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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第一章「料理初心者としての一歩」
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ただご飯が作れるだけで誉められる

 さあ夕食だよ。


 舞羽はキャベツを切り終えた後買った豚肉を切りながら郁巳に聞いた。


 「ねえいくみん?いくみんは味噌と醤油、どちらの味の方が好き?あ、それともシンプルに塩コショウ派かな?」


 「んー、肉食べれてら良いから特に考えたことなかったな」


 「もう!…じゃあ、今回はシンプルに塩コショウにしとくね」


 「おう、ありがとう」


 「ううん、どういたしまして~。ところで調味料とかってどこかな?」


 そう言って上機嫌に料理を進めていく舞羽。豚肉、キャベツを切り終えて調味料を探す舞羽。


 「調味料なら台所の下とキッチンの棚の上だぞ」


 「え~っと。あ、あったあった」


 舞羽は塩コショウ、そしてなぜか醤油まで用意していた。


 「舞羽、味付け塩コショウなのになぜ醤油を?」


 郁巳の不思議そうな質問に舞羽はニカっと答えた。


 「隠し味に焦がし醤油をいれるんだよ。これで風味アーップ!」


 「おおっ!更にスゴいな!」


 「えへへ~。よし!」


 郁巳のテンションに舞羽も浮かれる。しかし舞羽はすぐさま気を引き締めて深めのフライパンを用意した。そして豚肉だけを炒め始めた。


 「舞羽?何でキャベツも炒めないんだ?」


 「ん?豚肉とキャベツは火の通り方が違うから先に豚肉だけ炒めて余熱で火を通すんだよ」


 「へえ~」


 そういいながらも舞羽は手を止めなかった。数分もしたら豚肉に火が通りお皿に上げる。そして火を少し弱めてキャベツを炒め始めた。


 「キャベツも意外にさっと火が通る訳じゃないから少し時間がかかるんだ。だからその間に豚肉に火が通るんだ」


 「なるほど~」


 そう言ってる内にキャベツの色が深緑になって舞羽がお皿に上げていた炒めた豚肉を再度フライパンに投入した。そしてさっと混ぜて塩コショウをふってフライパンをふった。そして醤油キャップ一杯の醤油をフライパンの淵になぞるように回し入れて更にフライパンをふった。


 「よし!出来たよ~」


 舞羽は深皿に豚肉とキャベツの炒め物を盛り付けながら言った。


 「おお!スゲー!スゲーよ舞羽!」


 出来た主菜に郁巳は歓喜を上げた。そんな時玄関が開き「ただいま~」と声が聞こえた。


 「ただいま~。お、いい匂い。スゴい肉兄!ご飯作れる様になった…んだね…」


 帰ってきてキッチンを先に覗いた綾が微妙な顔で舞羽を見た。


 「お帰り綾ちゃん」


 「む…舞羽先輩…ただいまです」


 「おう、お帰り綾。今日は舞羽が作ってくれてるぞ。しかも喜べ!今日はお米が食べれるぞ!」


 「ええっ!本当に!ありがとうございます!ありがとうございます舞羽先輩!」


 先程の微妙な顔から勇者を見た様な顔で感謝を述べた。


 「う、うん…。(ていうか琴乃葉兄妹はご飯が絡むとスゴいな~)」


 舞羽が少し引きながら話しているとご飯が炊けた。


 「お!ご飯炊けたね。じゃあ混ぜて…っと」


 「あ、舞羽先輩。おかず持って行きますね」


 嬉々としながら綾がおかずの盛ったお皿を居間に持って行った。


 「ああ、綾ちゃん。ちなみにインスタントだけどお味噌汁もあるからね。その為のお椀、あ、お茶碗も用意してくれる?」


 「はいっ!」


 まるで仲の良い姉妹(見た目からして妹と姉)の様に一緒にご飯の用意をしていった。


 「お、俺は何をしたらいいか!」


 余りの仲間はずれにいてもたってもいられなくなり郁巳が声をかけた。


 「いくみんは手伝えないでしょ。いいよ」

 「肉兄はお皿の配置知らないでしょ。いいよ」


 「…はい…」


 女性陣二人から戦力外通告をされてしゅんとなる郁巳。


 「あ、電気ポットのお湯沸騰させといて」


 「おう!分かった!」


 綾の言葉に喜びながらポットの沸騰ボタンを押した。


 「他は何かないか!」


 「「他はないよ~」」


 「…はい…」


 郁巳の次の指令が無いことにしゅんとする郁巳に舞羽と綾はクスクスと笑った。


 そんなこんなで『豚肉とキャベツの炒め物』『ご飯』『インスタント味噌汁』と出来た。


 「「おおーーーっ!」」


 「すげー!スゲーよ!舞羽!」


 「舞羽先輩スゴいです!天才ですか!」


 琴乃葉兄妹が歓喜しながら舞羽を称賛した。


 「そ、そんなことないよ~。そ、そんなことより早く食べよう!ねっ」


 誉められ照れながらも話をそらす様にご飯を食べる様に促した。


 「では」


 「「「いただきます」」」


 郁巳のかけ声に3人がいただきますをした。


 「おお!肉うめー!醤油の風味もスゲー!」


 「キャベツも歯応えが残ってて美味しいーーっ!」


 郁巳、綾の賛美に舞羽はお味噌汁をすすりながら顔を赤らめていた。


 「うほっ!久しぶりのご飯、美味しいーーっ!」


 綾が足をばたつかせながら喜ぶ。


 「おい、綾。足をばたつかせるな。でも、うん、久しぶりのご飯は美味しいな」


 味を噛み締めながら郁巳が頷く。


 「………」


 「おい舞羽、何黙ってるんだよ!今日のMVP」


 「うー、うっさい!照れてるんだよ!悪いか!」


 さすがに誉め称えられすぎて照れリミッターがきれた舞羽が叫んだ。


 「うんや別に。ただありがとうな舞羽」


 はにかみながら感謝を述べる郁巳に舞羽はトマトの様な顔を合わせることが出来なかった。

 舞羽絶賛!舞羽救世主!

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