのかも知れない。私は辺りを見渡して見る。ここで私は異変に気づく。線路に落ちたはずなのに、体に傷ひとつなくこうして動けるのはなぜだろうか。周りの様子も変だ。辺りには何もなく、ただ空間が広がっているだけだ。地面はないが、足は何かに立っているような感覚がある。変な感じだ。


「あっ起きたかのう。」

そんなことを考えていたら、何かに声をかけられた。いつの間にか、私の前にだれかが立っていたのだ。白いゆったりとした服に、金色の髪が綺麗だ。顔立ちは整っていて、とても美人だ。平凡な容姿の自分としてはとてもうらやましい。しかし、なぜ言葉遣いが老人のようなんだ?


「‥‥‥。」

私はその顔と言葉遣いのアンバランスさと、ここはどこだという戸惑いで、沈黙した。

「‥‥‥。」

あちら側も黙る。

「はぁ」

とりあえず反応しなければという気持ちで適当に言葉を放つ。

「‥‥‥。」

「‥‥‥。」

互いに相手の言葉を待ち、沈黙する。やがて、あちら側が痺れを切らしたように話しかけてきた。

「それだけ!?」

相手はそう言う。


‥‥‥。

待てよ‥‥‥。


私はある可能性を思い付いた。しかし、さすがにそれは‥‥‥



「ゴホン!ゴホン!えー

わしの仕事はみんなの転生先を決めることっ☆

今からあなたの転生先を決めるよっ☆」


ああ、そういう系ね。

めっちゃキャラ作ってんなー、と私は思った。




……てやっぱり、

「キタコレーーーー!!」

「……。」


まじかまじか、あれじゃんマンガとかで良くあるやつ!

私の興奮は収まらない。


「マジかーーーーーーー!」


そう。私はここがどこかに似ていると思っていたのだが…、これは、あれだね?

その後も、「そろそろいいかのう」 という若干引き気味な声が聞こえるまで、

ずっと叫び続けたりしていた…。


「で、さっきの反応からするに、ここが何をするところかは、分かっているんじゃな?」

相手は訊ねる。


「あ、ハイ。」

そうなのだ。先ほどからこの世界が、あの世界だと思っていたのだ。そして、私と会話しているのはおそらく……




「転生先決めるやつだー!」

ですよね?

「……。」

「……。」

またもや2人は沈黙する。


「ゴホンッ!」

沈黙を破るように、神(おそらくそうだろうと思った)が咳払いをした。



「ふむ。で、肝心な転生先じゃが、1人1つまで要望を聞けることになっているのだが、何かあるか?」

要望ねえ……。転生先についての指定ってことは、地球のように、「科学が発達している世界」とか、あとラノベとかで言えば「魔法と剣の世界」とか?


だったらやっぱり……

魔法が使える世界に行きたいかな。やっぱり魔法とは憧れがある。まあ、なんかそうしたほうがいい気がしたこともあるが、ラノベが好きな私としては魔法の世界とは言ってみたい世界ランキングナンバー1なのだ。







「魔法か…。わかった。じゃが、転生先の家や、時代はこっちで決めることになるが、よいかのう。」

「はい!」


正直貧乏は嫌だけど、まあ、魔法が使えるならそれでもいい。

ん?それにしてもまだ言ってないのに何でこっちの言おうとしていることが分かるんだ?


「そりゃあここにいるくらいだから、心を読むくらい出来るわい!」


ここはそんなにすごいところなのだろうか。

ていうか心を読むって何気にプライベートの侵害じゃないか、と思いもしたが、まあどうせすぐ別れるのだ、大したことでもないだろう。


「よし。ではそろそろお主を送って……

                   

     


                  ……んん?」

神様が、私を送ってくれそうだったが、止まった。なんだろうか。何かうろたえているような気もする。しかもこちらをちらちらと見て来る。なんだ?



「……すまんかった」

と、思ったら急に謝ってきた。更に意味が分からない、ちゃんと説明してほしい。私は聞いてみる。

「何がですか?」


神様は、とても申し訳なさそうな顔をして、こちらを見やって口を開いた。

「……実は、おぬしが死んだのは手違いだったらしいのじゃ。」





私は、思わず伝家の宝刀を出してしまう。

「……は?」



-------------ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー-------------ーーーーーーー




私が死んだのは手違いと言う衝撃の事実を知ってからたっぷり沈黙20秒後。

「……生きかえることって、出来るんですか?」

私はそう質問した。


「……。」

神は無言で目をそらした。


「……。」

「……。」

互いに沈黙の時間が続く。その沈黙を破るように私は言う。


「まあ、じゃあべつにいいんで、はやく転生したいんですけど。」

「っ!いいのか…?」




こいつ、じゃなくてこの神、かなりしつこいなぁ……

「で、では、せめてもの償いとして、前世の記憶を残し、あちらの世界での能力を高めておくから……「マジで!」

私は嬉しさと興奮のあまり神様の言葉を途中で遮ってしまった。神様が少々ジト目でこちらを見てくるが、知らないぞ。

私は、記憶ありで能力も増やしてもらえんのか!いい事しかないじゃん!と思った。


「分かりました!」

「…。もうちょっと慎重にした方がいいと思うぞ…。」

と、はっきりと返事をした私に、神様はあきれたような声で言った。しかし、何を慎重にすると言うのだ。


「…はぁ…。では、準備はいいか?」

「はい!」



私の足元から光が湧き上がってくる。その光はだんだんと強くなり、やがて私の全身を包み込んだ。

その途中、神様からは、

「ついでに教えておくぞー!わしの名前は、ティアルミアだ!」

と名前を教えてもらった。





光は更に強さを増し、やがて眼も開けられないほどに強くなったので、私は来世への希望に胸を躍らせながら、目を静かに閉じた。








***







私は、体に優しく吹き付ける風の感触で目をそっと開いた。


「おお。」

私は思わず声を出す。そこはもう私の見知った街ではなく、木々の覆いしげる青々とした森だった。


「…これはテンプレなのか!?」

私はそう叫ぶ。

叫んだあと、自分の体を見てみる。この前世よりも全体的に小さい体は7歳程度のものに見える。私は正直、こういうのって、生まれるとこからかと思っていた。

あと、神様が、いや、ティアルミアさんがつけてくれた手違い転生特典の、前世の記憶もあった。


私は、今世の私の名前を思い出せるか試してみる。すると、簡単に思い出せた。

私の名前は、アイシア・クランティールというらしい。貴族ではないのか。ていうかだったらなぜ家名があるんだ?


「…よかった。」

私は安心して息を吐いた。私の家は商家だったらしい。ここで仮にも貴族だったら、めんどくさすぎる。マナーとか諸々。あと、商家だったらまあまあお金持ちだと思うしね。お金って重要。


ここで、わたしは、さっきよりもしっかりと自分を見てみた。

髪の色は、綺麗なハニーピンク。肌は、白くはないが焼けているわけでもない。健康的な色だ。眼は、当たり前だが自分では見えない。


と、そこまでで、今世の私について考えていた私は、一時考えるのを中断した。

なぜって?


















……上からすごいうなり声がしたからDAYO!!

上を見上げてみると、そこには、ライオンと狼が混ざったような動物がいた。。






「……逃げるか。」

私はポツリとつぶやいた。



***





と、いう訳で、ただ今絶賛謎の生物から逃げ中でーす。あ、こういう世界じゃ、魔物って言うのかな?


そんな感じで今の自分の状況を実況している間も、魔物は待ってくれないため、私は走り続ける。しかし、さすがに私も疲れて……来ないな。これも転生特典か?恐怖が少ないのは特典か、それとも元の性格なのか……。

そこまで考えて、私はふと思った。

そういえば、この世界って魔法使えるんだよね?と。



……ちょうどいい、ここで少し使ってみよう。

何がいいかな?私は走りながら考えた。

……よし。

私は悩んだ末、(3秒くらい)ある魔法に決めた。



これは、緊張がすごい。しかし、待ちに待った魔法なのだ。もう待てない。

「…火球!」

私は魔法を放った。


そう、私が考えた末に放った魔法は、「火球」だった。

簡単に使えそうなもので、何かなーと考えた末に出た結論がそれだった。

きちんと発動するか見ていると、なにもないところに炎の球が現れた。直径5cmほどの物だ。

そのとたん、私は、



「魔法キター!」


       と、叫んだ。



だって当たり前だと思う。魔法が生まれて初めて使えたら、誰でも叫んで興奮すると思う。

「ゴホン!」

私は咳ばらいをして、自らの余計な思考を吹き飛ばす。

さて、ちゃんとあの魔物に当たるかなー?私は性格が少し邪悪になったのを感じながら、魔法の行方を見守った。

私が放った火球は、寸分の狂い無く飛んで行き、魔物に当たった途端、



バアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァンッッ!!




……爆発した。








***







…え?

私は少し混乱した。

爆発した?なんで?5cmくらいの火球だよ?ただ燃えるだけかと思ってた。

…もしかして、火球って、強い魔法だったのか?私はそんなことを考えた。


ああ。なんか、さっきの魔物がいなくなってるよ。いや…爆発で、消えた…のか?

いや、それよりこれで自分や森が無事なのはなんでやねんと突っ込みたくなってしまう。



まあそれはチートという事で片づけてしまおう。

というかとりあえず帰らなくては!今まで気づかなかったけど、もう夕方だし!





そして私は思った事がある。そういえば、こういう世界に転生した人って、ゲームのステータスボードみたいのが見えるよね?私も見れるのかな?と、いう事だ。

帰りながら見てみよう、と私は歩き出した。




…そうして私は、1時間ほどして森を抜け、アイシア・クランティールとしての記憶を使って、

今世の家への帰路に着いたのだった。





(アイシアは(私は、)迷子になっていたのか。)



読んでくれて、ありがとうございました!

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