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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
番外編「女子たちのクレープ会」
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クレープうんまー!!!

 お待たせしました。番外編最終回です。

 「ど、どうにか…焼きましたね…舞羽…せんぱ…」


 「そ、そうだね…綾…ちゃん…ハァハァ」


 綾と舞羽は作ったクレープのあまりの量とかかった時間に息を切らしていた。


 「それに、しても、ホットケーキミックス二袋分は、キツいね」


 和が少し楽しそうに言った。


 「…この量のクレープ、食べれますかね?」


 まりもは現実的な言葉を言った。


 「何枚位あるのこれ?」


 そして綾は現実を知る為に経験者の舞羽に聞いた。


 「えっとね、確か前にホットケーキミックス半袋で二十枚位出来てたから…えっと…約八十枚?」


 「食べきれるかーーっ!!」


 綾がうがーっと吼えた。


 「まあまあだよあーちん。まあ、この量は皆で分けても数日かかるだろうね。大丈夫!絶対に食べきれるよ!」


 和がなだめる様に綾を諭した。


 「前回和先輩とクレープパーティーした時も同じ感じだったよ。「食べきれるかーーっ!」ってね。まあ数日かけて食べ終わったけど」


 舞羽が前回を思い出して苦笑していた。


 「「まあ」」


 「あ、どうぞ先輩」


 「いやいや悠季ちゃんこそ先にどうぞ」


 そして舞羽と和が声が重なりお互いに譲り合った。


 「おほん。じゃあボクが…」


 舞羽が主体的になって言い出した。


 「クレープって言われるとどうしても甘いイメージかもしれないけどポテトサラダを入れても美味しいしソーセージを巻いても美味しい。クレープは甘いのも甘くないのも両方いけるんだよ!」


 舞羽の後ろで爆発が起きたかの様に意気込んで言い切った。


 「よっ!クレープ!よっ!悠季ちゃん!」


 和が掛け声を言って場を盛り上げた。そしてそれに感化される様にまりもが呟いた。


 「…甘いのも甘くないのも…両方…いける…」


 「そうだよまりもちゃん!両方いけるんだよ!」


 「…おおっ!おおおおっ!!」


 まりもも舞羽の言葉を噛み締めて感動で声が震えた。


 「さてと、じゃあ食べ始めましょうか。この量だとお母様呼んでも…」


 「「「問題ないよ!!」」」


 「キッチン借りてるし、何よりおば様だけ除け者っていうのはちょっとね」


 和がそう言って頬をかいた。


 「じゃあお母様呼んでくる!お母様ー!」


 綾が二階に声をかけるとドアが開く音がして誰かが階段を下りてきた。


 「はーい、呼ばれて飛び出てジャシャジャシャーン。お母様ですよ~。わー、ぱちぱちぱち」


 「わー!おば様~!」


 和が囃し立て少しドヤ顔になる母親。


 「お母様…歳を考えて…」


 ようやく呼ばれてテンションが高い母親にうんざりしながら言う娘。


 「さー、じゃあ女の子だらけのクレープパーティー、始めましょ~う♪」


 「「「おー!」」」「お、おー…」


 「じゃあ具材を用意しますね~」


 「あ、私も手伝うよ悠季ちゃん」


 「あ!飲み物買い忘れた!」


 「…買ってこようか綾ちゃん?」


 「昨日の残りがあるから大丈夫だと思うよ~」


 「じゃあ私はとっておきのお酒を~」


 「もう、お母様、ほとほどにね」


 そんなこんな皆でワイワイしているとあっという間に準備が出来た。ソーセージ、チーズ、ポテトサラダ、生クリーム、フレーク、チョコソース、ブルーベリーソースなどテーブルに目一杯に並んだ。


 「あれ?アイスクリームは?」


 綾がテーブルの上を見て忘れているであろうアイスクリームの存在を言った。


 「溶けちゃうからまだ冷凍庫の中だよ」


 「え~、アイスクリームたーべーたーい~」


 「…私も」


 「ふふっ、じゃあ先にデザートからにしましょう和先輩。宜しいでしょうかお母様?」


 「うふふ、無問題ー」


 「何故に中国語?」


 お母様の言葉にツッコミを入れてしまう和。


 「じゃあアイスクリーム取ってきますね」


 そう言って直ぐに冷凍庫へ向かう綾。


 「あ、綾ちゃん。大きめのスプーンとボウルとお湯の入ったポットお願い」


 「?はーい」


 舞羽の頼みに?マークを浮かべながら一通り用意して戻る綾。


 「じゃあ和先輩お願いします。ボクはアイスクリームしますね」


 「うん、お願いね悠季ちゃん」


 クレープパーティー経験者の先輩ズが率先してクレープを作り始めた。


 「先ずはチョコソースを。そして生クリーム、そしてフレークっと。悠季ちゃん」


 「はいはーいアイス出来てまーす」


 舞羽は綾が持ってきたボウルにお湯をはり大きめのスプーンをそのお湯で温めてからアイスをすくっていた。


 「じゃあこっちちょうだい」


 「よいしょっと」


 「んでこれを巻いてっと。よし一丁上がり」


 「「おおーっ!」」


 出来上がりに歓喜を上げる綾とまりも。


 「じゃあ、先ずはおば様から」


 「え~。良いわよ私は。それに先に食べたそうにしている人達がいるわよ~」


 お母様がそういってあははと笑う綾と頬を染めるまりもを見た。


 「じゃあ先にマーちゃんからどうぞ」


 綾がそういって隣のまりもに言った。


 「だね」


 和も同意し出来上がったクレープを差し出す。


 「…ありがと…ございます。じゃあ、頂きます」


 和から差し出されたクレープを受け取りぱくりと一口食べるまりも。


 「……」


 無言のままもう一口食べるまりも。


 「どうかな?まりもちゃん?」


 舞羽がおそるおそる出来合いをまりもに聞いた。


 「……」


 更に一口、一口無言のまま食べるまりも。そして遂には全部食べ終えて震えた。


 「ま、マーちゃん?」


 「…んま…」


 「え?」


 「うんまーっ!!!」


 「うわっ!びっくりした~」


 「うまいうまいうまいー!!」


 余りの美味しさに叫ぶまりも。それを見て微笑むお母様と先輩ズ。


 「綾ちゃん!食べた方が良い!今すぐに!」


 「マーちゃん!落ち着いて!分かったから!今から食べるから!和せんぱーい!」


 「はいはーい。悠季ちゃんもお願い」


 「はーい。お母様先に綾ちゃんにします。ごめんなさい」


 「うふふ、良いわよ~。若いから美味しい物食べたいわよね~」


 「ほいほいほいっと」


 「ほいっと」


 和と舞羽がテンポ良く先程と同じクレープを作っていった。


 「ほんでほいっと」


 サッと作って綾に出来立てのクレープをサッと渡す和。


 「あ、ありがとうございま。じゃあお先に頂きます」


 そういってぱくっと食べる綾。そして直ぐに目を輝かせて叫んだ。


 「うんまー!!」


 「あはは、喜んでいただいて何よりです」


 舞羽がそういって和が作ってるクレープにアイスを盛る舞羽。


 「どんどん作るよ~。はいおば様」


 「あらありがと~。じゃあいただきます。ん、美味しい~」


 綾達ほどではないが美味しさに頬が緩むお母様。


 「じゃあ私達も頂こうか。ほい悠季ちゃん。私は自分で作るよ」


 「ありがとうございます和先輩。じゃあいただきます」


 「ほいさどうぞ」


 そう言われてぱくっと一口食べる舞羽。そして頬が緩んで満面の笑みを浮かべてトリップしていた。


 「うんうん、善きかな善きかな。じゃあ私も」


 テンポ良く自分クレープを作りぱくりと食べる和。


 「ん、おいし」


 「はいっ!私、自分で作りたい!」


 「おお、綾ちゃんやる気だね~。じゃんじゃん作っちゃって」


 「…私も…作る…」


 「おお、まりもちゃんもやる気だね。どうぞどうぞ」


 「あらそしたら綾、お母さんの分もお願いね~」


 「んもう、しょうがないな~。何が良いの?」


 「じゃあソーセージにポテトサラダをお願いね~」


 「もう、贅沢。分かったよ。確かこうしてこうして」


 母親のリクエストに少し不満を言いながらも快く作り始める綾。


 「あはは、少し不恰好だけど、はい、お母様」


 「うふふ、ありがとう。じゃあいただきます。ん、美味しい~」


 「良かった」


 母親から合格をもらいほっと笑みがこもれる綾。


 「…はい、綾ちゃん。私の手作り…」


 まりもが綾に手作りのクレープを差し出す。


 「あ、マーちゃんありがとう」


 そしてぱくっとまりもの手作りクレープを食べる綾。


 「ん!美味しい~!」


 「…わ、私の愛情たっぷり入れたから…」


 「ん。美味しいよマーちゃん。ありがとう」


 「…良かった…」


 「(おお、まりもちゃんの愛が重い…)」


 「(重いね~)」


 「(うふふ。若いわね~)」 


 舞羽、和、母親が各々の感じ方を心に持ちながら綾とまりものやり取りを見ながらクレープを食べていた。


 「じゃあ、お母さんは二階に上がって用事済ませてくるわね~。後でまた頂きますに来ますね~」


 「あ、はーい」


 お母様は綾にそう言って二階に上がって行った。その直後に玄関の鍵がガチャリと開く音がした。


 「あ、肉兄帰ってきたみたい」


 「ただいまー」


 数日ぶりに聞く郁巳の声に直ぐ様席を立つ綾。それに連れて席を立つ三人


 「肉兄、おかえりー」


 「いくみんおかえりー」


 「…郁巳先輩、おかえりなさいです」


 「いーくみん、お邪魔してまーす」


 郁巳が旅行に出る前より更に仲が良くなった女子達が郁巳を出迎えたのだった。

 皆が仲良く郁巳をお迎えに行っていつもの、いえ、いつも以上の賑やかさになる琴乃葉家の夜でした。

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