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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
番外編「女子たちのクレープ会」
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人の恋路を進める者は主です

 朝に一発喰らったまりもに挽回は出来るのか!?

 「…先程はお見苦しい所をお見せして申し訳ございませんでした…」


 顔と心が真っ赤になったのを一生懸命洗って元に戻したまりもが申し訳なさそうに戻ってきた。


 「おー…うん…まあ…うん…」


 事の一部始終を見てしまった和が目を泳がせながら曖昧な返事をした。


 「何かあったんですか?ボクの後に洗面所にすぐ来たまりもちゃんが顔を真っ赤にして頭からシャワー浴びてたよ」


 「あー…」


 和が納得して改めてまりもの髪を見たら少ししっとりしていた。


 「…うう…」


 さっきから押し黙るまりもが可愛い唸り声を上げた。


 「まあまあ、まりもちゃん」


 そこに救世主の如く琴乃葉家の夫人の郁巳たちの母親が声をかけた。


 「お義母さんって呼んでいいのよ」


 「!?え!?え…!?」


 救世主の一撃に混乱するまりも。


 「もうお母様、マーちゃんをからかったら駄目だよ~。マーちゃんごめんね」


 今度こそ救世主=天使でナイトの綾がまりもにフォローを入れた。


 「あらあら、まだまだ綾がその気で無いのなら今は仕方ないけどまりもちゃんが諦めなければ本当にお義母さんって呼ばれても問題ないからね~」


 「は、はい!お義母様!!」


 まりもが郁巳たちの母親に敬礼をしながら答えた。


 「あは、あはははは…」


 「??」


 内容が二次関数ばりに斜め上に上がっていき蚊帳の外の和は笑うしかなく、舞羽に関しては話に全く付いていけずに?マークを浮かべるばかりだった。


 「さあさあ、みんな顔を洗ってきた事だし朝ご飯にしましょう」


 郁巳たちの母親がポンと一拍叩き朝ごはんを勧めた。


 「そうだね。ささ、皆席に着いて」


 綾が皆に昨日と同じ席に座る様促す。


 「ああ、まりもちゃんはこっちよ」


 郁巳たちの母親がまりもに自分の席を譲った。


 「え?でも…」


 「いいのよいいのよ。うふふ」


 満面の笑みでまりもを促す郁巳たちの母親。困惑するまりも。


 「わっ!マーちゃん真向かいなんだ!座って座って!」


 実の母親の魂胆を全く感じてない無邪気な笑顔を見せる綾。


 「…じゃあ…お、おじゃまします……」


 「ほいほーい」


 「…」「ん?」


 「「ふふっ」」


 恋する乙女と恋すら分からない無邪気な乙女がしばし見つめ合い、お互いに微笑みを交わした。


 「はは、はははは…私は凄い現場に居合わせたな~」


 「?どうしたんですか和先輩?」


 半場放心しかけてる和を不思議そうに見る舞羽。この空間、間違いなくカオスだった。


 「じゃあ和ちゃんと綾はトーストで舞羽ちゃんはご飯で~、まりもちゃんは何にする~?やっぱりトースト~?」


 少し悪戯っぽくまりもに朝ごはんを聞く郁巳たちの母親。


 「ひゃ、ひゃい!とぉーすとで!」


 「うふふ。分かったわ~。あ、飲み物は何にする~?」


 「じ、じゃあ牛乳で!」


 「はいは~い。じゃあちょっと待っててね~」


 まりもから朝ごはんのリクエストを聞いてキッチンへ何事もない様に向かう郁巳たちの母親。


 「…何気に人の恋路を進めようとしたなあの人…」


 「?何言ってるんですか和先輩?」


 先にトーストにブルーベリージャムを塗りながら呟く和を再度不思議そうに見る舞羽。


 「はいまりもちゃん、牛乳。じゃあお母さん、目玉焼き持ってくるわね~」


 牛乳のコップをまりもの前に置くと直ぐ様キッチンへ戻っていく郁巳たちの母親。


 「はむっ、うーん!やっぱりブルーベリージャムは美味しい~!」


 相変わらず無邪気そうにしながらトーストを食べる綾。それを牛乳の入ったコップを両手に持って綾を愛おしく見つめるまりも。


 「はむっ…うーん、カオス」


 この空間を異様に感じる和がトーストをかじりながら呟く。


 「はーい、目玉焼きも持ってきたわよ~」


 そこに空気を読んだのか読まないのか救世主の郁巳たちの母親が皆の目玉焼きをまとめてお盆に乗せて持ってきた。


 「三つずつ焼いたから取り分けてね~」


 「「「「はーい」」」」


 「あれ?誰が二つ食べるの?」


 綾が真っ先に疑問に気づいた。


 「ここは主のおば様が」


 和が年功序列を考えて言った。


 「いえいえ~、ここはちゃんと食べないといけない若い子が食べないと~」


 「いえ!そんなここはおば様が」


 「いえいえ」


 「いえいえ」


 「いえいえ」


 「あー!もう!じゃあここは私が!」


 和と郁巳たちの母親が譲り合っていると痺れを切らしてすかさず目玉焼きを二枚自分のお皿に盛ろうとする綾。


 「こーら綾。ここは「じゃあ間を取ってまりもちゃんに譲ろうよ~」が模範解答よ~」


 「何言ってるか分からないでーす」


 「あ、いえ…。綾ちゃんが食べたいならどうぞ…私はその…トーストだけで気持ちいっぱいなので…」


 まりもがか細い声で綾に目玉焼きを譲った。


 「そう?じゃあいいよね?」


 綾が目を輝かせて母親に聞いた。


 「まりもちゃんが良ければ…ね~」


 「まあ…そうですね~…」


 郁巳たちの母親と和が頷きあった。


 「??」


 全く付いていけずにご飯に海苔を巻く舞羽はここに恋する人がいない乙女だった。

 前書きの通りのフラグです。琴乃葉家の夫人、息子娘の恋人候補に寛容です。

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