コント 「勇者と魔王」
勇者=ボケ役 魔王=ツッコミ役
ツッコミ(魔王役、以降「魔王」)「フハハハハ、よくここまでたどり着いた、先ずは褒めて遣わす、だが勇者よ、ここが貴様の墓場となるのだ!」
ボケ(勇者役、以降「勇者」) 「魔王! 俺は貴様なんかに絶対に負けはしない!」
魔王 「強がっていられるのも今のうちだけだ、その証拠に貴様の仲間は、配下の四天王との戦いで傷つき戦線を離脱して居るではないか、貴様一人でこの俺を倒すことが、果たしてできるかな?」
勇者 「フッ、俺の仲間がたった4人だけだと本当に思っているのか?」
魔王 「なんだと?」
勇者 「俺には仲間を呼び出す召喚魔法が使えるんだ!今この場に居なくても、この手元にあるリストの名前を呼べば、瞬時にこの場に召喚できる、貴様は見誤ったようだな!」
魔王 「な、何という事だ!いつの間にそんな魔法を? いやしかし、貴様が呼び出す仲間が本当に我の脅威になるのか?」
勇者 「俺が今からリストの名前を読み上げる、まだ召喚はしないが最後まで読み終えた時、お前は敗北を認めるだろう!」
魔王 「な、なんだと? 名前だけで俺が敗北を? ふ、フン! ハッタリに決まっている! …良いだろう! サッサと読んでみるがいい!」
勇者 「後悔するなよ?」
魔王 「望むところだ!」
勇者 「では、エントリーナンバー1 魔王城近くに住む用務員『ミシェル』!」
魔王 「ちょっと待て! 何だそれは?!」
勇者 「何とは?」
魔王 「今エントリーなんちゃらとか言ったが一体何なんだ! 貴様! 我を愚弄する気か!?」
勇者 「帳面に記すほど人数が多いんだ、番号を振るのは当たり前だろう?」
魔王 「しかし用務員とは一体なんだ!? 賢者とかを召喚するのではないのか? 」
勇者 「お前の弱点を突くのに職業という些末な問題は関係ない!」
魔王 「ぐぬぬ、良し解った、続けよ。」
勇者 「エントリーナンバー1、用務員ミシェルから伝言を預かっている、『昔はヤンチャでも可愛らしかった魔王様が、何故あんなことをするのか、世界征服なんかやめてまた遊びに来てほしい。』だそうだ。」
魔王 「なにが『だそうだ』だ! チッ! ミシェルのやつめ、余計なことを…」
勇者 「フフフ、少しは効いているようだな、では次エントリーナンバー2 魔王城近くの牧場を営む『ヘンリー』!」
魔王 「何!? ヘンリーおじさんも貴様の仲間だというのか!? 」
勇者 「ああそうだ! 彼からも伝言を預かっている、『昔はワシの飼っている牛のミルクを飲みに、よく遊びに来てくれたが、最近は世界制覇を進めると言ってなかなか忙しいようだね、たまには家に遊びに来てほしい』という事だ、なかなか感動的ではないか?」
魔王 「それと今の決戦とどういう関係があるのだ! まさかずっとこんな調子か? 」
勇者 「ふふふ、相当堪えているようだな!」
魔王 「意外過ぎて唖然としているわ!」
勇者 「まだまだこれからだぞ、続いてエントリーナンバー3 魔王の母親」
魔王 「なに!? 母上だと!? 貴様! まさか年上好きなのか!? 」
勇者 「俺の性癖はこの際関係ない! 魔王の母上から伝言だ! 『魔王、こんなバカなことは早く辞めて、故郷に帰ってきておくれ、お前の大好きなお菓子を作って待って居るよ。』さあ、もう観念しろ!」
魔王 「黙れ黙れ! さっきから聞いていれば、我の周辺の者たちを悉く篭絡しおって! もう許さん! 今この場で貴様を始末してくれるわ! 」
勇者 「魔王! まだこのリストはナンバー100まであるんだ! 途中で切り上げるなど言語道断!」
魔王 「アホか! 100名分まで読み上げるのを黙って付き合う訳が無かろう! 」
勇者 「何だと! 約束を違えるとは! 喰らえ! ブレイブスラッシュ!!」
魔王 「ぎゃああああああああああ…(倒れる)」
勇者 「エントリーナンバー100 魔王の父親『大魔王』」
魔王 「な、なん、だと…? まさか、父上まで、ぐふっ。」
勇者 「伝言、『おお、魔王よ、しんでしまうとはなさけない』」