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俺の日常を教えてやろう  作者: 櫻井 島弥
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プロローグ 俺が誰か教えてやろう

突然だが、人生において大切なこととは一体なんだろうか、それは間違いなく楽しむことであると俺は思う。

人生を一点の悔いなく存分に楽しんでから最後の時を迎える、なんて考えるにはまだまだ早い高校一年生な訳だが、とにかく俺は今暇だ、それはもういますぐに発狂したいほどに暇だ。暇と言っても、入学した瞬間から大学進学のために勉強をさせられる進学校生徒が正しい意味で暇なわけはない。ただ気持ち的な意味で、プライベート的な意味で暇なのである。

何と言っても俺は今までアニメみたいな高校生活を期待して生きて来たわけで、なのに、というか当然と言うべきか、現実は実に厳しいものだった。入学式の日に不思議な出会い、無し。クラスに圧倒的人気美少女、無し。学校に異常、無し。そんな中で時間だけは進み続けてすでに6月半ば、それでも諦めることなく今日こそは現実を変えてやるぞ的なことを考えながら登校している俺だ。


「憂人、おはよう」


おっと挨拶をされて我に帰ったようだ、そう、いかにも俺が春澤憂人(はるさわゆうと)、憂鬱な人と書いてゆうと、うん、まさしく俺。


そしてこの春澤とかいう青春ものの主人公みたいな苗字、とても気に食わない、だってぜんぜん違うもん。


あ、脳内で独り言言ってたら朝のあいさつを忘れていたのでおはようと言い返す。


この何気ない朝の挨拶をしてきたのは"マスター"、すごいあだ名だよね、作った自分でそう思う。

マスターは気だるげな顔をし、まるでリストラされたサラリーマンかのような喋り方で話しかけてきた。現役高校生とは思えないような猫背で高い背は少し低く、俺と変わらないくらいに見える。


マスターはとにかくヤバイ奴だ、それはもう目の前に有名な女優さんがいたら手を出すぐらいに。



マスターとなんとなく喋って別れたあと自分の教室に入ると俺はすぐさま一人の男に話しかけられた。


「憂人、1時間目、何?!」


同じクラスの良樹宏太(よしきこうた)だ。

かけているメガネのライトブルーのフレームは窓の外に見える朝の清々しい空の色とは少々異なる。

「体育だよ」

「は、死ね」


はい即答で拒絶、なんでだよ体育は存在するだけで罪なのかよ


こいつはいつの時代もどんな場所でも必ず一人はいるであろう頭いいキャラである、しかしこいつの場合はそんじょそこらの頭いいキャラでは無い、なんと高1の六月にしてすでに先生方から東大行ったら〜って言われてるのだ!!

良樹宏太は以下にもめんどくさいという表情で3トンほどの重力がかかったであろう口を開き話を続けている。


「よし、憂人よ、体育の先生を監禁してこい」

「嫌だよ、てか無理だよ」


そう、この天才は別に太っているわけでもないのに運動が大嫌いなのである。


「はぁー体育ない学校に行きたいわー」

「じゃ何でここ来たんだよ」

「そりゃ進学率高いからでしょ、他に何があるの?何もないよ」


でしょうね他に理由なんてないだろう、うちの高校はとにかく頭がいい、県内有数の進学校、灘高受かったのにこっち来たやつとかも数人いる、いや、てか、すんなり学校ディスるな


言いたくはないが、俺は別に頭がいいわけじゃない、まぁ悪くもないけど、この学校は頭良すぎて人が寄り付かないのだ、結果的に倍率がとてつもなく低く俺でも入れたというわけだ、あ、ちなみにマスターもだろ。


先日行われた試験の結果もそれはもう散々なものだった、点数なんて言えたもんじゃない、平均点?何それ美味しいの?



ま、そんなどこにでもいるような高校生の日常は楽しいもんなんなだろうが、俺的には何かがかけている、


いや結構な数のボルトが抜けてるね


だけどそれもこれも今日で終わりだ、


俺の、春澤憂人のワクワクドキドキ超絶楽しい高校生活が、始まる


、、、多分




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