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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
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鈍感と敏感

 郁巳から皆にメッセージが。そしてその場にいない菓愛莉。それを見た舞羽とまりもは………。

 いーく:皆に話がある。

 放課後、俺の家に来てくれ。


 「いくみん………」


 舞羽は郁巳からの短いメッセージ受け取りとため息をついた。郁巳が登校拒否になった理由が自分にあると思っており、どう顔向けしたら良いか分からなく気が重かったからだ。


 「…はぁ~」


 再びため息をついた舞羽はLOneで和にメッセージを送った。


 まいまい:お疲れ様です

 いーくからのメッセージ見ましたか?…私が行っても大丈夫でしょうか?


 暫くして既読がつきメッセージが送られてきた。


 日本式さん:良いと思うよ

 お疲れ様。家庭料理部のグループLOneにいーく自身がメッセージくれたのだから皆に来て欲しいんだよ。問題ない✕2(・ω・)ノシ


 和から部室への部長として入室禁止にさせられてたが小まめにメッセージが着ていたのでやり取りは続いていた。ただ郁巳の事があり舞羽のいつもの元気良さとは打って変わって丁寧な口調でのやり取りとなっていた。


 まいまい:まりもっこさんも来るのでしょうか?


 日本式さん:来ると思うよ~

 まりもっこさんも今回の件不安で仕方なかったみたいだから。なんなら一度部室に集まってから行こうか。それの方がいーくにも負担が少ないと思うよ~。


 和からの提案に手が止まる舞羽。どうしよう、どうしよう。そう思いながらも時間が過ぎていった。そうしたらまりもから久しぶりにLOneにメッセージが届いた。


 まりもっこ:お久しぶりです

 日本式さんからいーく先輩の所に行くのに一度部室に集合してから行こうと言われました。まいまい先輩も来ますよね?


 舞羽はまりもから「貴女も逃げるなよ」と間接的に言われた気持ちになった。


 「………はぁ~~~」


 再三ため息をついて舞羽は意を決して二人にメッセージを送った。


 まいまい:分かりました

 では一旦部室に集まってから行こうと思います。よろしくお願い致します。


 そうメッセージを送ると舞羽は脱力し机に突っ伏した。


 「………はぁ…………」


 舞羽は今日何度目かのため息をついた。


 放課後になり舞羽は重い足取りで部室へ向かった。


 「あ、…舞羽………先輩」


 舞羽は自分を呼ばれた人の方を見た。そこにはボブで黒髪の女の子がいた。


 「…まりも…ちゃん………」


 「…はい………」


 舞羽は重い気持ちがより一層強まった。


 「………」


 「………」


 それはまりもも一緒だったらしくお互い目を逸らすと無言で立ち尽くした。


 「おーい、舞羽先輩、マーちゃん。こんな所に立っていると部室行けないんだけど~」


 「「!?」」


 舞羽とまりもは驚いて声のする方をバッと振り向いた。


 「…ハッカ………」


 「は~い、ハッカちゃんでーす」


 「あれ?いつもの連れの菓愛莉ちゃんは?」


 舞羽の指摘に八花はびくっと狼狽えた。


 「あ~、あのですね~………」


 「はいはい、話はここまで」


 パンパンと部室の方から手を叩く音がして振り向いたら和が立っていた。


 「それじゃあ、面子が揃ったからこのまま琴乃葉家に行きましょうか」


 和は有無言わさず三人の間を通って行った。


 「あ、和先輩。待って下さい」


 舞羽はそんな和を疑いもなく付いていった。


 「………」


 「ま、待って~」


 まりもは何かを察したのか無言で、八花は置いてきぼりを食らわない様に三人に付いていった。


 「久しぶりね悠季ちゃん。どう、元気してた?」


 和が隣を歩く舞羽に世間話を持ちかけた。


 「え!?え~っと、元気といえば元気なのですが正直元気ないです」


 「あはは、まあ仕方ないよね。あんな事しでかしたんだから」


 「ううう…あの時は本当に失礼しました」


 「ううん、まああれは成り行き上なのだろうね」


 「は、はい!成り行き上なんです!」


 「でも、それでその後その人を精神的に追い込んだのは人として…というか女の子としてどうかと思うよ」


 「はい…」


 「…せ、先輩!先輩だけが悪い訳ではなく私にも責任があります!だから…先輩だけが悪い訳じゃないです!」


 まりもが後ろから声をかけてきた。


 「…ありがとうまりもちゃん。でもまりもちゃんだけの責任でもないから。だからちゃんと謝ろうと思うの。あの時はごめんなさいって…」


 「舞羽先輩………はいっ!」


 舞羽の勇気にまりもも久しぶりの笑顔を見せた。


 「ところで菓愛莉ちゃんは?今日お休み?」


 「「!?」」


 舞羽の話の戻し方に凍りつく和と八花。


 「「あ~~」」


 言葉に詰まる和と八花。それを見て考えていた事が確信に変わりつつあるまりも。


 「…多分先に郁巳先輩の所に行ったのですねハッカ」


 「え!?あ、うん!そうよ!私の言葉も聞かないでさっさと行っちゃったの!全くカエリのくせに!」


 八花はむすっとした顔をつくりながら言った。それを見てまりもは少し俯いて言った。


 「そう…菓愛莉が………」


 「まりもちゃん?」


 舞羽はそんなまりもを不思議そうに見た。


 「さてと、話が長くなりそうだけど何かお見舞いの品買っていこうか。手ぶらで行くのは流石に失礼だから」


 和が流れる様に話を切り替えた。


 「じ、じゃあ私は菓愛莉の為にクッキー買ってきます!じゃあ一時間後に!ではっ!」


 八花がこの場を逃げる様に去って行った。


 「…はあ、じゃあ私は紅茶でも買ってきますね」


 まりもは腹をくくり見舞いらしい品を選びに去って行った。


 「?どうしたんでしょうねハッカちゃんにまりもちゃん」


 「あはは、どうしたんだろうね~」


 舞羽の鈍感さに呆れを通り越して笑ってしまう和。


 「じゃあ、私達は一緒に何か少し良い物…そうだね、ケーキなんかどうだろう?八人分」


 「あはは、じゃあいくみんに美味しいケーキ食べてもらって元気出してもらおうっと」


 「そうだね~」


 「もう!なんなんです和先輩!」


 「うんうん、もうそのままの悠季ちゃんでいて。悠季ちゃん、ケーキ何がいい?」


 「え?うーんと……チーズケーキ!」


 「よしよし、じゃあ美味しいチーズケーキ屋さんに行こうか」


 「はいっ!」


 和は孫を見守る祖父の様な気持ちになりながら孫の様な舞羽と一緒にケーキ屋へ歩いて行った。

 どこかで分かっていたまりも、どこか分かってない舞羽。どちらとも待ち受ける返事にどう応えるのか。

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