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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
番外編「女子たちのクレープ会」
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策士、サクサク策を出す。

 和と舞羽の出会い…やはり料理。

 「そう、あれは……いつだっけ?」


 「夏ですよ!夏!」


 和の話の始まりに聞いてる側が早々に不安を持ってしまう件だった。


 「そうそう。悠季ちゃんに出会ったのは去年の夏休み、私が一人で調理室で料理した時だったよ」


 「そうですよ。ボクが食べ過ぎで金欠になっていた所に美味しそうな匂いがしてきたからそれに釣られて調理室に引き寄せられたんだよ」


 「そして私の料理とゴチャっとした調理器具の状況を見て提案をしてきたの。「ボクが片付けをするから、その料理を食べさせて下さい」と」


 「そうでしたね。…あれ?もしかして今とあんまり変わらない、というか今の状況の方が悪いのでは?」


 コクコク


 舞羽は気付いていなかった真実に気付きそれを肯定する様に綾とまりもが何度も首を縦に振った。


 「まあまあ、それでその時に悠季ちゃんに食べさせたのが安くて美味しいオニオンスープだったよね」


 「あ、そうです!そうですよ!あの時のオニオンスープの美味しさとそれを作れる魔法の手、何より調理費用の安さを聞いて「あれ?もしかして楽園見つけた?」って思いましたよ~♪」


 「(マーちゃん、舞羽先輩、話を逸らされたのを気付いてないのかな?)」


 「聞こえてるよ綾ちゃん」


 「!?で、舞羽先輩はそのオニオンスープで料理の片付けを一端に担ったんですか?」


 「え?うん、まあ流石に油の片付けはビックリしたけどね」


 「え!?オニオンスープで油の片付けとか出るんですか!?」


 「あはははは、その時はクルトンも作ってたからね~。あれはカリッカリで美味しかったよ~」


 「うわ~、想像しただけで涎が出てきちゃう。今度私にもオニオンスープの作り方教えてもらっても良いですか舞羽先輩?」


 「うん!モチロン!」


 (…何気に話を逸らしながら相手を持ち上げる綾ちゃん…策士!)


 まりもは綾のニノ鉄を踏まない様に声に出さない様にした。


 「えっと少し話がズレるけど油の片付けの話をしようか。部活動になったゃうけどごめんね」


 和が唐突に話を始めた。


 「あーちん、油の片付けって普通どうしてると思う?」 


 「え!?…えーっと…」


 和の突然の質問に綾は言葉を詰まらせた。そして出てきた答えが「油取り紙で油を取る?」だった。


 「うん、それは最後の方かな」


 和が苦笑をしながら言葉を返した。


 「えっとね、油の処理方法って幾つかあるんだけど私がしてる方法は二つ。一つは新聞紙を入れた牛乳パックに冷ました油を液状のまま詰める。もう一つは固める」


 「あ、それ知ってます!固めるナンチャラって言う商品ですよね?」


 「ブブーッ」


 綾の急いだ答えに舞羽が指でバッテンを作った。


 「あはは、それじゃあコストがかかりすぎるよ~」


 和が笑いながら言った。


 「じゃあどうやって固めるんですか?」


 綾は答えが分からず不満そうに質問した。


 「それは…か・た・く・り・こ♪」


 舞羽が某フリーアナウンサーがした仕草で答えた。


 「片栗粉?片栗粉ってあの片栗粉?」


 舞羽たちは綾からハテナマークが出ているのが目に見えた。


 「そう、その片栗粉」


 和がニヤリとしながら話を進めた。


 「片栗粉って安いのだったら百円位だし、何より安くても問題がないってこと。低コストで油の処理が済む!これだね!」


 「…和先輩、もう少し具体的に…」


 油の処理に片栗粉を使う事を熱く語る和にまりもは具体的な説明を求めた。


 「ああ、ごめんごめん。えっとね、片栗粉を水で溶いた物を加熱して料理にトロミを付ける事があるの。通称糊化って言うんだけどね。その糊化を油でする訳。油を糊化、つまりは液体のを固体化できて、それが冷めたらコンビニのビニール袋でも入れて捨てたらあら不思議、手が油でベタつかない!と言うこと」


 「ほー…」「ほへ~…」


 まりもと綾は訳が分からずただただポカーンとするだけだった。


 「えっとね、つまり片栗粉で油を固めることが出来る、それをすれば片付けが楽になるってことだよ」


 舞羽が和の話のフォローを入れた。


 「おおっ!なるほど!片付けが楽になる!」


 綾が納得した様に目を輝かせた。


 「…あまり使わないであろう豆知識が一つ増えた…」


 「あははは…」


 反対に冷静なまりもの反応に苦笑いをする舞羽。


 「何言ってるの?さっき部活動って言ったよ。今後油を使う事あるかもよ。だからこれは予習だよ」


 「…!?」「はひっ!」


 しれっと釘を刺す和にまりもと綾が姿勢を正した。


 「さてと、どこまで私と悠季ちゃんの話をしたっけ?」


 「和先輩がオニオンスープで舞羽先輩に片付けを押し付けた所です」


 「ああ、そうそう…ん?私、悠季ちゃんに片付け押し付けたっけ?」


 「さっきそう自分で言ってましたよ」


 「そっかそっか。あの時はごめんね悠季ちゃん」


 「え?ええ、いえいえ。こちらこそあの時は助かりました」


 和と舞羽がお互いに頭を下げた。そしてしれっと湾曲した内容を押し付けた綾がチロっと舌を出した。


 (…何気に話を逸らしながら相手を持ち上げる綾ちゃん…やはり策士!)


 再び親友が人を手玉に取るのを垣間見て形容しがたい顔をするまりもであった。

 オニオンスープで釣られる。オニオンスープに限らずスープは見た目単純だけど手間を惜しまずにすると美味しくなる。料理人の真価が出てくる物だと思います。そしてそれを飲んだ舞羽は料理の道(家庭料理部)へと入って行きました。

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