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ぎぶあんどていくを善しとする

初投稿作品より以前に考えていながら、完結の目処が全くたたないことに焦れ、自分を追い詰める意味で投稿。

勢いのままの、設定の煮詰まっていない未熟さをご堪能ください。

悪役はロマンです。


「では、キーラ・カルバーナ嬢。以後、ご協力の程、宜しくお願いしますね」

 

「ええ、こちらこそ。ハルド・ロードラーザ様」


 互いに、にっこりと微笑み合い握手する。

 その日一組の男女が、互いの求めるものの為に結束した。


 ______


「き、君は、君は、薔薇のようにうつく、しく……そそ、その微笑みで僕の心はいつもみ、みたされ……だ、駄目だ、あまりこっちを見ないでくれ!」

「ターナス様、いい加減慣れて下さいませ!」

 赤い頰でわたくしから目を逸らすのは、我が国の第一王子にして私の婚約者、ターナス・ストロレイジ様。世の貴族達がするすると吐くような甘い言葉を苦手としている彼に、現在、私が用意した台詞で練習して頂いている最中だ。王子とその婚約者が万が一にも不仲だと噂されれば、足をすくわれる可能性がある。その対策のためにも、私と彼は人前で殊更ことさら仲良く振る舞う必要があるのだが。


「……はぁ……、すまない。君を喜ばせられるような言葉一つ告げられない甲斐性無しなんて、婚約者失格だな」

 ため息を吐いて落ち込むターナス様に、私はにっこり微笑んだ。

「いいえ殿下。私は全く気にしておりませんわ。そう気を落とさないでくださいませ」

「キーラ……思い切り怒っているじゃないか。殿下だなんて他人行儀に呼んで」

 眉を下げて困り切った顔で指摘される。私は微笑みを解いて、つんと顔を明後日の方向に逸らした。彼の言う通りではあるが、素直に怒りの訳を話すのはしゃくに障る。

 しかし結局、ターナス樣の問うような視線の圧に負けて彼に向き直った。恨めしげな目つきになってしまうのは仕方がないと思う。

「……別に、どうせ私はそんな綺麗な表現に似合う女ではありませんから、ターナス様が嘘を吐けなくて困ってしまっても仕方ありませんし?全く、気にしておりませんわ」

 唇を尖らせ、また目を逸らす。我ながら驚く程可愛くない発言だ。

 彼には甘い台詞を言うことはおろか、考え付くことすら難しいことはわかりきっていた。だから必然的に私が台詞を考えることになるのだが、自分を薔薇に例えて褒め称える際の虚しさと居たたまれなさは生半可なものではない。そんな思いをしながらひねり出した台詞なのだ。照れているとはいえ何度もつっかえながら言われれば、自信がなくなっても仕方ないと思う。どうせ私は薔薇というより薔薇のとげだ。

 そんな私の態度に、ターナス様は焦った様子で口を開く。

「ち、違う!キーラは台詞にぴったりどころか、その台詞が殆ど僕の本心だから逆に気恥ずかしくて…………はっ!」

 自らの発言に気づいて、ターナス様は口元を手で押さえた。頰はすっかり赤くなっている。


 私の機嫌は治った。


「本当ですかターナス様!ターナス様から見れば私は薔薇の花ですか!」

 事実がどうあれ、私にとってはターナス様にどう思われるかが重要だ。やはり台詞なんかよりも彼自身の言葉で伝えられたことの方が何倍も嬉しい。

 だらしなく緩んでしまう口元を、はしたないと思いつつも引き締められなくなってしまう。

「あ、ああ……いや、何というか……ば、薔薇の花などに例えられない位綺麗だと……すまない、やはり僕には言葉を紡ぐセンスが無いようだ」

 しどろもどろになりながらも、真っ直ぐこちらを見て言葉をくれるターナス様。

「いいえ、いいえ!十分ですターナス様!ターナス様に贈られる言葉は全て宝物ですわ!」

 思わずその手を握りしめて身を乗り出す。

 ターナス様は驚いたように目を丸くして、やがて柔らかく笑んだ。

「……そうか、キーラがそこまで喜んでくれるなら、僕もつたないながら、なるべく伝えられるよう努力しよう」

 私は叫んだ。

「ああ、ターナス様、大好き!」

 心の中で叫んだつもりが、声に出ていたようだ。

 感情が有り余って、その勢いのまま彼に抱きつく。


 真面目で、照れ屋で、優しくて。

 私のような我儘な女でも、柔らかく包んでくれる彼が本当に大好き。


 政略的な婚姻ではあったけれど、

 その時私達は、間違いなく幸せだった。


 ___あの女が現れるまでは。



 我が国の王家は暗黙の了解として変わり者揃いだ。

 その中でも目立って変わり者だった先先代の王による改革で、王族から庶民まで、魔法の才に秀でた者は皆(すべか)らく魔法学園に入学すべしとされた。他にも学業に特化した者や、様々な専門技術を学びたい者など、需要に合わせた学園がかの王によって幾つも建てられた。ともあれ、今重要なのは魔法学園である。

 ターナス様と私は先天性の強力な魔法使いで、同じ魔法学園に通う事が決まっていた。


 初めの一年は穏やかに過ごした。むしろ普通ならばターナス様とは週に一度程度しか会えないものを、学園では毎日のように一緒に居られたのだ。私は半ば有頂天になっていた。

 そして二年目のある日。

 後天性の魔法適性が認められ、異例の高成績で入学してきたのが彼女、シルカ・サーテラインだった。

 初めは私も気にも留めていなかった。しかし、私が危機感を感じ始めたのはそれから間も無くのことだった。

 彼女が次々と距離を詰めていったのは皆、高位かつ優秀な貴族令息ばかりであったのだ。それも、婚約者の有る無しに関わらずである。彼女も令息達も表面上友人達と言ってはいたが、それにしては少々距離が近すぎる。周りは眉をひそめつつ、彼らが高位の貴族であるために何も言えないでいた。彼女に対してはどうであったかはわからないけれど。

 だが礼儀だとかマナーだとかは、私にとってはどうでも良いことだった。


 彼女が目標とする人物は、高位の、優秀で、美形な、男。その最たる存在が、私の隣に居るではないか。

 今までは婚約者である私の存在が抑止力となっていた。ターナス様がどれ程素晴らしくとも、好かれこそすれ、奪われることなどなかった。けれど彼女には婚約者という肩書など意味を成さないらしい。

 非常にまずい。

 気づいたその時から、私は今まで以上にターナス様にへばりついた。

 ターナス様は初めこそ私に首を傾げていたものの、シルカ・サーテラインとその取り巻きと化した男達の存在が顕著になるにつれて、困ったように眉を下げながらも私の成すがままにしておいてくれた。


 しかし不覚を取ってしまった。

 うっかり体調を崩してしまい、一週間程学校を休んでしまったのだ。

 シルカ・サーテラインは流石の手腕であった。私が寝込んでいたその数日のうちにターナス様の様子は徐々におかしくなっていった。お見舞いに来てくれたものの、どこか上の空になっているその様子に、心を引き絞られる心地がした。

 そして私は気合いで熱を吹き飛ばした。

 あと数日寝込む程と診断された所を数時間で治した治癒力に、お医者様には驚嘆されてしまった。

 

 熱は下がったもののなんだかんだと数日経ち、やっと迎えた登校日。

「本当に大丈夫か、キーラ」

 心配そうにこちらを見るターナス様に微笑みを返す。

「世の中気合いで何とかなるものですわ!」

 そんな私に苦笑して、彼はほっと溜息を漏らした。

 そうして前に向き直った瞳は、もう私を映していない。

「……ターナス様」

「……ああ、すまない、どうかしたかキーラ」

 呼びかけると答えてくれるが、やはりどこか遠くを見ているようだ。

「これを読んでください」

 私が差し出した紙を受け取り、不思議そうに読み上げる。

「ええと?『嗚呼キーラ、僕は狂おしい程君が愛しい!その空をそのまま落とし込んだような美しい瞳を見つめて居ると、僕の胸は高鳴ってそのまま死んでしまいそうになる。キーラ、このまま君を連れ去ってしまいたい』これがどうかしたか……っ、何てものを読ませるんだ君は!」

 全て読みきった彼は、やがて意味を理解して赤面した。その紙は私が昨晩書いた渾身の甘い台詞だ。本棚にある少女用の恋愛小説の台詞を色々と引用してみた。

 赤い顔で狼狽えるターナス様は一見いつも通りに見える。

 けれど。いつもの彼ならば全て読み切る前に、それこそ私の名前が出てきた瞬間に意図に気づいて赤くなる。これ程すんなりと最後まで読み切ったためしは、今まで一度もなかった。

 私はいつも通りを装いながら、まずはターナス様とシルカ・サーテラインの様子を伺うことにした。


 結果として、嫌な予感は的中した。


「おはようございますターナスさま!」

「ああ、お早うシルカ」

 にっこり笑って声をかけてきたのはシルカ・サーテライン。隣の私には目もくれずターナス様に親しげに話しかけるあたり、相当いい度胸をお持ちでいらっしゃるようだ。

 そんな彼女に挨拶を返し、ターナス様は微笑んだ。ターナス様は王子という尊い立場でありながらとても親しみやすく誰に対しても優しい。だから、たとえ周囲に眉をひそめられているシルカ・サーテラインに対しても等しく笑顔を向けるのは、彼においては別におかしなことではない。

 けれど、公衆の面前で、婚約者である私の目の前で、彼女の名を呼び捨てにするのは明らかにおかしい。良識という点から見ても、彼の性格から見ても、普通ならばありえないことだ。

 周囲はひそひそとこちらを見ながら話をしているが、そこに驚きは見られない。おそらく、私が休んでいる間にこの光景は日常となったのだろう。


 がり、と音がしてあごがずれ、自分の歯が噛み締められていたことに気付いた。


 良識や倫理観など、どうでも良くなってしまう程に。

 それ程までに、この女が良いのだろうか。


 私の様子に気付かないまま、女とターナス様は話を続ける。

 こんなに醜い私に気付いて欲しくない。けれど、傷ついた私に気付いて欲しい。

 心のうちに渦巻く身勝手で醜い感情を抑えている私の耳に、思いもかけない言葉が入ってきた。


「君の髪は美しいな」


 耳を疑う。

 慌てて二人に目を向ける。


「ええ、そうですか?どこにでもありそうな地味な茶髪ですよ。私はターナスさまみたいな綺麗な金色のほうが好きです」

 首をかしげながらも、まんざらでもなさそうに笑む女に、彼は言う。

「いいや、日の光に輝く君の髪は艶やかで美しい。柔らかそうで……つい触りたくなってしまう」


 耳慣れた声が、耳慣れない程流暢に甘やかな言葉を囁く。

 その瞳は熱く……ない。

 先程私と話している時にも見せた、遠くを見る目。

 彼は、目の前のシルカ・サーテラインすら見ていなかった。


 おかしい。

 いくら政略的なものでない、本当の愛情に目覚めたからといって、これ程人は変わるだろうか。恋とは根底にある性格さえも変えてしまえるものなのだろうか。


 違う。

 私はターナス様を心から愛していると胸を張れるが、私の意地っ張りや我儘は治らなかった。

 ターナス様は照れ屋だ。個人差があるとはいえ、本当に好きな相手にならば余計に照れてしまうものなのではないだろうか。


「……ターナス様!」

 私は彼の腕をつかんだ。

「…………キーラ……?」

 ターナス様はぼんやりとした様子でこちらを見る。やはり、おかしい。

「早く教室に戻りましょう、先生に叱られてしまいますわ」

「あ、ああ……」

 私は強引にターナス様をシルカ・サーテラインから引き離した。



 私は考えた末に、ハルド・ロードラーザ様のもとを訪れることにした。

 ターナス様から離れるのは不安だが、まだ自分の考えに確信が持てていない今、彼を連れて行くのもまたリスクが伴う。

 ともすれば、何の罪もない生徒を処刑することになってしまうかもしれない。


 ロードラーザ様というのは、ターナス様をおさえて全教科トップの成績を収めながら、ろくに学校に姿を見せない変わり者の有名人である。高位の貴族でありながら自由気ままに振舞う彼には多くの伝説がある。中でも彼の魔法の知識は並みの研究者では太刀打ちできない程だともっぱらの噂だ。

 言うまでもなく、私は彼に魔法について聞きに行く予定である。

 ターナス様にかけられているかもしれない……“魅了”の魔法について。

 しかし、前述のとおり彼は神出鬼没な自由人。思い立ったが吉日と校内を歩き回るものの、今日中に会えるかどうかすら定かではないし、そもそも協力してくれるかもわからない。王族の一大事なのだから当然力を貸すべきだという常識は、才能溢るる奇人には通用しないものである。

 溜息をつきつつ長期戦を覚悟して開けた空き教室に、目的の人物は悠々と座っていた。


「ああ、いらっしゃいましたね。お待ちしていましたよキーラ・カルバーナ嬢」

 手にしていた本を机に置くと、彼はその冷たい美貌をにっこりと笑みの形にした。



「……ええと、お待ちしていた、とは?」

 訊きたい事は多々あったが、私は一番話が早く進みそうな質問を選んだ。

「貴女なら来るだろうと思っていたのですよ。貴女の殿下への愛情と、事の重大さを理解する聡明さを加味して考えればおのずとわかることです」

 その発言に、私は相手を見据えた。

「……じゃあ、私が何を貴方に頼みに来たのかわかっていらっしゃるのね」

「ええ、もちろん」

 ロードラーザ様は組んでいた足を解いて、おもむろに立ち上がった。

 勿体つけるような仕草が少々鼻につく。


「シルカ・サーテライン嬢により、殿下に“魅了”がかけられているかどうかの調査。そしてもしかけられているのならば、わたしにその魔法を解いて欲しい。こんなところでしょう」

 ロードラーザ様は人差し指をくるりと回した。

「端的に申しますと、殿下、並びに現在彼女を取り囲んでいる全ての令息に、シルカ嬢自身の手による“魅了”か、それよりさらに強い精神操作系の魔法がかけられていますね」


 実にあっさり、とんでもない事実を口にする男に、私は一瞬理解が遅れた。


「……っな、なら、ターナス様の分だけでもその魔法を解いてちょうだい!貴方ならできるのでしょう?」

 教師の他に、強大な魔力を持つシルカ・サーテラインの魔法を強制的に解ける者はこの男(ぐらい)だ。

 教師に訴えるべきなのだろうが、そうしてしまうとターナス様があっさり魔法にかかってしまった事が公になってしまう。それはターナス様の名誉にかかわることで、私にはどうしてもできなかった。基本的に精神操作や精神干渉系統の魔法は法で禁止されているため、他の令息にかけていた事実だけでもシルカ・サーテラインを裁くことは十分に可能だろう。

 私はターナス様の魔法を密かに解いて欲しかったのだ。


 ロードラーザ様は、親指で人差し指をはじいてぴんと立てる。

 相変わらずにっこり笑んだ唇が、にいっと歪に上がった。


「ひとつ、条件があります」


 私は薄々予測していた展開に、静かに頷く。

 この男は何の益もなく動くような男ではないだろう。


「何かしら」

 少し緊張しながらも、あまりにも無理な条件ならば教師を買収することも視野に入れていた。


「シルカ・サーテライン嬢を裁かない。そう約束して、私に協力して頂けるのならば、あなたの望む展開に持っていけるよう私も尽力致しましょう」


 私は、またしても意味が分からず呆けた。


「……え?裁かないって……良い悪いとかではなく、出来るわけないでしょう?」

 シルカ・サーテラインが男たちをはべらせているのは周知の事実だ。魔法を解けば当然、正気に戻った男たちも周囲も疑問に思い、多かれ少なかれ彼女が彼らに魔法をかけたことが知れる。そうなれば、彼女が裁かれるのは時間の問題だろう。

 というかそもそも、目の前のこの男が彼女をかばう意味が分からない。


「まあ、出来るか否かは特に問題としていません。貴女の協力が得られれば楽だろうというだけで、私がやることは変わりませんし。ただ、貴女は殿下の名誉を守りつつかけられた魔法を解きたい、そして私はシルカ嬢を法の裁きから守りつつかけた魔法を解きたい。案外と利害が一致しているのに対立する理由がないと思いましてね。別に、貴女もシルカ嬢が殿下に近付きさえしなければどうでもいいのでしょう?」


 よくわからない理論だと思うが、確かに私はシルカ・サーテラインを無理に罰したいわけではない。結果としてターナス様は彼女を本当に好きなわけではないだろうし、彼が無事なら他はどうでも良いと思う程度には正義感があるわけでもなかった。

 反対に、このロードラーザという男はこの分だとシルカ・サーテラインを裁かせないためならば何でもしそうな気がする。その際にターナス様がどうなろうと気にも留めないだろう。この男は明らかに敵に回してはまずいたぐいの人間だ。それならば初めから協力してしまった方がお互いに楽だろう。

 私は息を吐いた。露見すれば大ごとだが、ようは露見しなければ良いのだ。それに、ロードラーザ様を見ていると何があっても露見しないような予感がする。

 なんとなくだが、この男は私と似たような思考回路を持っているのではないかと思った。


「……わかりましたわ」


 ロードラーザ様は唇の端を吊り上げる。私もきっと同様の表情をしていることだろう。


「では、キーラ・カルバーナ嬢。以後、ご協力の程、宜しくお願いしますね」


「ええ、こちらこそ。ハルド・ロードラーザ様」



※ターナス:42回

 キーラ:10回


乙女ゲーム経験ありません。どなたか悪役令嬢を攻略する乙女ゲームを知りませんか。ぜひともやらせて頂きたく……。

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