温かい夕食
郁巳と舞羽が楽しく料理作り。和風パスタどうなる!?(失敗する余地がないけど)
綾達がテレビで談話をしている中、舞羽と郁巳はキッチンに立っていた。
「いくみん、段取りは分かった?」
「おう、俺がソースを作るんだな。そして舞羽がパスタを茹でるんだな」
「そうそう。いくみんがソース作らないと皆から非難轟々だろうからね~」
舞羽はそう言ってテレビ陣を見て笑った。
「まあソース作るっていうけどしめじ切ってツナ缶と一緒に炒めて出汁、醤油等で味付けするだけだから。…まあ今のいくみんには少し内容が難しそうだね。特に味付けが。あはは、大丈夫だよ。その都度教えるから」
舞羽は隣で頭から湯気が出ている郁巳を見て苦笑いをした。
「ダ、ダイジョウブ…。モンドイナイ」
「片言で言われても不安しかないよ。てかモンドイナイって何?」
郁巳の片言に不安しか感じない舞羽だった。
「じゃ、じゃあ始めようか。先ずはいくみんから先に作り始めて。ボクはお湯仕掛けるよ。ソースとパスタの時間合わせるからよろしくね」
「?お、おう」
舞羽の言葉の意味がイマイチ分からないまま郁巳はフライパンを取り出した。
「あ、いくみん。今日は六人だからフライパンよりも鍋でした方が良いよ」
「ん、そうなんだな。分かった」
郁巳はそうしてフライパンから鍋に取り直してコンロに置いた。舞羽はその間にソースの味を作っていた。
「いくみーん、しめじ切ってくれる~」
「おう、っていうかしめじ何袋って炒めるんだ~」
「ん~、二袋かな~」
「おう。っていうかしめじ二袋って少なくないか?」
「急に誰かさんと一緒にご飯作る事になったからね~。…っていくみん!また死んだ目してる!?」
「…モンドイナイヨ…」
「ごめん!ごめんっていくみん。ほら後で味見させてあげるから!ね」
「…おう…」
「さ、さあいくみん!しめじ切り終わった?」
「…おう。問題ないぞ。ちゃんと細かく切ったぞ」
「細かく切った!?…ねえいくみん、和風パスタって食べた事ある?」
「ん?ないぞ」
「おおおおお…いくみ~ん。あのね、和風パスタのキノコって食感も楽しむのよ。だからね、一口大で良かったんだよ」
「おおおおお…そうなのか。…何かごめん。足引っ張って…」
「いやいや、ここまで初心者だったなんてボクも知らなかったから仕方ないよ。ほら、そこは、ね。ご愛敬だよ」
「そ、そうだと良いな~。特に綾から文句言われそうだな」
「あはは、まあそこは…そこだよ」
「ん、そうか。あ、ほいしめじ」
「ありがとう。じゃあツナ缶も開けてね~。あ、指切らない様に気を付けてね~」
「おう。えっとツナ缶って冷蔵庫のどこだつけ?」
「ん?確か棚の中なんじゃないの?ほら缶詰って常温保存可能だから多分冷蔵庫には無いよ。ボクも冷蔵庫に入れてないし」
「んじゃあ棚探すよ」
「急いでね。しめじが焦げちゃうから」
「おう。えっと…棚棚っと。あ、あった。ツナ缶何個かあるから取り敢えず三個取り出すわ」
「うん、お願い。あ、ボクも缶詰開けるよ。火を一旦止めてっと。…よし、じゃあツナ缶一個頂戴」
「ほい」
「ありがとう。…よし開いたよ。もう一つ開けようか?」
「おう頼む。意外に缶詰開けるのって難しいんだな」
「あはは、まあ料理は潔さも大切だからね」
「む、俺にはまだ潔さが足りないと?」
「まあ料理においては、ね」
「む、そうか…お、開いたぞ」
「うん、ありがとう。じゃあこれらを鍋に入れて火を再点火…っと。よし。じゃあこれらを更に炒めて出汁を入れるっと…あ!お湯沸いてる?」
「おう。じゃあパスタ入れようか?」
「あ…うーん。いや、ボクがやるよ。いくみんだと麺くっつけそうだから。やり方見る?」
「…本当に初心者ですまん」
「あはははは。そんなに畏まらないで。誰だって最初は初心者なんだから。ほら見てて。こうやってパラパラっと鍋ぶちに沿って入れていくっと。そしてタイマーをセット。そして鍋の中のパスタを混ぜるっと」
「ふーん、意外に簡単なんだな。和風パスタって」
「ふふ、そうだね。だから手早く作れて美味しい、具材を変えたらカロリー控えめにだって出来るから女子にも人気なんだよ。あ、いくみん。ソースの方の鍋、混ぜてもらえる?味見しても良いよ~」
「おう。お、うめー!」
「あはは、それは良かった。さてと、四分間ここから離れられないけど…いくみん君、料理で何か聞きたいことって何かあるかい?」
「はい!舞羽先生!どうやったら料理うまくなりますか!」
「うむ、良い質問だよ。料理は愛情…って言葉があるけど先ず料理を作る理由は何かね?」
「え?質問返された。…うーん、…食べる為…とかじゃないよな?」
「半分正解!」
「正解なのかよ」
「あはは、料理は食べてもらえる為。そしてそれには相手が居るんだよ。だから相手の好みな味にしていくんだよ。それが愛情…っていうのかもしれないね」
「…何か難しいな…」
「あはは、確かに難しいよ。でもそれを可能にするのは経験なんだよ。経験値を積んでいけば可能になってくるんだよ」
「ん、そうか。…そうなんだな」
「そうそう。さてと四分経つね。いくみんザル準備出来てる?」
「おう!」
「よし、じゃあザバーっと」
「うわっ!すごい湯気だな!」
「あはは!まあ熱湯だからね~。いくみん、深いお皿人数分用意して」
「ほいほーい」
「よし、じゃあパスタを均等に…ていうかほんのちょっといくみんに多めに入れてっと…男の子だからね~」
「お、おう…」
「いくみん、パスタ入れたお皿にソースかけてもらえる?ちゃんと皆に行き渡る様にね~」
「はーいっと」
「これで…よしっと。ほいいくみん」
「おう、ありがとうこれで最後っと…よし出来た!ちょっとソース残ったけどどうしようか?」
「もう少しみんなのに入れよう。スープスパになっちゃうけど」
「そこはご愛敬か?」
「あはは、そうそう。いくみん分かってる~」
「じゃあ持っていくか」
「うん。皆~出来たよ~」
「「「「はーい」」」」
「悠季ちゃん、何か手伝うことある?」
「あ、じゃあお皿持って行ってもらって良いてすか?」
「はいはーい」
「じゃあ私は改めて飲み物用意するよ~」
「…じゃあ私も」
「綾ちゃん、まりもちゃんありがとう~」
「あれ?何かしめじが小さい…」
「あはは、それはですね和先輩~いくみんが和風パスタを知らなくて細かく切ったんですよ~」
「何やってんの肉兄」
「うう…すまん」
「あはは、まあいくみんがやった証拠にはなったけどね~」
「本当に舞羽先生にはお世話になりました」
「うむ、精進しなさい」
「ははーっ」
「じゃあ食べようか」
「「もう少しネタやらせて!」」
「…仲良し」
「はいはーい、みんな冷めちゃうわよ~。それともおばさんが食べちゃって良いの~?」
「お母様!?」
「おっと、おば様から全部食べられない様に食べ始めようか」
「うん」
「おう」
「「はーい」」
「じゃあ郁巳」
「え?何お母様?」
「「「「「……」」」」」
「え~っと、じゃあ皆さん、手を合わせて」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「美味しいー!流石舞羽先輩」
「うん、流石悠季ちゃん」
「…美味しいです。舞羽先輩」
「いくみんへん称賛がないのは…細かく切ったしめじだから…かな」
「「「そうです」」」
「それに肉兄は和風パスタ食べたことないんなら和風パスタの味知らないからね」
「そ、そうだね…あはは」
「ウン ワフウパスタオイシイ…」
「わー!いくみんが死んだ目してる~」
「あははは!肉兄、死んだ目してる~」
そうして家族団欒の夕食が楽しく過ぎていったのだった。
……(失敗の余地があった!)




