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俺の日常を教えてやろう  作者: 櫻井 島弥
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俺の勝ち方を教えてやろう

この世には天才、秀才という言葉が存在する。しかし、世間一般で使われる天才とは決して本物の天才ではない。

本物は生まれ持った絶対的才能を使い、普通なら出来ないようなことを難なくやってのける存在、それは並大抵の努力は元より死ぬほど努力したところで決して追いつくことの出来ない力。

秀才は凄い。本当の秀才ならば普通に戦えば勝つことは出来ないような、そんな凄い奴らで、でも、天より与えられた才能には叶わない、なぜならそれこそは本物だから。


それでも、()()は、そんな戦いから背を向けることは無い。



ふと、昔の思い出がフラッシュバックした。


我に帰れば目の前には何でかまたこの部屋を訪れた一番ケ瀬ゆみがいた。


対するは我が部きっての天才良樹宏太。


良樹に気があるのか知らないが何故かわざわざ良樹好みの格好をして再戦をしにきた一番ケ瀬だったのだが良樹が勝負を受けないために今は絶賛お怒りモードである。


「いや、だからこの髪型は偶然で、元々私はコンタクトなの、いいから早く勝負しなさい良樹ぃぃぃ」

と、若干見ていて楽しいようなツンデレ場面が繰り広げられている。

にしても、良樹も良樹だな、たかがチェスの一勝負くらい受けてやればいいのに。


でもなぁー俺がなんか言ったらツンデレさんがガチ切れして鬼のような形相に変わっちゃうしなー。


あ、こんな時こそ那由他くんを生贄にしようよ、あーなんて俺は天才なんだろう。


と、思ったのも束の間、那由他は自ら話しかけていた。

「いやー良樹やりたくないみたいだし俺が変わりにやろうか、チェス」


はー馬鹿だなーこの人は俺らを猿以下としか思ってない、頭のいいやつにしか興味が無いのだ。


那由他がぼこぼこにされるのを今か今かと待っていると

「いいわよ、良樹と戦う前の腕ならしに丁度いい、さぁやるわよ」


え、なんでだよ、いや、もしかしたら俺でも同じだったのか?

よし、それなら

「おい那由他、俺がやるよ」


「うるさいわね、あなたとじゃあ勝負にならないでしょいいから黙ってなさい」


えーーーーーーー、即答かよまじかよなんでだよ、何故に俺だけそこまで言われるの、まさか本気で嫌われてるの?


ていうかなんだか某落ち物パズルゲーム〇よ〇よみたいな話し方だな。

「さぁやるわよ!!」ってなんかラ〇ィーナみたいだし。

このままだとレッツ?って聞かれそうだな。


結構落ち込んだ俺にマスターが声をかけてくれた。

「気にするな、女子に好かれるのは難しいことだ、むしろ嫌われるのが当たり前だろ、嫌われるならいっそのこと何でも出来るしな」


マスターは励ましなのかよく分からない犯罪者めいたセリフを言ってくれた。

「マスター、それは嫌われるのならいっそ襲ってやるみたいに聞こえるんだが」


と、そんなことを言っているあいだにも勝負が終わっていた。

体感30秒。


「は!?はやっ、もう終わったのかよ」

那由他が唖然とした顔でこちらを見て『負けた、こいつ、化けもんだ』と、言っている。


ビックリして俺もマスターもそちらの机に近づく。


う!!見た瞬間俺もマスターも硬直した。

「おい、これ、マジかよ」

「おい、これ、フールズ・メイトじゃねぇか」


結論から言うとそれは一番ケ瀬ゆみが強者だと証明するには不十分なものだった。


小野石那由他が極端にも弱かったのだ。

フールズ・メイト、それはチェスをやる上で最速でチェックメイトすることが出来る手順。

すなわち、それを行ったこのゲーム自体がとてつもなく凄い、ある意味那由他も天才なんじゃないか。


「おい良樹!こいつつえーよ」

ちげーよ、お前がよえーんだよ。

あと、その俺TUEEEEみたいな言い方やめろよ。


「さぁ良樹!次はあなたよ、今のは全く持って話にならなかったけれども、あなたは違うでしょかかってきなさい」

と、那由他に勝って完全に調子に乗ったわかりやすいツンデレさんはいつの間にか上から目線になっている。


こりゃダメだな、この人はあれだ、完全に負けず嫌いなパターンだ。

まだどれほどの実力かは分からないが、良樹に勝負を挑んできたのだからおそらくはチェスが相当強いのだろう。


「それよりあなたはなんでマスターと呼ばれているの?まさかグランドマスターなの?」

と、少々本気気味な顔でマスターの方を見て首をかしげている。


いや、んなわけないだろ、考えりゃわかるだろ。

にしても思いつかなかったな。マスターはグランドマスターか。


「ばれたか、仕方ないな、そうだまさしく俺がグランドマスター、さぁOnePlayいかがかな?」


「いやお前は何を言ってるんだ、てかお前のワンプレイはなんか意味深に聞こえるからやめろ」


と、そんなことを言っている間にいつの間にか先程まで那由他が座っていた椅子には良樹が腰掛けていた。


「良樹!!お前、やるのか」


「いや、別にやらないとか言ってないじゃん」


ならさっさとやれよ、そうすればこのツンデレさんも機嫌直るしこの場から立ち去るでしょ。


などと言っているうちにも天才対秀才世紀の一戦が始まろうとしている。そんな中


「え!誰?」


ガラッと音がしたのと同時に聞き覚えのある声がしたのでドアの方を見やれば、そこには何故か昨日この場にいなかった八月一日莉緒がいた。


「え、知らないのか、学年2位の一番ケ瀬さんだ、てか昨日なんで来なかったんだよ、大変だったんだぞ」


おまえがいればちょっとはましに、と言おうとしたがそうでも無さそうだ。

同じ女子ならとか思ったが別に知らない者同士なら大して意味もないように思う。


八月一日が一番ケ瀬を知らないのも当たり前か、そりゃそうだどう見たって馬鹿であろうこんな奴をあの学力の低いものに対して鬼のような偏見を持った一番ケ瀬が興味を持つはずない。逆もまたしかり。


「あなた誰?この部の人間なの?まさか女子がいたとわね、それともそこの低脳の彼女なの低脳同士仲がいいのね」


俺を低脳と言ったことその他もろもろ文句があるがそこは置いといて。八月一日もバカにされたことは非常に嬉しい、なんだか心の底からホットする。


そんな他人の不幸は蜜の味みたいな感情が顔にも出てたのか八月一日はツンデレさんに言い返す前に俺の方を睨んだ。


睨まれようが知ったことじゃない。俺は流石にお前よりは頭いい自信ある。


と、そんなことを言っているあいだにも試合は始まっていた。


それはまるでカスパロフ対ディープ・ブルー並の凄まじい試合だった。


結果的には良樹がカスパロフ側だったわけだが、二人を見ればどちらかと言うと良樹の方が機械っぽいしツンデレさんの方がよっぽど人間味がある。



「そんな、負けた・・・私が・・・負けた」


「おい、一番ケ瀬あのさ」

「うるさい黙ってなさい」

良樹は化け物だから勝てなくてもそこまで悔しがらなくていいよと、そう言おうとしたがやはりその前に止められてしまった。


一番ケ瀬は俺に黙れというとすぐに立ち上がり走って部屋から出て言った。

その潤んだ瞳を見て思ったのだが、強烈なデジャブを感じる。


「おい良樹ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

おい良樹どうすんだよ、とそう言おうと後ろを振り返ると、そこにはありえない光景が広がっていた。


「おい太郎起きろ、何寝てんだよてかなんで寝れんだよ」


「は?なんだよ一体どうしたんすかうるさいっすよ」

太郎の鼻声のようなとぼけた声はこういう時は腹が立つどころかもう笑ってしまう。


「良樹が容赦なく女子をぼこぼこにして泣かせた」


「おいマスター色々と抜けてるから!!」


「あーああの女がショックの余り身を投げ出しそうな表情で出ていったことか」


「いや、そうだけどその言い方だと色々と誤解が生じるから」


「はぁー何やってくれてんすかぁもーうどうすんだよ 」


てか、突っ込む前にこの会話前にもあったよね、何なのこれ、今のところ来る女子は全員泣くっていう謎の共通点があるんだが。


すると流石に良樹もまずいと思ったのか口を開いた。


「お前さよく寝れるよな考えらんねぇーぞやばすぎだろハハハハハハまじでハハハハハハ」


いや何を笑ってんだちょっとはなにか感じろよ、原因はお前だろ。


「はー何なのあの子、こんな所にわざわざ好き好んで来ては泣いて出ていくとか、変な人だね」


いや、誰が言ってるんでしょうかねぇ

「もう俺は突っ込まん」


「ていうか、こんな時は誰かが言った方がいいんじゃない?」


それもそうだな、となると普通に考えて良樹が行くべきだろうが、こいつが行くわけもないか。


「じゃあ憂人が行けよ、俺だるいし」

ほらな、やっぱり

「はいはい、全くなんでこうも嫌な役を回されなきゃ行かんのだ」





学校を出て探し回るとすぐに見つかった。


川とそこにかかる橋は沈む太陽の光に照らされそこにいる女の子の制服は朱色に染まる、銀朱というかザクロ色というかそのくらいの色の名前が頭に浮かぶ。


吹き付ける風はさほど強くないが彼女の髪はなびきそのまま悲しみも吹き飛ばしてくれないかと考えてしまった。


「おい、一番ケ瀬」


「おまえか・・・やひり良樹は来ないか当たり前だな奴は人の心などわからん」

一番ケ瀬は顔をこちらに向けることなく横目で俺を確認すると呆れたと言わんばかりの声で話し始めた。


「当たり前だなあいつは化けもんだからな、だから勝てない」


「だからうるさい、勝てないという人間は鼻から興味はない、失せろ」


こちらを見る顔には俺の台詞に対した怒りが表されている。


「勝てないさ、どんなに挑んだってレベルが違うんだ、勝負にすらならない。でも、それは諦める理由にはならない」


「な、なにをわかったような口を」


「わからん、他人の感情がわかるわけないだろ」


そうだ、人の気持ちがわかるわけない、わかった気になってるだけの勘違いなら出来るが本当に人の気持ちがわかるならそれはエスパーだ。それこそ化け物


「私は生まれつき一番だったんだ、小学校の時も中学の時も一番以外とったことが無かった。」


俺の台詞に対して今度はわけがわからないという表情でおもむろに何か話し始めた。


「灘校にも受かった、けどこの高校の結果を聞いて灘に行くのはやめた、2位、初めてだったわ、悔しさよりも怒りが勝った。」


そう言うと再び俯く、多分、その怒りは良樹に対するものではなく、自分自身に対するものなのだろう。


「私がここに来たのは1位を取るためよ、他に理由はない、ただ、良樹宏太を倒したかった。やっと見つけた、でも既に三度も負けていたのだからテストでは勝てない、だからチェスで勝負した。」


これも予想だが彼女はチェスに相当の自信を持っていたのだろう、じゃなきゃここまで落ち込まんしな、予想でしかないのだが。


「でも、勝てなか」


「俺も勝てなかった、お前のほどの話でもないが、お前の話を聞いたんだ、俺の無駄話も聞いていけ」


一番ケ瀬の台詞を待たずに急に話し始めてみた。何となくカッコイイ気がした。


「俺は多趣味な人間でな、スポーツとしてはテニスが好きだ。中学もテニス部に入ってた、もちろん楽しければいいから試合で勝ちたいとか優勝したいとかいう訳では無い。」


「別に勝ちたいわけじゃない、でもさ負けるとやっぱ悔しいじゃん。」


よく覚えてる、テニプリを見てからか分からんがより一層テニスがカッコイイと思って適当にテニス部に入ってた、一生懸命ではないがふざけて技名言ったりしながらテニスしてて俺は楽しかった。今となっては試合の時にダイアキュートスマッシュとか言いながらプレイするのはかなり迷惑だと思う。

はぁー魔〇物語ハマってたからな。


中3になって最後の大会がきた、元々趣味でやってる俺には引退なんてどうでもいいのだけどもその大会で偶然か必然かわ知らんが1回戦で当たったのがまさかの優勝候補だった。

「それでさ、試合の前にトイレ入ってたらそいつが入ってきてさ俺に気づかず言ってたんだよな、決勝で会おうぜって、多分一緒にいたのはかなり強いやつなんだろ」


強い奴らだけが味わえる領域で、よくスポーツもののアニメでみる感動場面のようだった。でも、その時思った。こいつらは既に俺らに勝った気でいるって、同じブロックのやつも既に負けた気でいた。


俺は主人公が一回戦で倒す雑魚キャラなのかと思うとものすごく悔しかった。なんだか腹が立った。その時思った絶対に負けたくないって。


「お前、強いらしいな、既に勝った気でいるようだが、調子に乗るなよ。ここで散ってもらう、勝つのは俺だ。」


「え?お、うん」

そりゃそうだよな今考えれば相当やばいやつだしまともに答えが返ってくるわけない。


見事にサーブ権を得た俺は自信満々に全力でボールを放った、が、しかし、当然というか、軽く返された。何回打っても軽く返されてうち返そうとしても届かない。


そりゃそうだよな、相手はずっと努力を積み重ねてきた人間なんだ、趣味としてやってる俺が勝てるわけがない、どころか勝とうとするものならそれは失礼なことだ。

それでも俺は勝ちたかった、勝てない事実など知ったことではない、きっと諦めなければどうにかなるはずだとそう信じた。


天才でも無ければ努力家でも無い、そんな俺でも唯一の取り柄がある、無鉄砲にでも行動できる、何度やられても立ち上がれる無敵のハートだ、要約するとバカって事だが、やり場のない思いはその場でしか発散できそうになかった。


一回戦は3ゲーム先取だった見事に軽くあしらわれ2ゲームも取られた俺はすでに相手に合わせる顔がなかった。あそこまで言っておいてボロ負けじゃあ話にならない、それでもまだ諦める気はなかった。


「おいお前なかなかやるな、でも、まだ試合は終わってないぜ」


明らかに負けぜりふだった。

もう既に勝てないと自覚していた、だからせめて1ゲームだけでもと思った。


「くらえ、闇月(ダークムーン)一閃(リバーサル)!!!」


と、適当に言いって敵を撹乱する、この試合、俺はオーバーヘッドサーブのみを打ってきた、そしてここでいきなりアンダーサーブを打つ。

反応が遅れた相手の打ち返す玉はフラフラとしたチャンスボール、瞬時に走り前に出る大きく飛び全力でスマッシュ、すると見せかけると相手はバックステップする、、すかさず着地して軽くボレーをする。


「え!」

相手は思わず声を漏らし見事俺が初得点を上げた。

次もアンダーサーブを打つが2度も同じ手は通じない、普通に勢いよく返ってくるボールを俺は出来るだけ高い打点で打ち返す。

狙うは相手の足元、ラリー中俺のボールはすべて相手の足元をめがけ飛んでいく、見事にそれで1ゲーム取り返した。


俺の得意技、相手の邪魔。なかなかに性格が悪いようで小さい時から人の心理を読み相手の行動パターンを把握することにおいては類希なる才能を発揮していた、流石に一試合していれば相手のくせもわかってくる、相手の嫌う玉、相手の嫌う戦法、人付き合いにおいては相手の好むことをするべきだが、戦いにおいては相手の嫌う行動は勝利するためには大きな力になる。


残念だが趣味でやってる俺は強くなりたいわけでもないし相手と友情を育みたいとも思わない、だからこそ俺にスポーツマンシップはない、自己満で終わっていい、逆に言えば自己満するまで頑張らなければいけない。


っち、そろそろ慣れてきたか。

流石にここまでされると苦手なたまでも難なく打ち返される、足元に出すたまも効かなくなってきた。


こうなったら、勝つためには手段は選ばん。


次、取られれば負け、TheEND。


「ま、けてたまるかぁぁぁぁぁ」


あの鼻っ柱をへし折ってやる、その一心で俺は全力でラケットを振り抜いた、俺史上最大火力のリターン、ボールは狙い通り相手の顔をめがけて飛んでいく。

よっしゃざまぁみろ


相手は反応しきれずラケットで防ごうとしたがあまりの威力にラケットごと顔に衝突。


「ほら、どうした、次こいよ優勝候補!!」





「・・・今思うと、相当うざいよな、どんな顔してたか想像したくもないし」


「あなた、予想以上にゴミね。なんて言えばいいのかしら、言葉が出てこないわ」


「結局負けたし、コーチからも審判からも怒られたし、大会一のゴミって言われたし、何も手に入らなかった、でもさ、勝ち目がなくても諦めないって気持ち、俺にも分かるんだよな」


最低だし、お前とは違うけどな

そう最後に付け足すと一番ケ瀬は全力でバカにした表情で笑った。


「えぇーそうね、あなたと私じゃ違う、今の話のレベルだって違うわ、だからお互いの気持ちは分かり合えない」


「でも、理解はできたわ」


「流石だな、俺を理解できるのは頭がいい証拠だ」

昨日のこいつの真似をして頭を人差し指で叩くジェスチャーをする。


「それじゃ、私は諦めないから」

去り際に振り返って、『あと、私は理解出来てもほかの人は理解できないんだからあまり話さない方がいいわよ』と、言って帰った。


橋の上に一人になった俺は先程までと同じ声の大きさで返事をした。

「あぁ分かってるさ、俺だってそこまで馬鹿じゃない、でも俺はそんな自分が大好きだ」


と、カッコつけたつもりだったがアニメならここでエンディング、しかし現実にそんな便利使用はない。

ふと気づく、一番ケ瀬はスクールバッグを待っていた。

あ、バッグ取りに帰らなきゃじゃん。



部屋に戻ると良樹と太郎のみが残っていた。


「はぁ、みんな帰ってるし、まぁ仕方ないか」

「遅いぞ憂人、マスターは暇すぎて可愛い子見つけたからあと付けるっていって帰ったぞ」


「誰のせいだと思ってんだ、てかマスター明日には留置所にいそうで怖いんだが」



「なぁ良樹、あいつ、また来るぞ、多分何回でも来る、ああいうタイプが一番めんどいからな気おつけろ」


「えぇぇぇ、、分かってるよ」


分かってんのかよ、でも多分、良樹は分かっているのだろう、俺らの気持ちも、面倒なことになるのも、だから多分、天才は天才で大変なんだ。


だから多分、強者だろうが弱者だろうが、どんな人間であっても、とりあえず人なりに悩んだり苦しんだりするのだろう。


そんなことを思いながら、何故か元素記号当てゲームをしながら未だ赤く染まる街を俺らは下校するのだった。








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