プチ旅行「ちょっと隣の県の博多まで行ってくる」
博多へ行く当日。郁巳達の行動は慌ただしもなく…
「ほら先輩、早く早く」
博多に行く朝から菓愛莉が郁巳の服を引っ張っていた。
「おう、ちょっと待ってくれ」
郁巳も満更でない顔で一緒に歩いて行った。
「元気だね~。これが青春か~…ふっ」
「朝からなーに黄昏てんだハッカ」
「うおっ!びっくりした~。何だ先輩か~」
「何だとは何だ。ほらハッカ、早くしろ。菓愛莉も待ってるんだ」
「せんぱーい、ハッカ~。早く早く~」
「ほら、な」
「はあ…ていうかせんぱいは後輩より恋人と一緒にいましょうね!」
「痛っ!分かった!分かったから叩くなって!」
「ほらほら、行った行った!」
「分かったって。だからハッカも早く付いてくるだぞ」
そう言って郁巳は菓愛莉の元へ急いだ。
「はあ…全く先輩は……いいな~。青春して~…」
八花は少し曇った空を見上げて呟いた。
「ハッカ~!早くしないと置いてっちゃうよ~!」
「分かった!分かったからそんなに急かさないでよ大バカエリ!」
「ひっどーい!じゃあ私と先輩で愛の逃避行にでちゃうよ~!」
「まだ時間あるでしょうが~!…あはは」
八花はそう言って菓愛莉達の元へ急いだ。そして…
「ちょっと早く駅に着いちゃいましたね」
「うーん、まあチケットもさっき取ったし、問題はこのもて余した時間をどう消費するかという事になるか…」
「先輩、菓愛莉。とりあえずお茶しません?」
「「さんせーい」」
そうして三人でお茶を飲むこととなった。
「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりですか?」
定員がカウンターで郁巳達を迎えた。
「あ、はい。えーとアイスカフェラテで」
「私はチャイラテで」
「俺はアイスコーヒーで」
「コーヒーの方はミルクとシロップは御必要ですか?」
「あ、ブラックでお願いします」
「先輩おっとなー」
「おっとなー」
「うっさい」
「くすっ」
定員が郁巳達のやり取りを見て微笑んだ。
「あ、ごめんなさい。仲がよろしいのですね」
「あ、はい」
郁巳が少し照れた様子で言った。
「この二人、昨日から付き合い始めたんです」
「あら、おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます」
「ございます」
郁巳と菓愛莉が照れながら応えた。そうしてる間にカフェラテ、チャイラテ、コーヒーが出来た。
「お待たせ致しました。ではごゆっくり」
「ありがとうございます」
郁巳がそう言って受け取りガラス張りの店内で丁度改札が見える席に座った。
「とりあえず、これで時間は潰せるな」
「ですね」
「まあ後三十分はあるからゆっくりね」
そうして三人は改札を抜ける人たちを時々見ながらゆっくりと時間を潰した。
「あ、そろそろ時間だ~」
菓愛莉が時計を見て言った。
「そうだな。そろそろ行くか」
「「はーい」」
郁巳達は席を立ち店を出た。
「あ、もう列車来てるみたい。早く早く~」
階段を先に上がる菓愛莉が後をついていく郁巳達にそう言った。
「落ち着けって。まだ時間じゃないから大丈夫だって」
郁巳はそう言って菓愛莉の後を追った。ホームに着くと菓愛莉が言った様に列車が既に停車していた。
「え~っと、2号車の2のB、C、Dだから…ここか」
「私窓側のD~」
菓愛莉がサッと窓側の席を取った。
「あ、ずるい。まあ私には2のBしか選択肢はないのだけど」
八花はそう言って通路を挟んだ2のBに座った。
「じゃあ俺は2のCか」
そうしていたら列車の出発の時間となった。
「先輩、そういえば博多までどの位かかりますか?」
菓愛莉がちょっとした疑問を郁巳に投げ掛けた。
「え~っと確か約二時間位だったかな」
「じゃあ二時間何します?」
「うーん…ハッカはどう?」
「おっと先輩、全振りですね。そうですね…まあ音楽聴いたり小説読んだりしますね」
「おおお、強者がいる…。ねえハッカさんや」
「何ですか郁巳さんや」
「酔わない?」
「酔わない」
「ああ、ハッカ昔っから酔わない体質なんです」
「すごいな…」
「ふふん、まあ特に得しない特技ですけど」
「はいハッカのドヤ顔いただきました~」
「どや~」
「ぷ、ふふっ」
「ふふっ」
八花のドヤ顔に郁巳と菓愛莉は笑ったのだった。
まったり進む郁巳達のプチ旅行。




