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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
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二人の関係

 夕食を一緒にとる一同。そして片付けをする菓愛莉と八花は何だかぎこちない雰囲気に…

 夜になり琴乃葉家ではいつもと違う面子での夕食となっていた。


 「八花ちゃん、いっぱい食べてね」


 「あ、はい。ありがとうございますおば様」


 「何で恋人との初めての夕食に外野がいるのよガツガツ」


 「まあまあ菓愛莉」


 「そうよ菓愛莉ちゃん。友達が一緒だからって恋人と一緒の夕食には変わりはないんだから」


 「それはそうですけどおば様~」


 「うふふ、まあでも今日は綾がいないし泊まる場所は困らないわね」


 「ですねおば様。あ、菓愛莉、そっちの白和え取って」


 「う~!はいっ!」


 「うん、ありがと」


 「あ、菓愛莉。ご飯おかわりいるか?注いでくるぞ」


 「あ、う~ん…じゃあお願いします先輩」


 「ほいよ」


 「この家の人を使うなんて、何て子なの」


 「ハッカうっさい」


 「ほい、ご飯おかわり」


 「ありがとうございます先輩」


 「うふふ、菓愛莉ちゃんはいっぱい食べるわね~。見てて気持ちいいわ~」


 「すみません菓愛莉が。この子こう見えて大食いなんです」


 「こう見えてなんてどういうことなのハッカ~!」


 「どうって…ふっ、それだけ食べるのにその身長だなんて…」


 「あんただって同じ位じゃん!」


 「私はそこまで食べませーん」


 「にゃにお~!」


 「やんのか菓愛莉~!」


 「あらあら、賑やかね~」


 そんな二人を見ながら真海は微笑んでいた。そんな中、郁巳は浮かない顔をしながらご飯を食べていた。いや口に入れて咀嚼してのみ込んでいた。


 やっぱり味がしない…


 皆が美味しく食べている物が自分は美味しいと感じない。そんな状況にいつまでこれが続くのかと美味しい食べれてない事への申し訳なさを思いながら口に入れていた。


 「………せーんぱい」


 「ん?」


 「ほいっ」


 ぱくっ


 口元も箸を差し出され思わず口を開けた郁巳。そして咀嚼しながら箸を差し出したのが菓愛莉だと気付いた。


 「先輩、美味しいですか?」


 「ん…美味しい……と思う…けど分からない。ごめん」


 「あ、いえいえ。ただ先輩が浮かない顔しながらご飯食べていたからちょっとイタズラ心が芽吹いてしまって~てへっ」


 菓愛莉は舌をチョロっとだして“やっちゃいました”感を出した。


 「ふふっ…」


 「もう、菓愛莉ったら…」


 そんな二人を真海と八花は少し笑いながら見つめた。そして楽しい夕食が終わり菓愛莉と八花が率先して片付けをした。


 「ごめんねハッカ。お皿洗いさせちゃって」


 「何言ってるのよ。ご飯を食べたら片付ける。これ、当たり前よ」


 「あはは、そうだね」


 そう言って無言になる二人。リビングでは真海がテレビを郁巳は先にお風呂に入っていた。


 「……何かネタはないの菓愛莉」


 「え~、いきなりそんなネタなんてないよ~」


 「ほら、家で一緒だとお風呂でドッキリハプニングとかあるでしょう?」


 「あー…それないわー。なかったよ」


 「ええ、あるでしょう。あんたがお風呂入ってる時に郁巳先輩が入ってきたとか逆に郁巳先輩のお風呂の時にうっかり覗いちゃったとか」


 「あー、綾ちゃんは一緒に入ったりはしたけど郁巳先輩は…その…全く、ね…」


 「あ、うん…何かごめん…」


 「う、ううん。全然問題ないよ~」


 そう言って再び無言になる二人。でも先程よりも空気が重たかった。


 「………」


 「………」


 ジャー


 カチャ、カチャ


 食器を洗う音と食器を拭いていく音だけが流れていった。時たまリビングからのテレビの音が聴こえてはいたが二人の耳にはそれが届かなかった。


 「…よし!菓愛莉、こっちは洗い終わったわよ。そっちは…」


 「…先輩が覗かないんならいっそ私が痴女としてでも覗いて既成事実を…ブツブツ」


 「ちょっと菓愛莉!あんた思ってること漏れてるわよ!」


 「はっ!」


 カシャーン!


 菓愛莉が我に返った瞬間に手が滑りお皿を落としてしまった。


 「ご、ごめん!」


 「いいって。それより気を付けなさいよ。こういう時こそ怪我するか…」


 「いたっ」


 八花が注意するように言った瞬間に菓愛莉が指を切ってしまった。


 「あーほら、ちょっと貸しなさい」


 「ご、ごめん…」


 「あ~、血が少し出てるわね…はむっ」


 そう言って八花は菓愛莉の指を咥えて血を止める様に吸った。


 「あ………」


 「…ほい、これで問題ないわよ」


 「あ、ありがとう。…でも…ね、ここ炊事場、そして目の前に…ね、水道が…ね…」


 「あ………」


 菓愛莉の指摘に八花の顔が一気に真っ赤になった。


 「あ、あの…かえり……」


 「お、落ち着いてハッカ。まだ破片散らばってるから」


 「あ、私………後やっておくから…あんた絆創膏貼ってきなさい」


 「あ、うん…」


 八花は逃げ出したい気持ちをぐっと堪えて菓愛莉に絆創膏を貼ってくる様に促した。


 「じゃあちょっと私行ってくるね。ハッカ、後お願いね」


 菓愛莉はそう言うと立ち上がりリビングへ行こうとしたが一度立ち止まり「ハッカ、ありがと」と言ってリビングへ行った。


 「………う~~~っ!」


 八花はうずくまりやっちまったオーラを醸し出していた。


 「やっちまった~~」


 八花は何だかんだ言っても親友を心配する子だった。


 「…はぁ、とりあえず破片、片付けるか…」


 そう呟いて破片を拾っていった。そして、


 「ハッカお待たせ。おば様に絆創膏貼ってもらったよ~」


 「ああ、おかえり。こっちも片付け終わったわよ」


 「ごめんね、食器割って。しかもその片付けまでしてもらって」


 「ううん。問題ないわよ。それより食器どこに片付けるのか私じゃ分からないからあんたにもやってもらっていい?」


 「あ、うん。そしたら教えていくね」


 「ありがとう。菓愛莉」


 「ううん、こちらこそありがとう。ハッカ」


  そう言って二人で片付けを済ませていった。

 菓愛莉と八花。どちらかと言えばお互いへの愛は八花>菓愛莉寄りです。

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