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不器用すぎる恋のレシピ ~料理スキルゼロから始まる彼女たちとの恋愛ストーリー~  作者: 睡眠の精霊ぽち。
第五章「掃除をしましょう そうしましょう」
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ただただ甘い飲み物

 新入部員歓迎会を始めた家庭料理部。しかしどうしても友達以上になった三人が騒動を撒き散らす!

 「では、新入部員歓迎会を始めたいと思いまーす」


 「「「「「「わー」」」」」」


 「では、今日の主催の私から…は無しにしてこの場所の提供者の琴乃葉家の主から一言お願い致します」


 「え~、琴乃葉郁巳、綾の母親でございます。この度は「祝・朴念仁郁巳、友達以上恋人未満出来る!しかも一度に二人!?」にお越し頂きまして誠にありがとうございます。息子郁巳も十八歳を迎える前にちょっと大人になりました」


 「ねえねえ、ちなみにいくみんって誕生日いつ?ねえいつなの?」


 「え?六月五日だけど…」


 「えー!!」「…!?!?」


 「何でそんなに驚いているんだ?」


 「だって六月五日ってもうすぐじゃん!」


 「そ、そうだな…」


 「…先輩…」


 「い、痛い!まりもさん、頬っぺたつねらないで!」


 「「「「あ~」」」」


 「郁巳、舞羽ちゃ…いいえ、悠季ちゃんとまりもちゃんに誕生日の事言ってなかったの?」


 母親が郁巳に問いただした。


 「え…はい、伝えてない…です…痛たたた!ゆうひひゃんまでぇふぉっへたふねらふぁいれ~!」


 「これは…和裁判長、判決を!」


 「有罪」


 「正座」


 「…折檻」


 「ゆうひひゃん、まひもひゃん!」


 「ゆうきさん、まりもちゃん。ね~…。舞羽裁判長、まりも裁判長、判決を!」


 「「有罪」」


 「ひゃんで!」


 「ゆ・う・き」


 「…ま・り・も。はい郁巳先輩」


 ぱっ、と舞羽とまりもが郁巳の頬を引っ張るのをやめる。


 「う…ゆうき…まりも…」


 「うん!」


 「…はい」


 三人が甘い空間を作り出す。


 「あ~…お三方、続きいいかしら~」


 母親が遠慮がちに三人に言う。


 「「「!?」」」


 「あはは…まあ三人共、出来立てほやほやだから…」


 綾がむっちゃ苦笑しながら言った。


 「あー、あつあつ…というか甘々だね~。んくんく…」


 「菓愛莉、ジュース飲むのまだ早い…けど私も飲も」


 「おば様、新入部員が呆れてきているので手短に乾杯の音頭をお願いします」


 和が苦笑いをながら母親に言った。


 「あー、そうね。まあ三人の新たな門出に…乾杯!」


 「「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」」


 「って私達の歓迎会はっ!?」


 「あら、じゃあ二人の新たな門出に」


 「「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」」


 八人が乾杯をしてそれぞれが素麺をつついた。


 「ハッカ!それ私が取ろうとしてた赤麺!」


 「ん?…ずずずずずー…ん、美味しい」


 「ハッカ~!」


 「はいはい、まだ麺があるから問題ないわよ~」


 「はい!おば様!」


 「あ、いくみん。そっちの海苔取って~」


 「ん、ほいゆうき。海苔」


 「うん、ありがといくみん」


 「…郁巳先輩、そっちの玉子とって」


 「ん、ほいまりも。錦糸玉子」


 「…ありがとうございます」


 「おやおや~、気のせいか素麺が甘い気がする~」


 菓愛莉が三人の甘々ぶりをみてニマニマと笑った。


 「大バカエリさん、それは素麺の汁が薄くなってるからだよ」


 八花がスルーツッコミを入れた。


 「あ、本当だ~。ねえハッカ、そっちの汁取って~」


 「自分で取れ」


 「ひどい!ねえ綾ちゃん、うちのハッカがひどいの~」


 「ん?ずずずずずー…。ごくん。…うーん、いつも通りでは?」


 「………おお。いつも通りだ」


 「なら問題ないじゃん。あ、ハッカ、そっちの汁取って」


 「ん?ほい綾ちゃん」


 「ん、ありがと」


 「ハッカ~!」


 一年生ズは一年生ズでわちゃわちゃしていた。そんな二グループを見て


 「いや~、何というか…ずずずずずー」


 「若いわね~ずずずずずー」


 和と母親が年上臭く素麺をずずずずずーとすすった。


 「あ、そう言えば夕食が素麺だからあーん出来ないよね肉兄」


 「ちょ!?何言ってる綾さん!?」


 「お、そう言えばそうだね~。どうするどう?」


 「ここはやっぱりなしに…」


 「よし!部長権限で食後のゲームであーん大会をしよう!」


 「「「「「おー」」」」」


 「おー、じゃない!何か俺だけ針のむしろじゃん!」


 「あらあらいいじゃない郁巳。モテ期で」


 「良くない!!」


 「「「「「「いいじゃ~ん」」」」」」


 「お前らいいんかい!!」


 「えー、私は肉兄だから問題なし」


 「ぼ、ボクは友達以上だからいいんだもん!」


 「…わ、私は先輩の事す、好きだから。も、問題…ない…ぷしゅ~」


 「あーあ、まりもちゃんのぼせちゃった~。まあ私は前にした事あるからモーマンタイ」


 「んー、私は…面白そうだから」


 「ちょっと何言ってるハッキリさん」


 「ん?私も面白そうだからだよいくみん」


 「和先輩まで…はぁ~~~…」


 「いくみん、ため息つくと幸せが逃げるって言うよ。ま、まあボクが幸せにしてみせるけど…」


 「悠季…」


 「…ま、舞羽先輩…そ、その役目は…先輩だけではない…です…!」


 「おお、まりもちゃんが復活した」


 「…わ、私だって…郁巳せ、先輩を…幸せに……きゅ~~」


 「あ、またのぼせた」


 「あの時あれだけスゴい事したのにこんな事でのぼせるなんて」


 「ちょっ!何言ってるの悠季さん!!」


 「ちょっ!…舞羽先輩!?」


 「あ、復活した」


 「悠季ちゃんスゴい事って何~」


 「和先輩、それはですね…」


 「わー!わー!わー!」


 「ふふ、言わないよまりもちゃん」


 「あーら、残念」


 「………」


 「あ、ちょっ!まりもちゃん!そんな泣きそうな顔してこっち睨まないで!良心が!良心が痛い!」


 「まあまあまりも」


 「…郁巳先輩はどっちの味方ですか…?」


 「え!?」


 「「「「ほほーう」」」」


 まりもの泣きそうな膨れっ面の上目遣いに傍観者の綾、和、菓愛莉、八花がニマニマとしながら静観した。


 「え!?…あ!………え~っと…」


 「…ううっ………」


 「あー!あー!もちろん!もちろんまりもの味方だから!だから泣かないで!」


 「…本当に?」


 「本当!だから、ね!」


 「…はいっ!」


 「おお、泣きそうな顔から好きな人の一言で満面の笑みに。まりもちゃん、恐ろしい子…!」


 「全ては菓愛莉のあーんから始まったんだから真の恐ろしい子は菓愛莉だと思うけど」


 「何か言ったかしらハッカ?」


 「うんや、何にも。ずずずずずー」


 「ハッカ、ジュース飲むのにずずずずずーは下品」


 「失礼、素麺食べてると思ったから」


 「自分の事なのに何て言う子。ずずずずずー」


 「菓愛莉、ジュース飲むのにずずずずずーは下品」


 「あ、ごめん。何故かここでこうしないといけないと神の意思が」


 「なんじゃそりゃ」


 「さてと、じゃあご飯食べて片付け終わってからゲームするよ~まあ王様的ゲーム」


 「「「「「「王様ゲーム!?」」」」」」


 「あらあら、大人的なのはダメよ~」


 「あ、おば様問題ないです。くじで王様を決めて更に王様がくじをひいて何番の人に何を食べさせる。ですから」


 「あら。なら問題ないわね~」


 「問題あるわー!!やっぱり俺だけ針のむしろーーー!!」


 夕食時、鶏群の一鶴の郁巳の叫びが木霊した。

 ここに出てきてない洋先生は残業でこの場にいません。というのは建前で生徒達だけで楽しんでもらいたいという大人心です。

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