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食べれることのありがたさ

 綾が急に泣き始めた。何があったのか?

 「さてと、じゃあいくみんご飯何にする?お米?パン?それともボ・ク?」


 「トーストで」


 「もう!ボクの渾身のギャグをスルーしないでよ。全く…ふーんふふーん」


 先程から上機嫌の舞羽が郁巳の朝食を用意していた。


 「…なあ、綾」


 「ん?何?肉兄」


 不思議そうに待っている郁巳は隣で呑気にコーヒー牛乳(砂糖入り)を飲んでいる綾


 「何か舞羽、さっきから機嫌良くないか?」


 「はははっ。全く肉兄は~。まあ、肉兄らしいけど」


 「で、何なの?」


 「さあ~ね~。私は知らないよ~」


 綾は先程、自分がやったファインプレー(企て)を舞羽に気に掛けさせない様に知らんぷりを決めていた。


 「まあ郁巳は郁巳よね~。あ、舞羽ちゃん、コーヒーおかわり」


 郁巳たちの母親が気にも止めないで何杯目かのコーヒーを舞羽に頼んでいた。


 「はーい。ほい、いくみん。トースト焼けたよ」


 「お、ありがとう。では、いただきます」


 焼けたトーストを目の前に食べることに意識が向いた。そしてモキュモキュと食べ始めた。


 「ところで昨日の夕食はちゃんとしたのを食べたみたいね。冷蔵庫の中を見たら分かったわ」


 「そうなんだよお母様!舞羽先輩が手際よく作ってくれたんだよ!しかもお米も炊いてもらって!私、こんなに炊きたてのご飯が美味しいなんて…ううっ」


 「綾ちゃん!泣くほど!?」


 郁巳たちの母親と綾が話していて、いきなり綾が泣き始めたので舞羽が驚いた。


 「だって、私も肉兄も昨日まで炊き方知らなかったから。今日から炊けると思うと…うわーん!」


 「綾ちゃん、号泣するほど!?」


 「解るぞ綾。ご飯が食べれないのは俺たちにとって死活問題だからな。ごちそーさまでした」


 そうこうしている内に朝食を食べ終わった郁巳が手を合わせた。


 「ほら、あなたたち学校へ行きなさい」


 郁巳たちの母親がまったりしている三人を急かした。


 「そうだな。では行くか、舞羽、綾」


 郁巳が席を立った。


 「ご飯食べ終わったのが最後の人が何言ってるんだか」


 綾が茶々を入れる。


 「まあまあ、では郁巳たちのお母さん、お世話になりました。行ってきます」


 舞羽が礼儀良くいってきますを言った。それに続いて郁巳と綾が母親に声をかけた。


 「「いってきまーす」」


 それを見て郁巳たちの母親は笑顔で返した。


 「はい、いってらっしゃい」 

 食べれることはありがたい事。そして、ご飯を食べさせてくれる人、ありがとう。(私にはいないけど)

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