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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第一章「料理初心者としての一歩」
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仲良しな二人(1年生ズ)

 所変わって綾とまりものターンです。何をしているのやら…

 郁巳と舞羽が学食でキャッハウフフ(郁巳無自覚)をしている同時刻、綾とまりもは校舎内の庭のベンチにいた。


 「さーて、ご飯食べよう!マーりゃん」


 「うん…そうだね…」


 綾とまりもが楽しみにしていたご飯の時間だ。


 「…綾ちゃんのコロッケパン、美味しそう…」


 まりもは綾が購買で買ってきたパンを物欲しそうに眺めていた。


 「…私も購買行けばよかった…」


 「あはははは、あそこは戦場だからマーちゃんには危ないよ」


 「むう…そんなことない」


 綾の言葉にまりもはへそを曲げる。


 「まあまあ、そう言っては何だけどマーちゃんのご飯とパン、少しトレードさせない?」


 「え?…良いの?だってそれ戦利品なんじゃ…」


 「マーちゃん、声と言葉が噛み合ってないよ。あははははっ!」


 綾の思いがけない発案にまりもは目を輝かせた。そんなまりもに綾は大笑いした。


 「むー…。そんなに笑わなくても…」


 「ごめんごめん!いや~、マーちゃんはやっぱり可愛いなーと思って」


 「それを言うなら綾ちゃんだって…小麦色の健康的は肌、魅惑のセクシャルボディ。まるでイケイケのギャル…にも見える」


 まりもスコープの綾は遊んでる人にも見えるらしいがそれを苦笑しながら綾が否定した。


 「まあこれは美味しい食べ物がないか街中を歩き回って黒くなったのもだし、何よりセクシャルボディというけど少し太り気味なんだよね~あははっ」


 綾が少し自虐を入れながらの否定にまりもが強い口調で言い返す。


 「そんなことない!………その…綾ちゃんくらいの身体つきの方がモテると、おもぅ……」


 まりもは自分の出した大声に恥ずかしくなり、言葉の最後の方が弱々しくなった。


 「あはっ。やっぱりマーちゃんは優しくて可愛いね~うりゅうりゅ」


 「むぅ…ほっぺたムニムニしないで…」


 綾は嬉しそうにまりものほっぺたをつついた。


 「そ、それより…」


 まりもはベンチの裾に置いていたレジ袋から「厳選された醤油に絡ませた特製おかか入りおにぎり」を取り出した。


 「…これとなら何と交換してくれる?」


 「おお!L7限定のおにぎりだね!これ美味しいんだよね~。あれ?でもL7ってマーちゃんの家の方には無かったよね?何でそのおにぎり持ってるの?」


 綾が不思議そうに首を傾げるとまりもがクスッと笑いながら種明かしをしてくれた。


 「…今日、綾ちゃん迎えに行った時に立ち寄ったの。ほら綾ちゃんの家の近くにあるでしょ、L7」


 「おおっ!…はっ!てことは私を迎えに来たのって…」


 「…うん…半分はL7寄るためだった…」


 まりもは少し引け目を感じながら答えた。


 「くふぅ!やられた~w」


綾は刀で斬られたみたいな三文芝居をした。


 「クスッ…」


 「あ、マーちゃん笑った~。うんうん、マーちゃんは笑顔が一番可愛いよ~」


 「…もぅ」


 まりもは目を細めながら呟いた。


 「さてと!そのおにぎりだと…じゃーん!こちらの今購買で女子の競争率が高いストロベリー生クリームサンドはいかがかしら?」


 「うわ…美味しそう…」


 目の前の魅惑のパンにまりもは目を輝かせた。


 「うん。実際美味しかったよ~。だからオススメ」


 「いいの…私のおかかだよ…?」


 まりもがすまなそに綾に聞いた。

 

 「うん!だって限定おにぎりだよ!私だったらこのパンと同じ位の価値だよ~!」


 綾の興奮気味の回答にまりもは微笑んだ。


 「…うん。ありがとう。じゃあ、交換してくれる?」


 「うん!トレード~」


 そう言って綾とまりもはお互いの食べ物を1つ交換した。


 「…綾ちゃん、本当は甘いの…すっごく好きなの知ってるよ……」


 おにぎりを頬張る綾の横でまりもは密かに呟いたのだった。 

 所変わっても時刻変わらず。まだまだ昼食のターンです。綾は甘いもの好き、まりもはおにぎり派(?)みたいです。

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