双子の姉妹
パジャマパーティー開始。だけど郁巳にはやはり菓愛莉と八花がいつも二人一緒にいることが気になり聞いてみると…
「さてと、食べ物用意したし始めますか。あ、先輩は何が良いですか飲み物?」
菓愛莉がすかさず郁巳に飲み物を聞いてきた。
「あ、じゃあお茶で」
「はーい。ついでにハッカは何が良いの?」
「あたしゃついでかい。サイダーでお願い。あんたは何が良いの菓愛莉」
「ん~、…じゃあ私もサイダーで」
「はいよ」
そう言って郁巳のコップにお茶を注いでる間に八花が菓愛莉のコップにサイダーを、そしてお互い注ぎ終わると菓愛莉は八花からサイダーのペットボトルをもらい八花のコップに注いだ。
「じゃあ先ずは乾杯しましょうか。じゃあ」
「「「かんぱーい」」」
三人は乾杯して各々が飲み物を飲んだ。
「あ、ハッカ」
「はいはい、ポテチでしょ」
「うん、ありがとハッカ。よいしょっと。はいハッカ」
「ありがと菓愛莉」
八花は菓愛莉にポテチの袋を渡すと菓愛莉が袋を開けて八花に向けた。そして八花がポテチを取ってから菓愛莉がポテチを取り口に入れた。
「………」
「ん?どうしましたか先輩?」
郁巳が無言で菓愛莉と八花を見つめていた。
「あ、いや…そう言えばさっき『なんでいつも二人一緒にいるか』も話すって言ってたけど、何て言うか、仲か良いな~って言うか阿吽の呼吸って言うか……」
「?………ぷっ」
八花は暫し固まったが直ぐに吹き出した。
「先輩、そりゃ生まれてからずっと一緒にいるんですから仲良いですよ~」
菓愛莉が面白そうに言った。
「え?生まれてからずっと一緒って…」
「私達」
「同じ生年月日」
「十二月十二日生まれ」
「「です」」
菓愛莉と八花が阿吽の呼吸で郁巳に言った。
「更に言うと同じ病院で生まれて隣どうしのベッドだったらしいです」
「まさに」
「二人で一人」
「みたいな感じだよね~」
菓愛莉と八花がお互いに声を掛け合った。
「でも菓愛莉に先に彼氏が出来たけどね~」
「はーはっはっは。悔しいかハッカよ、ええ、悔しいか~」
「…一発殴らせて」
「ああ、ちょっと!痛い!何発も殴らないで~」
そう言いながらも八花は軽くぽかぽかと叩き、菓愛莉はそれを笑いながら抵抗しなかった。
「ったく…ああ、先輩。ごめんなさい、おいてけぼりにして」
八花が少し申し訳なさそうにクスッと微笑んだ。
「そうだよハッカ。先輩おいてけぼりだったよ~。ああ、また叩かないで~」
「いや~、何て言うか…本当に仲良いな」
「ふふ、まあ先輩も綾ちゃんと仲良いじゃないですか」
「ん?あれ位普通じゃないのか兄妹だし」
「おおっと先輩らしい返答頂きました~」
「ん、違うのか?」
「この歳で仲が悪い兄妹とすごく仲が良い兄妹がいるんですよ。先輩達はもちろん後者です。そしてそこには禁断の恋が~」
「ないない」
八花の意味深な言葉に郁巳があっさりと否定した。
「ありゃ、無いんですか先輩?」
「むしろあってほしいか彼女よ」
「それはイヤです」
「素直でよろしい」
「あはは、まあ先輩達はお互いに干渉はしないみたいなので特に何かあるみたいな事はないでしょうしね」
「そう言う菓愛莉達はどうなんだ。お互い」
郁巳の言葉にお互い見つめ合う菓愛莉と八花。
「…二人とも干渉はしない…かな」
「ええ、今回も菓愛莉が先輩の家に居着いてるのは知らなかったし…」
「でもドキドキ電話してたよな」
「ええ、あの元気が取り柄の菓愛莉が休むなんてって思ってたから」
「まあハッカには全部お見通しだったみたいだけど」
「あら、そんな事ないわよ。菓愛莉から言われるまで確信はなかったもの」
「でも薄々は気付いていたと?」
「ええ。まあそうなるわね」
八花はそう言ってサイダーを一口飲んだ。
「まあ郁巳先輩が学校を休み始めてから菓愛莉が休み始めた。…勘が良いと察しますね」
「「おお…」」
「な、何ですか二人してそんなに目を輝かせて…!」
「いや~、それでも問いたださないハッカの」
「優しさに今、触れた…」
今度は菓愛莉と郁巳が阿吽の呼吸で八花を褒めた。
「!?そ、そんな事ないわよ…ンッ!ゲホッゲホッ!!」
八花は照れてサイダーを一気に飲み干した。が、炭酸が喉を刺激して蒸せて咳き込んだ。
「ほらほらハッカ」
そう言って八花の背中を擦る菓愛莉。郁巳はそこに双子の姉妹を見たのだった。
菓愛莉と八花は双子同然。




