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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
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迷う、だが泣き言は言わず。皆の支えがあるから

 慣れないながらも手作りご飯を作る菓愛莉。でも郁巳の食欲は…

 「郁巳先輩、大丈夫ですか?」


 「…ああ、ありがとう菓愛莉。美味しいよ」


 「郁巳先輩………」


 菓愛莉は郁巳の体重が落ちた気がした。体付きが明らかに前より細くなっているからだった。


 「…じゃあ郁巳先輩、何かあったらスマホでも良いので呼んで下さいね。私、一階にいますから」


 「ああ…」


 「………じゃあ」


 パタン


 「………郁巳先輩………」


 菓愛莉はうどんを入れて行ったが半分以上残った形で今お盆の上に置いていた。


 「…あ、菓愛莉ちゃん。郁巳どうだった?」


 母親が心配そうに菓愛莉に聞いた。


 「あはは、半分以上残っちゃいました…」


 「そう………仕方ないわね」


 「あはははは…」


 「菓愛莉ちゃん、食欲ある?家で住んでいる菓愛莉ちゃんまで倒れられると菓愛莉ちゃんのお母さんに申し訳ないわ」


 「あ、心配なく。私は元気です。ほら、こんなに!」


 菓愛莉は元気より両腕にない力こぶを作る形をとった。


 「…そう、でもたまには外に出掛けてね。」


 「あ、はい!ありがとうございます!」


 菓愛莉は元気よくお辞儀をした。


 「じゃあご飯にしましょう。何が良いかしら」


 「あ、そしたらうどんで良いですか?」


 「…そう。そうね。じゃあ力うどんにしましょう。力が付くように。ね!」


 母親も食欲のない菓愛莉を元気づける為に元気よく言った。


 「じゃあ少し待っててね。今ご飯作るから」


 「あ、お母様。私も作るの手伝います」


 「え、でも…」


 「あはは、何か作ってないと落ち着かなくて…ダメですね。こんなんじゃ郁巳先輩を元気づけられないや…」


 ピロン


 菓愛莉のスマホが鳴った。


 「あ、すみません」


 「ううん、いいのよ。じゃあ、先に作り始めるわね。と言っても冷凍うどん茹でてお餅焼くだけだけど。ふふっ」


 そう言って母親はキッチンへ姿を消した。


 「………ありがとうございます」


 菓愛莉はキッチンへ消えた母親に一礼をするとスマホの画面を見た。


 「…ぷっ」


 そこにはみんなからのメッセージと綾と八花の戦隊ものの様なポーズを取った画像が送られてきていた。


 ハスカップ:これで元気だしなさい!

 あんたが元気ないと郁巳先輩まで調子良くならないのよ!だからあんたが元気がないなら私達が元気を分けてあげるわ!だから元気だしなさい!これは友達としての命令だからね!


 あやーん:大丈夫かーい(*っ´Д)っ

 無理しないでね~。かいかいはこれって決めると無理する傾向があるから無理しないで。多分無理すると肉兄も嬉しくないと思うよ。たまには息抜きもしてね。息抜きするなら私も八花も一緒に動くから。だから自分を大切に。ね

o(・∀・`o)


 日本式さん:体調どう?

 お疲れ様です。こっちはいつも通りです。そちらはどうでしょうか?ちゃんとご飯食べてますか?何か食べたいのがあったら今度は作ってきましょうか?あ、でもおば様がいるから問題ないのか。ううう、それじゃあ部長としては~。はっ!それじゃあ部長権限として部員の面白い画像を送ろう。これを見て楽しんでくれ!

アデュー( 。゜Д゜。)b


 「ぷぷっ、もう皆心配しすぎー」


 菓愛莉は画像を見ながら涙を流していた。


 「私が頑張らないと…私が頑張らないと」


 「こら菓愛莉ちゃん」


 「あ、お母様…」


 「はい、力うどん。温かいうちに食べよう」


 「…はい!」


 菓愛莉は涙を拭いながら力うどんをすすったのだった。

 心が病んでいる郁巳、それを献身的に支える菓愛莉も病み始めた。でも一人じゃない。大丈夫。

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