さあ、狩りの時間だ
ある日の部室での昼食。舞羽の作れる料理の幅の話から転がっていき……
とある平日のお昼休み、郁巳達六人は部室に集まり取り留めのない話をしていた。
「そしたらその子、砂糖と間違って塩を入れたんだって。あ、それタマゴサンドです和先輩」
「うん、ありがとう。でも本当にあるんだそういう話。うん、美味しいよ悠季ちゃん」
「舞羽先輩、私もタマゴサンド欲しいです」
「…私も」
「俺ツナサンド」
「もう!自分で取ってよ。ほら」
「ありがとう舞羽先輩」
「…すみません」
「舞羽サンキュー」
「とか言いながらちゃんと皆に回す悠季ちゃんにキュン」
「ちょっと和々先生が何言ってるか理解したくないです。生徒としても妹としても」
「あ、悠季ちゃん、私にはたまご焼きサンド頂戴」
「もう和々先生まで~。はい」
「ありがとう。うん、悠季ちゃんの愛情が一杯詰まってる愛妻弁当美味しいわ~」
「昨日、皆にサンドイッチ作ってくるってLOENのグループに流したから良かったです」
「本当に舞羽は何でも作れるんだな」
「そ、そんなことないよ!ボクにだって作れない料理だってあるよ」
「例えば?」
「た、例えば~……」
郁巳の質問に舞羽は目を泳がせながら
「ふ、フルコースを時間内にとか…」
「逆に作れたら調理師になれるからね悠季ちゃん。ほぼ間違いなく」
和がレタスサンドに手を伸ばしながら苦笑した。
「でも原材料にお金がかかり過ぎるのは作った事ないのは本当ですよ」
舞羽はハムが五枚挟んであるハムサンドを手に取り言った。
「お金のかかる料理…燕の巣のスープ等ですか?」
綾が購買で買ったイチゴミルクをちゅーちゅー吸ってとんでも回答を出した。
「あー、うん。確かに燕の巣は高いしそんなの買いたくないよ」
「他には…熊の手とか…あ、イノシシ肉とかも結構高い感じがしますね」
「うん、とりあえず猟から離れようか。ていうか今食べたい物だよね綾ちゃん」
「あは、ばれました?」
「…分かりやすい」
「熊の手はともかく最近イノシシ肉食べたいみたいだけど…あの~舞羽先生…」
「郁巳君、予算はどの位かね」
「は!舞羽先生!予算は一人平均二千円位でどうでしょうか?」
「ふむ…なら五人で一万円か…」
「ちょっと悠季ちゃん!先生!和々先生も混ぜて欲しい!」
「なら六人で予算は二万円っと…」
「ちょっと!何で私が一万円も出す事になってるの!?」
「でも和々先生、先生だからお金ありますよね。それともこれは部活の一端だから部費からおろすと?まさか~……せ・ん・せ・い」
「うう………分かったわよ!自費で一万出します!でもちゃんと私にもイノシシ肉食べさせてちょうだいね~」
「はいはい、分かりました」
「(よし!言質取った)」
「何を取ったと言うんですか~?せ・ん・せ・い」
「あ、多分箸であーんとか思ってたんだよ悠季ちゃん」
「ちょっと和!そんな事を生徒にしてもらう先生じゃないわよ!」
「でもそんな事をしたがる姉であることは妹として自負しておりますですはい」
「「「和々先生………」」」
「…アウトー」
郁巳達の冷ややかな視線と共にまりもが最後のたまご焼きサンドを手に取りもう片方の手でジャッジを下したのだった。
突然飛び出したイノシシ肉での夕食会。というか何気に和々先生が初参加である。




