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絶技、りーど・ざ・しちゅえいしょん!

KYKK(空気を読むキーラ・カルバーナ)


 扉を開けると、明るい陽射しが目に痛い。

 次いで見慣れたさらさらの金が目に入って、私はほっと息を吐いた。


「良い朝だな、キーラ」

 柔らかく微笑むターナス様に、私も笑みを返す。

「ええ、小鳥のさえずりが心地良いですわね」


 朝の挨拶を交わし、促されるまま馬車に乗り込む。

 ターナス様とは毎日一緒に登校している。シルカの影響は、ターナス様に関して言えば彼女の目の見える範囲にしか届かない。だから今のところ、この時間のターナス様はいつも通りだ。

 私はこの、彼女に壊された日常の欠片を酷く得難いもののように大切にしている。けれど決して得難いもので終わらせるつもりはない。最後には必ず、何処にでも転がっているような日常にしてみせるのだ。


 馬車に乗って暫く、窓の外の風景を楽しむ。いつもは心地良い沈黙だが、何故か今日は少し居心地が悪い。


「……あの、ターナス様?どうかなさいました?」


 先程から、ターナス様に穴があきそうなほど見つめられている。頰に手を当てて振り向く。少し頬が熱い。頰より手の方が少々温度が低いことがよくわかる。


「……キーラ、その……」


 甘い言葉以外はいつもはっきり言葉を紡ぐその口が、何だか重そうだ。


「何か、あったのか」


「……え?」


「……それとも、僕が何かしてしまったのか?」


 どきりと心臓が震える。一瞬、気づいてしまったかと焦るが、直ぐにそれは無いと思い直す。まだ、ターナス様の表情には、深い後悔や罪悪感は浮かんでいない。


「いきなりどうなさったの?」

 首を傾げる。

「……最近、顔色が悪い。それに、特に僕と居るときは後ろめたそうな顔をする」


 今度こそ、心臓が大きく音を立てた。


 喜びと、申し訳なさと、後ろめたさと、焦りと。数え切れないほどの感情に埋め尽くされる脳内を表情に出さないように、意識的に頰を緩める。


「そうでしたか?心配をおかけしてしまってすみません。……最近、授業も難しくなってきましたし、不安で寝不足気味なのです。後ろめたそうな顔になっているのは、もしかすると勉強についていけない自分を婚約者として不甲斐なく思ってしまったのかもしれません」

 照れたように笑い、口許に手を当てる。


 ターナス様はそんな私を静かに見る。その瞳は、疑いというより、心配から顔色を伺っているように見える。


 いつもそうだ。

 いつも、私の気持ちを掬い上げるのはターナス様だ。そうして愚痴る私を甘やかすのも。

 私は、ターナス様に話をすることで救われてきた。


 けれど、今回ばかりは相談することはできない。

 頼るなんて以ての外だ。


 守ると決めた。


 こんな風に嘘をつくことに罪悪感がないと言えば嘘になる。私とターナス様の日常を壊したシルカを一欠片も恨まないと言えばそれもまた嘘だ。

 けれど、守るためなら。

 ここまで彼が築き上げた信頼を、王になるための努力を、彼の笑顔を、私と彼が過ごしてきた時間とこれから過ごすはずの時間を。守るためならば、手段など選ばない。

 私の心の痛みなど瑣末なもの。これからの未来の幸せに比べれば優先順位は明らかだ。

 ロードラーザ様やシルカを利用してでも、私の交友関係を駆使してでも、絶対に、守ってみせる。


 決意を固めながら、私は安心させるように微笑んだ。


 ぽん、と。

 頭に暖かさが乗る。


「あまり、無理はするな」

 少し寂しそうな表情からするに、私の嘘は見抜かれている。それでも深くは尋ねず、優しく微笑むその顔に、胸が締め付けられた。


 同時に、ターナス様にこんな顔をさせたシルカへの黒い炎が燃え上がる。


 ……全て解決したら、ほんの、ほんの少しだけ、嫌がらせしても良いかしら。



―――



「チェナ。良い朝ね」


「あら、キーラ。……室内だから小鳥の歌声は聞こえないわ」


 親友の茶目っ気たっぷりの挨拶に小さく笑う。その隣に腰を下ろし、授業の準備をする。指輪を軽く人差し指で叩き、「2」と呟くと小さな箱が出てくる。箱を開けば蓋から順番にぱたぱたと広がり、筆記具や資料が現れる。もうすっかり慣れた光景だが、便利なものだ。


 風の噂では、他の学園では貴族に従者が必須らしい。反対に、この指輪のように便利な魔法具が配布され、生徒自身魔力が豊富なこの学園では、むしろ従者無しに魔法のみで生活する方が讃えられる。

 貴族社会に出た時の価値観の違いは大きいが、そもそもがそれぞれ別種の学園を出た者ばかりなので多少の価値観の違いは当たり前という考えが浸透している。

 ターナス様伝いに知り合った他国の友人は、これ程様々な価値観が共存する国は珍しいと評していた。

それが良いことなのか悪いことなのかはわからないが、少なくとも私はそんなこの国が好きだ。



「ねぇキーラ、……どうなの?」


 何が、とは言わない。大丈夫か、とも。それで伝わらなければそれ以上聞かないし、大丈夫ではないものを大丈夫だと答えさせるのを嫌う。チェナ・ミランネとはそういう人物だ。


「……あの子にも、事情があるみたいよ」

「キーラ!?」


 チェナが珍しくも大きな声で私を振り返る。驚いた様子だが、私はむしろそんなチェナに驚いた。


「ど、どうしたのチェナ、落ち着いて?」

「落ち着いてはこっちの台詞よ!どうしちゃったのキーラ、いつもならあの雌猫五体満足では居させないわ位言うじゃないの!それが、それが、じ、事情!?殿下のためならどこの誰の事情も耳を素通りするのがキーラでしょう!?」


 否定出来ないが、肯定もし辛い。

 口をつぐんでいると、チェナの顔色が青ざめ始めた。


「ま、まさか、キーラ……?不治の病にでもかかってしまったの……?それとも、明日世界が滅ぶの?」

「そこまでのこと!?」


 チェナは冗談や冷やかしで言っている風ではないのがなんとも言えない。私は深く息を吐いた。


「……まぁ、あの子というより、私に事情があるのよ。とりあえず、後で皆でお話しましょう」


 ね、と笑むと、チェナはそれだけで私が何かを企んでいることに気付いたらしい。軽く息を吐いて、苦笑しながらも頷いた。


 皆というのは、別に親しい者だけで話そうという意味ではない。シルカにも事情がある。そういう噂を流す(・・・・・・・・)、という意味だ。

 チェナを犯罪に巻き込むわけにはいかない。協力は頼むが、その意図や目的を話すつもりはない。万が一彼女が尋問されても、いくら叩いても何一つ埃が出ない状態にしておきたい。そんな事態が起こらないように努めるが、念の為、だ。


「あまり、無理をし過ぎないのよ?貴女は大抵のことを根性論で済ませようとするから」

 親友の耳に痛い忠告に目を逸らす。

「……気を付けるわ」

「約束よ?」


 呆れたような、諦めたような言葉ながら、その顔に浮かぶのは確かな気遣い。じわじわと、勇気付けられる。大丈夫。私には私を心配してくれる味方がいる。改めて奮起した私は、教室に入ってきた教師へと目を向けるのだった。



―――


「あら、カルバーナ様。珍しいですわね」

「ふふ、随分とご無沙汰していましたから、ふと思い立って伺わせて頂きましたの。急なことになってしまってごめんなさいね」


 チェナと連れ立って訪れたのは、昼休憩の時間に戯れに開かれる貴族令嬢達のお茶会。

 身分の低い者は高い者への顔つなぎ、高い者は自らの財産をひけらかすための絶好の機会となっている。チェナは情報収集を楽しむ性格だから度々参加しているが、私は興味のない情報を聞くことが苦痛だ。なによりターナス様の婚約者という立ち位置は今更誇示するまでもなく私の地位を不動のものにしているので、このお茶会に顔を出すことは少ない。


 主催者の方に手土産を渡し、まずはある程度の地位を持つ方々の集まるテーブルへ向かう。

 初めて見る顔もあるが、中には当然見知った顔もあった。

「まぁ、カルバーナ様。自由選択の授業以来かしら」

「アルスクーレ様。お邪魔しても?」

「ええ、勿論。歓迎致しますわ。ねぇ皆様?」

 おっとりとした笑顔で周りを見渡す彼女に、周りもほんわりした顔で同意する。特段変わったことを言っているわけでもないのに空気を緩めてしまう、不思議な魅力のある令嬢だ。


 しばらくは当たり障り無い内容が続くが、話が進むにつれ、当然あの話(・・・)も出る。

「そう言えば、皆様ご存知?サーテライン様の話」

「そうねぇ、知っていると言えば知っているけれど、彼女の話は多過ぎて、どれのことだかわからないわ」

 嫌な失笑が、その場を満たす。その気持ちは十分に分かるが、なんとなく不快な気分になる。もやもやじっとりした雰囲気は肌に合わない。

「やっぱり、庶民には羞恥心というものが無いのかしら?」

「あら、私は平民に友人が居ますけれど、とても慎ましい方ですのよ?」

 アルスクーレ様が困ったように微笑んでフォローするが、あくまで庶民に対してで、流石の彼女もシルカを庇うことは出来ないようだ。


 私は一旦聞き役に徹し、彼女たちの不満に相槌を打つ。まだだ。不満を全て吐き出し切らせてからでないと、今の雰囲気では少しでも反対意見が出れば一斉攻撃に遭う。

 

 思う様言い合って、段々と場が落ち着き始めた頃。

「カルバーナ様はどう思いますの?」

 丁度良いタイミングで話を振られる。私は、口許に手を当てて困った顔で笑う。

「そうですね。私も、シルカ様に対して良い感情はあまり持てませんね。……でも」

 そこで、悲しげに目を伏せる。

 数秒ためてから、言い辛そうに口を開く。

「……私、シルカ様には……何か、事情があるのではないかと思うの……」

「カルバーナ様?」

「事情?」


 ざわり、と場の雰囲気が変わる。興味、不審、戸惑いは見えるが、同調されないことへの怒りや苛立ちは感じない。まずは成功。


「その……私、時々彼女がとても辛そうな顔をしている姿を見かけるの。それによく見ると、殿方と話している時の彼女、笑っているようなのに泣いて見えて……」

「カルバーナ様……」

「なんてお優しいの!」

「そう言えば、そうだったかもしれませんわね」

 表面上、同意の言葉はあるが、納得いかない顔をする者が殆どだ。善人ぶっているのかと疑惑の目を向ける者もいる。

「そう言えば、彼女は途中編入で、あまりお友達がいらっしゃらなかったわね。平民は少ないし、やっぱりお寂しいのかしら」

 目的は分からずとも、私の意図を察したチェナが援護してくれる。私とチェナという、発言力が比較的強い二人が同意見になったことで、さらに場の雰囲気が動いていく。


「それもそうね……」

「けれど、彼女はお可愛らしいし、殿方が放っておかないのでは?」

やはりその点への不満は根強い。

「それに、魔力も随分豊富なようだし、寧ろ友人なんて必要ないと思ってらっしゃるんじゃないかしら」

 一人がそちらへ傾くと、流れるようにそちらへの意見が増えた。都合の悪い意見よりも都合の良い意見が採用されるのは当たり前のことだ。私は冷静に流れを見る。

「女性より男性の方が興味がおありなのかもしれないわね」

「殿方の方も満更でも無さそうですし……『魅了』でも使っていらっしゃるのかしらね?」


 ───今だ。


「そう……私も、そうなのではないかと思うの」

 深刻そうな声で呟くと、一斉に視線が集まった。


「これは、単なる推測で、何の証拠も無いのだけれど……」


 先ほど投げかけた小さな火種を育てるように、丁寧に物語・・を話す。


「彼女は、平民でしょう?魔法の教育も、貴族のように家庭教師を雇えないでしょうし、不十分になっていると思うの。だけど、あの、身の丈に合わないほどの魔力……」

 シルカの異例の好成績は、既に皆の知るところとなっている。続きは言わずとも自然と察された。

「まさか、制御出来ずに『魅了』を……?」

 一人の声に、全員の顔色がさっと青ざめる。

 チェナは、私がどう話を運ぶのかを推し量ろうとしているようで、何も言わない。

「自覚があるかどうかはわからないけれど、そのせいで一人になってしまっているのではないかしら……同性には効きづらいものだし、相談しても、逆に反感を買うような話題だし……」

 私の発言に、数人がバツの悪そうな顔をする。現に、先程しっかり反感を買っていた。

「例えば、彼女に本当に心に思う方が居たとしたら、それ以外の方に言い寄られるのは不快なことでしかないし、そうでなくとも気の弱い方はとても不安になることもあるでしょう?経験のある方もいらっしゃるのではありませんか?」

 チェナが頷く。

「私も、リーンスルト様に声をかけて頂いたことがあるのですが……私は婚約者と良い関係を築きたいと思っていたので、彼のように身分の高い方のお誘いをお断りするのはとても難しかった覚えがありますわ」

 そこからは転がる石のように。

 それぞれが経験した『その気のない、または不快な人に言い寄られた』エピソードを語っては愚痴り合い、話が盛り上がるのに比例するようにシルカへ同情が集まる。そのうち段々と想像がエスカレートして、シルカの生涯が物語もかくやという程の波乱万丈なものにされてしまったが、まあ許容範囲内だろう。

 その後、そこまで身分の高くない方々の輪にも混じり、一通りシルカの悲劇を広げていった。こちらは、初めの地位ある方々とのお話よりすんなりと成功した。

 まだ完全に信じたわけではないだろうけれど、取り敢えず噂が広まる地盤は出来た。これで不特定多数が噂し始めればこっちのものである。


 一旦部屋に付属しているバルコニーに出て、ふぅ、と息を吐く。

 あとは、あの方々だけね。

 窓越しに、とある集団を見つめる。


 取り巻きの婚約者軍団。

 彼女たちに例の悲劇譚を話したところで、だから何?と思われるのが関の山だろう。というより、私だったらそう思う。あの噂が有効なのは部外者、野次馬のみ。当人にはやはり直接当たるしかない。


 ふと、その集団から離れてこちらに向かってくる令嬢があった。

 う、まずは情報をと思っていたが、早速大本命との正面対決か。


 婚約者軍団の先導者的立ち位置にいる、サゼーナ・ウェルニー。

 私と目が合うと、彼女はにっこりと微笑んだ。

「小鳥の調子はどうかしら?」

「心地よく歌っているようですわよ」

 隣に移動していいか目線で訊かれ、軽く微笑んで頷く。

「それは良かったわ。カルバーナ様。……貴女の喉の調子も良さそうね?」

「……」

 ……シルカの悲劇を流行らせようとしていることが知られている。

 まぁ、それはそうか。あれだけ派手に動いたんだ。シルカの話題に注目していて察しの良い人ならばすぐに気づく。やはり数日に分けてじっくりやれば良かったと冷や汗を流すが、時すでに遅し。何度もお茶会に出る面倒を厭うた罰だろう。

「そうですか?私あまり歌は得意でなくて……きっとウェルニー様には聞き苦しいでしょうね」

 不用意な発言を聞き苦しく思ったかと尋ねる。

 彼女は軽く眉をあげ、私を窓の陰に移動するよう促した。

 部屋の中から二人の姿が分からない場所まで来ると、ウェルニー様は笑みを解き、疲れたように壁にもたれかかった。

「……仕掛けておいて何だけれど、こういう探り合いは性に合わないの。面倒でしょう?」

 その意見には同意だ。

「そうね。私もよ。……それで、私に何か聞きたいことがあるのよね?」

 遠回りな言い回しをやめ、聞く姿勢を示すと、ウェルニー様はちょっと驚いたように目を開いた。やがて、くすくすと笑いだす。

「……本当にやめてくれるとは思わなかったわ。ありがとう」

「いいえ、こちらこそ」

 ウェルニー様は先程より少し緩んだ雰囲気で、しかしまた笑顔を真剣なものへと変えた。

「単刀直入に訊くわ。……貴女、どうしてシルカを庇ったりするの?」

 言葉は続けないが、その表情は雄弁だ。『貴女だって殿下を彼女に奪われているでしょう?』

 私は口許に手を当ててふふ、と笑った。

「別に庇っているつもりは無いわ。思ったことを言っただけ。ただ、あの子もそれを望んでいないなら、やり方次第で穏便に事を収束させることが出来るかもしれないと思ったの」

「そう。……平和主義者なのね」

「それより、貴女はどうして彼女に執着するの?確か貴女も、政略的な婚約者なのよね」

 私は直球で探りを入れる。淡い恋心ならば断ち切れる。強い想いならばヤツに頼んで彼女の婚約者にかかっている魔法だけは解いて貰えば良い。


 ウェルニー様は、一度口を引き結んだ。

 眉はひそめられ、唇が、震えている。

 その瞳に映るのは……悲しみか、怒りか、悔しさか。あるいはそのどれでもあるのかもしれない。

初めにあの状態のターナス様に抱いた感情を思い出し、思いがけず胸を突かれる心地がする。

「貴女……本当に、好きなのね……」

「……そうよ。なのに……馬鹿よね、あんな男だったなんて……」

「……」

 ここで本当に魔法が使われていると言ってしまうのは簡単だ。けれど、こんなことで情報が洩れて失敗してしまっては意味がない。私は黙って彼女を見る。

「本当に……本当に……恋だの愛だのにかまけて研究を途中で放棄するなんて、なんて愚かな男なのかしら!」


 …………は?


「あと少し……そう、あと数日あれば、あの男と私の実力を持ってすれば証明出来たのよ!他にもいくつか共同研究しているし、研究素材はあの男が主に提供していたから、一人で完成させるのにどれだけの費用がかさむと思っているの!全くもって解せないわ……初めは心理研究でもしているのかと思って放置していたけれど、どうも様子が違うみたいだし!どうしてあんな研究しがいのなさそうなお花畑を選んだのかしら、まだ叡智の結晶と名高いソルドーラ様なら理解出来るわ!恋にうつつを抜かすのは良いけれど、せめて研究を終わらせてからにするべきよ!」

 拳を震わせ憤慨するその顔には、『 研 究 第 一 』としっかり書かれている。

 というか、ソルドーラ様って……魔法学研究の大家と呼ばれる、百数十歳のご老体では無かったかしら?そちらの方が理解出来る貴女が理解出来ないわ。

「あの女……後に世紀の大発見に繋がるかもしれない研究を邪魔するなんて……絶対に許さないわ……」

 いつの間にか殊勝な態度はさっぱりと消え、ウェルニー様の身体からは怨嗟の炎が立ち昇っている。


 …………えーと。帰って良いかしら?




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