顧問としての思い出、姉としての思い出。
何となく上下関係は出来ては来ているけど…
「…じゃあ始めますか。…てか和々先生はともかく何で和先輩達まで直立しているんですか?」
「いえ!特に意味はありません!サー、イエッサー!」
まりもの言葉に和は直立のまま声を大きくして答えた。
「…済みません、普通通りにしてくれませんか?…ちょっと、いえ、かなりやり難いです」
「えっと………うん、分かったよ。じゃあいつも通りにするよ」
「…助かります」
和のいつもの口調にまりもから笑顔がこぼれた。
「…あの~、私は~」
「和々先生はちゃんと先生らしくしてくれるんでしたらやぶさかでもありません」
「本当!やー、助かった~。人に頭下げるのって疲れるんだよね~」
「…和々先生…」
「はい!社会人として節度をもってこれに準じる所存であります!」
洋が直立して宣誓した。
「ならちゃんとして下さい…」
まりもがプイっと後ろを向いた。
「(ねえねえ悠季ちゃん)」
洋がまりもに聞こえない様な声で舞羽に声をかけた。
「(何ですか和々先生)」
「(まりもちゃんが…すっごく怖い)」
「(それは和々先生の行いが悪いからです)」
舞羽が社交辞令の笑顔を洋に向けた。
「酷い!」
「…?どうかしましたか和々先生?」
「いえ!何でもありません!サー、イエッサー!」
「…もう、だからそれ止めて下さいって。…私もやり過ぎました。ごめんなさい」
まりもが洋に頭を下げた。
「え!?あ、え、いや………こちらこそ年甲斐も無くはしゃいで申し訳ありませんでした…」
「おお…あの和々先生が謝った」
「悠季ちゃん…もう、私だって謝る時は謝るよ~。ってそこの妹。笑いを堪えない」
「ぷ、ふふ。ご、ごめんね洋姉。あまりにも珍しい事だったから…ぷぷっ」
「もう、だって…ここにこんなに人が、和の友達がいるんだから嬉しいに決まってるじゃない」
「「「「「!?」」」」」
洋の当たり前の様に語る台詞に和達が動揺をした。そしてお互いの顔をチラチラと見ては顔をそらしたりした。
「………」
舞羽は耳まで真っ赤にして俯いた。
「あ~、うん…」
和はぽりぽりと頬をかきながらふにゃっとした笑顔をしていた。
「あ~、うん。まあ、ね…」
郁巳は何とも言えない顔で頭をかいた。もちろん顔は赤い。
「にひひ」
綾は笑顔のまま笑った。
「………」
まりもは…まあ言わずもがな。
「…うん、皆良い顔」
パシャ
そう言って洋は皆の写真をスマホで撮ったのだった。
顧問として部員の仲の良さは嬉しいし、姉としても妹の交友関係が良いことは嬉しい事なのでした。




