colors
真っ先になくなる
君の好きな白の絵の具
ぎゅっと絞ったたっぷりの純白
笑う君が眩しいから
僕はこっそり赤を混ぜて
君の頬をピンクに染める
パレットの中で伸びる
白の絵の具
僕ともっと遠くへ行こう
驚く君が見たいから
僕はこっそり青を混ぜて
君の空がどこまでも続いていくように
画用紙に紛れる
白の絵の具
君がそっとついたため息
君と一緒に隠れたいから
僕はこっそり緑を混ぜて
君と僕を隠す草原の海
君が必要とする色の数だけ
君と見たい世界の数だけ
溢れてくパレット
でも僕は君が一番好きな色を
知っていて
手を伸ばしても届かない純白
透明な涙を流しても
薄まることのない
どこまでも暗い僕の黒
すべて塗りつくせば
君が両手で散らす無数の白
あなたが輝かせて、って
君が言うから
漆黒を煌かせる
僕は星のための夜空になりたい