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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
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先輩と後輩のパジャマパーティー

 リビングにいた郁巳はお風呂から上がった八花に声をかけられた。菓愛莉はと言うと…

 「先輩、お風呂いただきました~」


 八花がリビングへ戻って来た。


 「お、おう…」


 「?どうしたんですか先輩?そわそわして~」


 「い、いや…」


 「あ、分かりました。こーんな可愛い子達が家にいるからドキドキしているんでしょう~」


 「お、おう…」


 「…あ、菓愛莉」


 「ドキッ!」


 「あははっ!先輩分かりやすすぎ~」


 「は、ハッカ!!」


 「菓愛莉ならお風呂上がってから直ぐに二階へ向かいましたよ」


 「お、おう…」


 「…そう言えば先輩、さっき菓愛莉がお風呂に入った直後から顔が赤かったのですが…何かありましたか?」


 「ソ、ソンナノナイヨー」


 「先輩、声が片言ですよ」


 「ソ、ソンナコトナイヨー」


 「…はぁ、まあ良いです。大方菓愛莉が墓穴掘って逆ギレして手にしてた物を投げてそれがたまたま下着だっただけでしょうから」


 「何でそんなこと分かるの!?」


 「あ、やっぱり正解でしたか」


 「かまかけたの?」


 「正解。まあ菓愛莉の行動は単純ですから。煽てたり照れさせておけば大体収まります」


 「そ、そうか…」


 「まあ逆に暴走する事もありますけど」


 「あ、当てにならねー」


 「まあ大体七:三位ですかね。大丈夫。問題ないですよ。その為の私が今日いるんですから」


 「お、おう…」


 「じゃあ私達も二階へ向かいましょうか。菓愛莉が待ってますよ王子様」


 「ハッカさ~ん」


 「はいはい王子様を王女様から守る為に私ナイトがいるのでご安心を。先輩の貞操は必ず守ります」


 「は、ハッカ様~」


 「じゃあ先輩、お手をどうぞ」


 「は、はい…」


 そうして八花は郁巳の手を取ろうとしたが、


 「あらあら、そんな事したら菓愛莉泣いちゃうわね~」


 「「!?」」


 完全に存在を消していた真海が声をかけてきた。そして郁巳達二人はお互いの状況を飲み込んだ。


 「そ、そうですよね!こんな事してたら菓愛莉が何をしでかすか分からないわ!」


 「お、俺も初めて恋人が出来たのにその日に違う女の子の手に触れるなんてそんなこと………」


 「………」


 「………」


 お互いに固まってしまった。


 「あらあら、とりあえず二階へ行ったらどうかしら?菓愛莉ちゃんが待ってるはずよ」


 「そ、そうですね!ささ、先輩!菓愛莉の所向かいましょう!」


 「お、おう!」


 そうして郁巳達はそそくさと二階へと向かった。先に八花が郁巳の部屋の扉を開けようとしたのだが、


 「(ふすー、ふすー、くはー!先輩のにおい先輩のにおい先輩のにーおーいー!)」


 中からとんでもない声が漏れてきていた。


 「…先輩、ちょ~っと待っててくれませんか?ええ、直ぐに戻りますから」


 「お、おう…。その…お願いします」


 「はい。では」


 ガチャ


 「ちょっとバカエリ!廊下まで声漏れてるんだけど!」


 バタンッ


 「(ええ!ちょっとハッカ!いきなり部屋に入ってこないでよっ!)」


 「(うっさい!それにここ先輩の部屋だから!早くベッドから出なさい!)」


 「(ええ~!先輩が来るまでもうちょっと~!)」


 「(郁巳先輩部屋の前にいるからっ!)」


 「(ええ~っ!!)」


 ドタッ、バタバタバタッ、ドンドンッ………


 カチャ


 「先輩、お待たせしました~」


 八しばらくして八花が何事もなかったかの様な振る舞いで扉を開けた。


 「おじゃましまーす」


 「あ!せ、せせせせ、先輩!すみません!先に上がってきてしまってー!」


 今日何度目かになる真っ赤な菓愛莉が正座して待っていた。


 「お、おうっ!」


 「うふふ、どうしたのかな~菓愛莉は~?」


 満面な笑みで菓愛莉を問いただす八花。


 「な、何にもない何にもない!」


 「だそうですね先輩」


 「お、おう…」


 「さ、先輩!そこに立ってないで座って下さい!ってここ先輩の部屋だったー!あはははは!」


 菓愛莉が一人でドタバタして郁巳はそれをただ呆然として見て八花はため息をついた。


 「じゃあ私はこっちに。先輩、どうぞこちらへ」


 「ちょっ!ハッカ!何であんたが私の隣なのー!郁巳先輩の隣が良い~!先輩、隣行っても良いですか~?」


 「…カエリさん」


 八花が冷徹な視線ではしゃぐ菓愛莉を見た。


 「あ、はい…。ハッカさんの隣で良いです。はい…」


 そうして菓愛莉、八花の対面に郁巳が座る形になった。


 「んで何話そうか?」


 郁巳が会話の切り替えを図った。


 「もう、先輩。先ずは言うことあるんじゃないですか?」


 菓愛莉が意地悪く言った。


 「そうですよ。先ずは言うことあるんじゃないですか先輩?」


 八花も同じ事を言った。


 「?…ああ。二人ともその寝間着可愛いね」


 郁巳が笑顔で言葉を返した。


 「「えへへ~」」


 菓愛莉も八花も照れながら笑った。


 「菓愛莉はクリーム色の生地にオレンジの大きいドットがいかにも菓愛莉らしいパジャマで、八花は少し紫がかって袖とかにフリルが付いててオシャレな…これ何ていうんだ?」


 「ワンピースですよ先輩」


 「そうそう、ワンピース。むっちゃ似合ってるよ」


 「えへへ~」


 「ありがとうございます先輩。百点満点です」


 「先輩の方は上下共揃えてのパジャマ。これはこれで…ハアハア」


 「こら菓愛莉」


 「いひゃひ」


 八花が興奮する菓愛莉の頬っぺたをつねり我に返す。


 「さてと、じゃあここで私達の話でもしましょうか」


 八花がパンッと手を叩き仕切り直した。


 「私達の話って?」


 「いやだな~。何で私とハッカがいつも一緒にいるかですよ~」


 「…おお、そういえばそれもそうだな」


 「では…の前に少しお菓子とか用意しましょうか」


 「あ、そしたら机の引き出しの中にたんまりお菓子が入ってるよ」


 郁巳がそう言って引き出しを開けた。が、中にはあるはずのお菓子がなかった。


 「ああ、先輩。それなら捨てましたよ。個包装とか取ってるのって長時間置いておくのって湿気るし怖いですから。なので私、下からお菓子取ってきます。ハッカ、飲み物お願い」


 「うん、分かった。じゃあ先輩、少しお待ち下さい」


 そう言って菓愛莉と八花は立ち上がり部屋から出ていった。


 「………」


 一人になった郁巳は先程菓愛莉が寝転がっていたであろうベッドをしばし見つめた。


 「………いかんいかん!…そうだ。飲み物重たいだろうしハッカの手伝いに行こう。うん、それが良い!」


 そう自分に言い聞かせて郁巳は部屋を出て行ったのだった。

 パジャマパーティー、同世代の姉か妹がいると特に反応に困らないのかな郁巳よ?

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