「先生!ふわふわオムレツが…作りたいです!」
さてとオムライスの上のオムレツを作り始めようとした時に綾から一言が…
「舞羽先生!私、オムレツ焼くのしてみたい!」
綾がいきなり挙手をした。
「ど、どうしたの綾ちゃん?」
「いや、別に私も少し量を増やしてほしいとか、そういうのではなくて」
「そういうのがあるんだ…」
舞羽がジト目になった。
「ただ、何事も経験だと思って。失敗しても良いからやってみたいんです!」
「おおっ…綾、すごい…」
郁巳が眩しそうに妹を見た。
「う~ん…」
「…先生が困ってる…」
「あ、あの~そんなにダメ…なのですか?」
舞羽が腕を組んで困っているとそれと同じ位に綾も困惑してしまった。
「いや、ね。今回のオムライスのオムレツ、俗に言う“ふわふわオムレツ”なんだけど、正直ボクが作っても成功率が7割位で正直者そんなに高くないんだよね」
「…先生でもそんなに難しいの?」
まりもも少し戸惑っていた。
「うん、そして確実に初見殺しだよこれ」
「…そんなに」
舞羽の断言に更に不安を感じるまりも。
「だから今日はボクが先に…」
「でも!」
舞羽の言葉を綾が遮った。
「それでもやってみたいんです!やらせてください!」
真剣な顔をして綾が頭を下げた。
「…」
「…」
「…」「…」
舞羽、綾、郁巳、まりも、皆が一言も喋らなかった。
「…はぁ」
静けさの中、最初に言葉を発したのは舞羽だった。
「まあ、ここまで誠意を見せられたら、仕方ないよね。お兄さん」
「お、俺かよ!?」
舞羽のいきなりのパスに郁巳が戸惑った。
「…肉兄…」
綾が頭を上げて懇願する様な顔を見せた。
「ま、まあ、一回失敗しても俺が食べれば良いから良いけど」
「…綾ちゃんが作ってくれるならどんなのでも大丈夫」
「肉兄!マーちゃんも!」
郁巳のフォローに透かさずまりももフォローを加える。
「そしたら今回は綾ちゃんのふわふわオムレツ練習として失敗しても問題ないと言うことで皆良いかな?」
舞羽がウインクをしながら皆の意見をまとめる。
「おう!」「…もちろん」
「…皆…ありがとう」
綾が少し涙を浮かべながら嬉しそうに笑った。
ふわふわオムレツ、そう、作ってみたい人は確実にいるはずだが、初見殺しなのは間違いないです。私も初見殺されました。




