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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
番外編「女子たちのクレープ会」
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肉の亡者たち

 郁巳が綾から肉兄と呼ばれる理由。その真実が明らかに!(肉が絡むのは定石です)

 「じゃあ最後にこれ聞いちゃいますか」


 「「「??」」」


 舞羽の切り出しに三人がキョトンとした。


 「ほら、綾ちゃんがいくみんの事を兄さんではなく肉兄って呼ぶ理由」


 「そう言えばそうだね~。いや~、てっきりあの体型だから肉兄って呼んでるのかと思ったよ~」


 「…和先輩、本人がいないことにさらっと酷いことを言った…」


 和は心の声をそのまま言ってまりもから白い目で見られた。


 「あはははは、いや~、大したことないですよ。それでも聞きたいですか?」


 「「「うん!」」」


 「うわっ!皆即答だよ」


 皆の食い付き様に少しうんざりしながら綾は話を始めた。


 「えっと、私も肉兄も好きな食べ物と言われたら迷うことなく“肉”って答える位の肉好きなんですよ」


 「それは知ってるよ~」「あ、ボクも」「…もちろん」


 「…でですね、中学校の時に夕食にハンバーグが出てきたのです」


 「あ、いくみんに自分の分を食べられたのにサラダ煎餅一枚」


 しれっとサラダ煎餅の袋を前に出し賭け事を始めた和。


 「じゃあボクはいくみんにオーロラソースをかけられたにうみゃい棒二本」


 そこに乗っかる舞羽。


 「…じゃあ私は郁巳先輩のハンバーグの方が少し大きかった方に○のとり天せんべい一袋」


 さらっと大分銘菓を賭ける物に出すまりも。


 「ああ、もう!話続けますよ!?」


 綾が賭け事の対象にされて癇癪を起こした。


 「はいはーい」「はーい」「…(こくん)」


 「おほん。……あれ?どこまで話しましたっけ?」


 「綾ちゃん、中学校の時に夕食にハンバーグが出てきた所までだよ」


 舞羽がフォローを入れた。


 「おおっ、そうでした。おほん、で夕食にハンバーグが出てきたのですが、お母様の手違いで私だけチーズが入ってなかったのです」


 「…まさかの変化球…」


 まりもが意外そうに呟いた。


 「そしてですね肉兄はそれを半分くれたのです」


 「あれ?何か良い話では?」


 舞羽が首を傾げた。


 「しかし肉兄は要求を突き付けてきたのです!」


 「お!いよいよここからクライマックスですよ」


 「和先輩~、サラダ煎餅取り上げますよ~」


 「ごめんなさい!」


 綾の氷の一言に即座に土下座をする和。


 「おほん、でこう言ったのです。「このチーズハンバーグの半分が欲しかったら綾のハンバーグの四分の三をよこすのだ~」と」


 「うわっ!いくみん鬼畜だ~」


 「…うん、これは擁護できないよいくみん…」


 「…なんという外道」


 和筆頭に舞羽、まりもが素直な言葉を発した。


 「ですよねですよね!私もチーズハンバーグが食べたいが為にその要求を苦渋の決断をしてのみました。それから肉兄のことを“肉の亡者”の二つ名を略して“肉兄”って呼ぶ様になりました」


 「おお…肉の亡者…」


 「肉の亡者…」


 「…なるほど。綾ちゃんに肉関係では優しくするのが吉と…」


 「まあ実の兄を肉兄なんて呼ぶ様になったのはこんな話です」


 綾がケラケラしながら話終えた。


 「…ねえ綾ちゃん」


 舞羽が少し躊躇いがちに綾に言った。


 「もう少し何かある様に感じるんだけど…気のせい?」


 「………ノーコメントで」


 (((ああ、これは何かあるな)))


 綾の黙秘に三人の心が揃った。


 「じ、じゃあ賭け事の正解者はいなかったので全部私が没収しますね」


 そう言って皆の前にあるお菓子を全部掻っ攫っていく綾。


 「ああ!あーちん賭け物出してないのにズルい~!それに私の回答は半分正解じゃんかー!」


 「食べられたのも要求があったからで勝手に食べられた訳じゃないです!それに和先輩が先に賭け事を言い出したのだから私が貰っても良いじゃないですか!」


 「あはは、和先輩、ボクのうみゃい棒のサラダ味一本あげますから」


 「…では私は綾ちゃんに更に○のとり天せんべい一袋を贈呈します」


 「マーちゃん大好き!」


 「ではもう少し話ますか?」


 舞羽が皆の心を代弁した。


 「「「うん!」」」


 「じゃあ…隣にテーブルあるからそこではしゃごうか?」


 「「イエーイ♪」」「…いえーい」


 そう言って布団からテーブルに足を運んで琴乃葉家でのパジャマパーティーの夜が更けていったのだった。

 チーズハンバーグの為にハンバーグの四分の三を譲る様に要求を受け入れる綾。チーズ好きなのです。

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