『罪重ね』
一通り事が終わり再び普通になると思ったが…そうは問屋が下ろさない!!
「さてと、じゃあ新入部員も入ったことだし、歓迎会やろっか」
「「「「「「わー」」」」」」
「和先輩、私達の時にはしなかったのにね」
「綾、ちょっと黙ってようか」
綾の素直なツッコミに郁巳が制した。
「で、どこでするんですか?何をするんですか?ポテチ何袋までですか?」
「菓愛莉もちょっと黙ろうか」
八花が菓愛莉を制した。
「で菓愛莉ほどじゃないですけど、どこでするんですか?やはり部室でですか?」
「ふふふ、そこは、ほら、ね」
「「あ」」
和の含みのある言葉に郁巳と舞羽が察した。
「?どゆこと?」
綾が不思議そうに首を傾けた。
「あー、あれだ。夕食会を兼ねて琴乃葉家でしようと。そういう事ですよね和先輩」
「あは、あはははは。…琴乃葉兄、正解!」
「正解じゃないですよ!お母様にも了承取ってないのに!」
「「お母様?」」
「そこはスルーして。多分追々話す時があると思うから」
舞羽が新入部員二人に今はスルー力を持つように諭した。
「あ、おば様には了承取ってるよ~。LOneにメッセージ着てるよ~。ほら」
「「え」」
和のスマホに母親からLOneでメッセージが着ていた。
『今日来ても大丈夫な様に片付けをしとくね~。夕食は人が多いから素麺にしとくね♪あ、息子の話、帰ってから聞くわ』
「これ夫婦の会話ーーー!!」
「いやん」
郁巳の心からの悲鳴も和がスルーしていく。
「んで、会場はおさえた。後はお菓子と飲み物だね」
「…菓愛莉、何気にスルー力がすごい」
「え、そう?」
まりもが呆れと感嘆を交差させながら菓愛莉に言った。
「じゃあ飲み物はこの前より多めで。あ、念の為に着替えも用意しておいた方が良いと思うよ」
「泊まる気ですか!?」
「お、いくみん。何気に照れてる?」
「う、うっさいぞ舞羽!」
「あ、ボクの事まだ舞羽って呼ぶんだ~。出来たら悠季って名前で呼んでほしいな~」
「ほしいな~」
「「「「ほしいな~」」」」
「…あーもう!分かったよ!」
「じゃあ名前で呼んでみて。悠季って、ね」
「う………ゆ、悠季………」
「!うん!ボク悠季だよ!」
「分かってるって。悠季悠季悠季!あーもうこれでいいか!」
「とまあ被告もこう言っているので判決を。悠季裁判長」
「無罪!」
「「「「「おー」」」」」
悠季裁判長の判決に女性陣一同が歓喜の声を上げた。
「良かったね悠季ちゃん」
「舞羽先輩、おめでとうございます!」
「何かこういうのこそばゆいねハッカ」
「あんたは普段何してるの、郁巳先輩にあーんをしたのに」
「「!?」」
「ん?普通じゃないの?あーんとかって」
「いや菓愛莉さん、本当はそれ普通じゃないから。ほら、現にあそこに俺を鬼の形相で睨むお二人を見てみなさい。ほら、今にも襲われそう」
「いーくーみーん~!!」
「………………」
「悠季さん、落ち着いて。そして今にも泣きそうな顔で睨まないでもらえるまりもちゃん。逆にツラい」
「…じゃあ私のことはまりもと呼び捨てにして下さい」
「え!?」
「ほら、まりも…と」
「いくみん」
「郁巳先輩」
「え……え~っと……ま、まりも」
「…!?………はいっ!」
「まりも裁判長!」
「…無罪!」
「「「「「おー」」」」」
今度はまりも裁判長により無罪が言い渡された。
「でも恋人でもない人にあーんなんて…」
「まりも裁判長、判決を!」
「…ギルティ!」
「「「「ギールティ!・ギールティ!」」」」
「ええー!不公平~!」
菓愛莉を断罪をしようとしたその時
「ヤッホーみんな~!集まってる~?」
洋が扉を開けた。
「「「「ギールティ!・ギールティ!」」」」
「な、何!?何が起きてるの!?」
突然の状況に困惑する洋。
「あ、初めまして先生。新たに入部した大田貫八花と」
「大庭菓愛莉です。よろしくお願いします!」
「あ、うん。よろしく。ってこの状況なんなの!?」
「あ、何か郁巳先輩無罪で私ギルティらしいです」
「大庭さん!何しれっと死ぬみたいな事言ってるの!?」
「和々先生、かくかくしかじかで…」
「…うん……うん。………いくみん、ギルティ」
「「「「ギールティ!・ギールティ!」」」」
洋の一言に綾、和、菓愛莉、八花が断罪を執行しようとした。
「ちょーっと待った~!」
「…だめ」
舞羽とまりもが四人の前に立ちはだかった。
「いくみんは渡さない!」
「…うんうん」
「ほほ~う、恋人未満のお二人はまだあーんもしてないけど。菓愛莉被告、いくみんにあーんをした時どうでした?」
「ほえ?私?…うーん、別に普通だった」
「と、菓愛莉被告は当たり前の様だったと訴えております」
「あーたーりーまーえ~~!」
「…郁巳先輩………!」
「「「「ギールティ!・ギールティ!」」」」
「………もうどうとでもしてくれ~!」
「ほほ~う。どうとでもしてもいいんだ~」
舞羽がにんまりと笑う。
「…なら私達にもあーんさせて下さい」
「ええっ!?」
「…だめ…なんですか?」
「う…だめ…じゃないです…」
「そう、ならあーんいち予約」
「…あーんに予約」
「あ、だったら私あーんさん予約~」
「綾ちゃん!?」
舞羽が驚きの声を上げる。
「あ、そしたら私もあーんよん予約で~」
「和先輩まで!?」
「あ、そしたらついでに私も~」
「…!?菓愛莉!?」
まりもも友人からの一言に驚きの声を上げた。
「あ、私もあーんごで」
「…ハッカまで!?」
「で、郁巳先輩はどうします?」
菓愛莉が悪い顔で質問する。
「ぐ………みんなにあーんをする…とか?」
「あ、それ採用!」
「ちょ!?悠季さん!?」
「あらいいわね、そしたら洋先生もあーんろくを…」
「「「「「「ギルティ」」」」」」
「酷い!!」
みんなの罪が重なっていった。
家庭料理部の部員が女性ばかりになってる今、郁巳の肩の狭さは…。そして上級生、下級生、同級生、そして年上のお姉さんからも弄られる。
アーカワイソウ(他人事)




