全ての始まり
俺は今10年前の実家の自分の部屋にいる、自分でもなにを言ってるのか分からないが、実際に自分がこのような状況に遭遇してしまうと、それくらいの月並みな感想しか出てこない。
今日もいつも通りつまらない会社勤めの生活を送り、貧乏ヒマなしを体現するが如く働き、
なんの楽しみもないまま一日が終わるんだろうと思った矢先のこの出来事だ。正直なところどうしていいか分からない。
ただ、俺は自分がタイムスリップをしてきた時点で決めていたことがある。
それは……「高校生活の間、一度でもいいから彼女が欲しい!」という事だ。
というのも俺はタイムスリップする10年前からずっと女性との交際経験がない…
いわゆる紛れも無い童貞というやつだ。
だからこそせっかく10年前に転生できたこの状況を、活かす他にないと思う。
俺は自分に喝を入れるために大声で、
「頑張るぞ」
と叫んだ。
下にいるマミーに怒られてしまったが……
今日は月曜日ということで学校の登校日らしい、ということで階下にある居間に朝飯を食いに行く、親父はもう会社に出勤している模様でいなかった。(会社勤めご苦労様です)
それで今朝飯を食べているわけだが……
「あんた本当に食べるのノロイわね、そんなんだからパッしないのよ、早くしたら!」
そういって振り返って先にいたのは、我が妹の西条優海であった。
こいつは顔立ちがとても整っており、10人に聞けば間違いなく10人が美人と言われるタイプの人間だ、胸は正直な話あまりないが艶やかな黒髪が腰の方まで伸びており、すらっとした手足やくっきりとした鼻筋や口元からいわゆる清楚系な美人である。成績もトップクラスに良く、スポーツもそこそこできるので、平凡を一直線で走る自分と比べても同じ遺伝子から生まれたのかと思うほどだ。
そして、誰に対してでも和やかに対応ができるため、うちの高校でもトップクラスに人気者だ、
ただし自分以外に、
俺に対しては前世でもこのように口が悪く、とにかく俺に対しては悪態をついてくる。
なにかと文句を垂らすうるさい奴なのだ。
悪いがこっちは人生を一回やり直してる身なのだ、妹なんぞに付き合ってる暇はない。
「分かった、分かった、早くするから俺のことなんて放っといてくれませんかね…」
そういって俺はこれからの学校生活どのように彼女を作るのかを思案することにした。
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