表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
126/295

泣いて笑う。明日からの為に

 舞羽家へ集まる四人。でも舞羽とまりもはさっきの今で傷が完全に癒える事がなく…

 「大丈夫?落ち着いた?」


 綾はさっきまで自分の腕の中で泣き崩れていたまりもに優しく声をかけた。


 「…うん…ありがとう……」


 「うん、ならよかった」


 「…うん……」


 「はいはーい、お取り込み中悪いんだけど、もうそろそろ悠季ちゃん家へ行こうか。多分一人で今にも泣きそうだろうから」


 和がパンパンと手を打って意識を自分に向けた。


 「あ、あー………戻りましょう」


 綾は舞羽の事を思い出してあちゃーとおでこに手を当てた。


 「じゃあ少し早足かな?大丈夫まっちゃん?」


 「…はい」


 「うん、じゃあ…はい、これあーちんの分」


 「ふおっ!い、意外に重い…」


 和はまりもが手に持っていた袋を綾に手渡した。


 「じゃあ行こうか。はい、少し早足~」


 「…はい!」


 「ちょ、ちょっと待ってよ~!二人とも早いって!」


 そうして三人は舞羽家への帰途へ着いた。


 そして三人は舞羽家へ着いた。綾は借りているスペアキーで玄関を開けて中へ入っていった。


 「ただいま戻りました~」


 「「おじゃましまーす」」


 シーン………


 「あれ?舞羽せんぱーい」


 「多分部屋だよ。悠季ちゃん、一人の時だと思い出して臥せってるだろうから。私達は先にジュースとかを冷蔵庫に入れとこう。入らないならクーラーボックスに入れとこう。多分悠季ちゃんの事だからクーラーボックス用意してると思うよ」


 「はーい」


 「………」


 まりもは何も言わないでただただ舞羽がいるであろう方向の部屋を見つめた。


 それから三十分後。


 「もうそろそろ悠季ちゃん起こすか」


 「あ、じゃあ私行きます」


 綾がスクっと立ち上がった。


 「いや、ここは私が行くよ。ん~っと」


 和がよいしょと立ち上がり背中を伸ばした。


 「じゃああーちんとまっちゃんはお皿とか用意してもらえるかな?そこの棚のお皿とかで問題ないから。後はタレは冷蔵庫の中、粗塩はあっちの棚の中。それから…」


 「もういいですって和先輩。後はこちらで用意しときます」


 「あ、そう?ならお願いね」


 そうして和は舞羽の部屋へ行った。


 コンコン


 和は舞羽の部屋をノックしたが反応が返ってこなかった。


 カチャ


 「失礼しまーす…」


 和は物音を立てない様に舞羽の部屋へ入った。そこにはベッドで静かに寝息を立てている舞羽がいた。目尻には少し光る雫が見えた。


 「…やっぱり姫は泣いていたか~」


 和は舞羽の側に座り目尻の雫を人差し指の背ですくった。


 「ん…ん~………あれ?」


 「あ、起きた?」


 「…和…先輩…。私、寝てた…?」


 「うん、それはぐっすりと」


 「ああ…すみません…」


 「うん」


 「……私、フラれちゃったんですね…」


 「………」


 「あはは、仕方ないんです。いくみんの気持ちに気づけなかったのも悪いですし、異変があった時に直ぐに行かなかったのも自分自身の責任ですし…」


 「………」


 「…先輩、少し胸、お借りしてもよろしいですか…?」


 「…うん」


 そう言ってぽすっと和の胸に顔を埋めた舞羽。そして少しずつ嗚咽が漏れていった。そしてその声が綾やまりもにも聞こえてまりもは涙をポロポロと流しながら震えて綾はそんなまりもを抱き締めたのだった。


 十五分後…


 「あ、まりもちゃんこんばんは~」


 舞羽が何事もなかった様に振る舞いながら綾とまりもの所へ出ていった。しかし舞羽の目元は赤く腫れていた。


 「…こんばんは」


 まりもはただ一言そう言って舞羽を見つめた。まりもも舞羽と同じ様に目元が腫れていた。


 「あー、取りあえずご飯の用意はしときました。ご飯も混ぜときました」


 「あ、ありがとう~」


 「ほい、お二人さん。水で冷やした濡れタオル~」


 和は濡れタオルを舞羽とまりもに手渡した。


 「あ、やっぱり腫れてます?」


 舞羽は恥ずかしそうに目元を押さえた。


 「うん、だから少し目元を冷やしなよ」


 「うう…じゃあ少しだけ」


 「…かたじけない」


 「あはは、いいって」


 「じゃあ和先輩、私達はどうしましょうか?」


 「ん~、取りあえずお肉溶けてるか確認してみようか」


 「はーい」


 そうして和と綾はキッチンへ行った。残された舞羽とまりもはソファーに座り濡れタオルを目元に置いて冷やした。


 「ああー、冷たい」


 「…ですね」


 「………」


 「………」


 「…ねえまりもちゃん」


 「…はい?」


 「…私達、大丈夫だよね?」


 「…大丈夫です」


 「…これからもいくみん達と一緒に遊べるよね?」


 「…もちろんです。むしろ遊んでくれないのなら既成事実でも作っちゃいますよ」


 「あはは、それは怖いね~」


 「…まあ郁巳先輩が元に戻ってもらえるのなら全く問題ないですけど」


 「…だね~」


 「………」


 「………」


 「…舞羽先輩は…」


 「ん?」


 「…舞羽先輩はこの後どうするんですか?」


 「ん~、取りあえずこの後がっつり食べる。それから考える!かな?」


 「…ぷ、ふふふ…」


 「…ふふ…」


 「…あはははは…」


 「ふふ…あははははっ!」


 「「はー、あーははははっ!」」


 それから二人は暫く笑いが収まらなかった。

 悲しくて泣くのか、泣くから悲しいのか…。でも分かってる事は気持ちの整理をするためにいまは泣くということ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ